ベルギーの国の場所、基本情報、旅行に役立つ情報について

ベルギーってどんな国?3分でわかるベルギーの基本

BELPLUS編集部
基本情報

ベルギーは、日本の九州ほどの大きさの中に、3つの公用語と7つの政府、そして多くの世界遺産を有する魅力的な国です。旅行に行く前に知りたい、ベルギーの基礎知識を集めました。

これだけは知っておきたい”ベルギーの5大ポイント”

1. 小さい国に、3つの公用語

日本の九州サイズの面積の国土に、公用語が3つもあるベルギー。フランス語、オランダ語、ドイツ語の3つがあり、主に北部はオランダ語、南部はフランス語、そしてドイツ語はドイツの国境付近の一部で話されています。(観光地では、英語がどこでも問題なく通じます。)

そんな国の中心にあるブリュッセルは、主にフランス語が使われていますが、実際はフランス語とオランダ語が平等に扱われる地域です。そのため、公共機関の案内は必ず2ヶ国語で表記することが義務付けられています。

駅で見つけた、タンタンの展示会のポスター。こちらもオランダ語とフランス語が並んでいます。

駅で見つけた、タンタンのイベントのポスター。こちらもオランダ語とフランス語が並んでいます。

そんなマルチリンガルな国で育つベルギーは、必然的に言語が得意な人が多いです。特に都市部に住む人は、3ヶ国語+英語は当たり前で、中にはイタリア語やスペイン語もあっさりマスターして、どの国でも生きていけそうな人も珍しくありません。

日本人から見ると羨ましい限りですが、ベルギーは隣接した強国により公用語が次々と変わったなどの歴史があり、1900年代にも言語闘争が続くなど、決して良いことばかりではありませんでした。ベルギーの学校教育では、昔は複数の公用語を学ぶことは義務教育のカリキュラムに入っていましたが、今では自由に選べるため、英語を選択する人も多いそうです。言語闘争についてもっと知りたい方は、下記の本がとてもわかりやすく書かれているのでおすすめします。

2. 観光名所は北部に集中

ベルギーの有名観光地を地図と体験談で解説
ベルギーの北部はフランドル地方(フランデレンとも)、南部はワロン地方(ワロニアとも)と呼ばれます。このうち、ブルージュアントワープゲントルーヴェンなどの有名な観光地はほぼ北部に集中しています。ブリュッセルはちょうど中央にあるため、日本から空路でブリュッセルに到着した後は、北部をぐるりと巡る旅になるのが一般的なコースです。

観光名所の一つであるゲント。フランドル絵画の名作「神秘の子羊」が見られるほか、素敵なレストランやカフェも多いおすすめの場所です。

観光名所の一つであるゲント。フランドル絵画の名作「神秘の子羊」が見られるほか、大学生が多い学生都市の一面も持っています。

ただし、南部地方もベルギーの「隠れた宝石」と言われる魅力がたくさんあります。南部はアルデンヌと呼ばれる森林地帯が多いため、大自然を堪能できるダイナミックな絶景がたくさん。特に、切り立った崖の前に美しい景色が並ぶディナン、城壁からミニチュアのようなかわいい街並みが楽しめるナミュール、そして美食の街として知られるブイヨンの蛇行する川と森の美しさはため息物。

ディナンやナミュールは鉄道でのアクセスもよく、さらに進めばルクセンブルグにも行けるので、これらの名所を2~3日かけてゆっくりと見て回るのもおすすめです。

ブイヨンに向かう途中で立ち寄る、なだらかなアルデンヌの山々とぐるりと囲む川。

ブイヨンに向かう途中で立ち寄れる、なだらかなアルデンヌの山々とぐるりと囲む川。

ブイヨンのお城は街の高台にあるため、橋を渡る時はかなりドキドキ。城内にはフクロウがたくさん飼われています。

ブイヨンのお城は街の高台にあるため、橋を渡る時はかなりドキドキ。城内にはフクロウがたくさん飼われていました。

3. 日本にはない”ローカル美食”が味わえる

ベルギー美食の真髄、ムール貝。シーズン中に行くなら絶対に食べたい一品。

ベルギー美食の真髄、ムール貝。シーズン中に行くなら絶対に食べたい一品。

最近では日本にも、ビールやワッフル、そしてチョコレートをはじめとするベルギーの食材やレストランが増えたため、日本に行かなくてもベルギーの美食が楽しめる機会が増えてきました。ですがベルギーには、やはり現地で食べたい美味しいものがたくさんあります。

たとえば、日本で未出店のショコラティエを訪ねる旅。小さな街でもかわいいショコラティエのお店が並ぶベルギーでは、日本では体験できなかった作りたてのベルギーチョコレートのフレッシュな美味しさや、新しい味に出会える感動が待っています。カフェを併設したショコラティエも多く、ベルギーのかわいいれんが造りの建物の中でゆっくりと好きなチョコレートを楽しめます。また、本場にしかないゴディバやノイハウスのアウトレットショップもあり、有名ブランドのチョコレートの大量購入も可能です。

そして、忘れてはいけないのがベルギーワッフル。ベルギーで食べられるワッフルには2種類あり、薄くふわっとした食感で、お皿でクリームやフルーツを添えて食べる「ブリュッセル風ワッフル」と、厚さがありどっしりとした食感で、紙やプラスチックのトレーで食べる「リエージュ風ワッフル」です。このうち、本場ベルギーで絶対に食べて欲しいのがブリュッセル風ワッフル。季節の新鮮なフルーツと、ヨーロッパらしいリッチなバターで作られたワッフルの組み合わせは、滞在中に何度も食べたくなる美味しさ。日本で食べるワッフルは、甘いだけ…と思っている方こそぜひ試していただきたい味です。

ブリュッセル風ワッフルは、ナイフとフォークで食べる正統派デザート。季節のフルーツ添えで。

ブリュッセル風ワッフルは、ナイフとフォークで食べる正統派デザート。季節のフルーツと一緒に。

他にも、2400種類のビールを揃えたブリュワリーや、入手困難な幻のビール「ウェストフレテン」、メッヘレン名物の美味しい鶏肉など、ベルギーの美味しいものは沢山。パリよりもレストランが高くないため、フランスに滞在する方は、ベルギーへ鉄道で移動してレストラン巡りもおすすめです。

4. ヨーロッパのど真ん中。他の国へのアクセスも抜群

ベルギーからもっとも行きやすい国の一つ、パリへは高速鉄道タリスで。日替わりで毎日別の国に行くことも可能!

ベルギーからもっとも行きやすい国の一つ、パリへは高速鉄道タリスで。日替わりで毎日別の国に行くことも可能!

ヨーロッパ周遊旅行をする方にとって、ベルギーは「もっとも予定に入れやすい国」の一つではないでしょうか。フランス・ドイツ・オランダ・ルクセンブルグと国境を接するベルギーは、これらの国へのアクセスが簡単なばかりか、イギリスやスペイン、イタリアへも簡単に行くことができます。

ヨーロッパ全体の中心にあるため、欧州連合やNATOなど、教科書で習った国際機関の本部が多いのもブリュッセルの特徴。「終点:NATO行き」のバスに乗るととてもテンションが高くなるのは私だけ?欧州連合の中を見学できるツアーにも気軽に参加できます。将来、国際機関での就職を目指す方の旅行先にもおすすめです。

5. ミステリアスな「ベルギー7大秘宝」がある

ベルギーには、7大秘宝と呼ばれる文化財があるのをご存じでしょうか?そのうちの一つは、アニメ「フランダースの犬」の最終シーン、ネロがアントワープの教会で死ぬ直前に見たルーベンスの祭壇画「キリストの降架」です。

ベルギーの7大秘宝

『イカロスの墜落』 / ブリュッセルのベルギー王立美術館 (Royal Museums of Fine Arts of Belgium)
『神秘の子羊』 / ゲントの聖バーフ大聖堂 (Sint-Baafskathedraal)
『キリスト降架』 / アントワープの聖母ノートルダム大聖堂 (Notre-Dame Cathedral)
『聖バルテルミーの洗礼盤』/ リエージュの聖バルテルミー教会(Eglise St-Barthelemy)
『聖ウルスラの聖遺物箱』  / ブルージュのメムリンク美術館(Saint John’s Hospital)
『オワニーの聖遺物箱』/ ナミュールの古典美術館 (The Namur Provincial Museum of Ancient Arts)
『聖遺物箱』/ トゥルネーのノートルダム大聖堂 (Notre-Dame Cathedral in Tournai)*2030年まで修復中

このうち、現在修復中のトゥルネーの『聖遺物箱』以外は、どれも有名観光地の街中にありアクセスは抜群(最早秘宝ではない気もしますが…)観光名所も押さえつつ、それぞれの宝物に隠された意外なストーリーを探す旅をしませんか?

その他の基本情報

日本から行った場合の到着空港名は?
ブリュッセル国際空港(Brussels Airport、空港コードBRU)です。(空港からブリュッセル中心部までの行き方はこちら
パスポートの有効期限はどれくらいあればいい?
日本からの出国日から数えて3カ月プラス今回旅行する滞在日数分が必要です。20xx/1/1から7日間旅行に行く場合、3カ月分+ 7日で最低でも20xx/4/8までの有効期限を持ったパスポートが必要になります。
ビザは必要?
6ヶ月のうち90日または3カ月以内の観光目的の旅であればビザは必要ありません。
使用通貨は?
ユーロ(Euro, €)。(1ユーロは今何円?Yahoo!で現在の為替相場をチェック
日本との時差は?
8時間。日本の方が早いので日本時間から8時間引きます。サマータイム(下記参照)中は7時間となります。
サマータイムとは?
ベルギーでは夏は時計を1時間早めるサマータイム制が導入されています。詳しくはこちら
気温は?
全体的に、東京よりもやや低めです。年間データはこちら
治安について
ブリュッセルの治安については別ページにまとめました。
ブリュッセル以外の地域では、アントワープは駅周辺は夜は治安が悪く、ブルージュ、メッヘレン、ルーヴェンなどは比較的治安が良いです。ただし、夜は人気のない場所を歩かない、金目のものを見えるように置かない、などの自分を守る対策は必要です。
旅行に行くベストシーズンは?
5月から8月が特におすすめです。夏は日照時間が長く、21~22時まで明るいこともあるため、レストランやバーのテラス席で遅くまで楽めます。逆に、冬は日照時間が短く、17時頃には暗くなりますが、クリスマスマーケットや冬の古城巡りなど別の楽しみがあります。
国際電話のかけ方は?
ベルギーから自分の携帯電話を使って、日本、ベルギー、それ以外の国へ電話をかけることができます(Softbankの場合auの場合docomoの場合
電圧とプラグ
ベルギーの電圧は230V、周波数は50Hzです。デジタルカメラやスマートフォンなどは240Vまで対応しているので、ほとんどの場合そのまま使えますが、プラグの形が違うため、下記のような変換プラグが必要です。他の国でも使えるように、世界万能型を買っておくと便利です。高速充電できるタイプだとさらに安心。

その他のヨーロッパ旅行に共通する持ち物については、こちらのページにまとめています。
インターネット
ベルギーのインターネット事情は、日本ほど良くありません。ホテルの無料Wifiなどは一般的に遅く、屋外の無料Wifiも少ないです。ネットカフェやホテル備え付けのパソコンは、利用料も高く、フランス語キーボードで日本語入力ができないことも。日本からWifiルーターをレンタルしていくことを強くおすすめします。
トイレ
公衆トイレやデパートのトイレのほとんどが有料です。20セント~50セントを利用前に支払います。
ショップ・レストランの営業時間
キリスト教の休息日が日曜日であることから、観光名所以外では、日曜日が定休日の店が多いので注意。また、一般的なショップの営業時間も10時から18時までと夜は早く閉まります。その後は、コンビニのような「Nachtwinkel(食料品を売る夜の店)」が深夜まで営業していますが、値段も割高で品揃えも少ないです。レストランやビアバーは22時頃まで。
食事のマナー
日本と違う部分が多いので下記にまとめました。
お酒とタバコのマナー
ベルギーでは、お酒とタバコは16歳から可。日本やアメリカと比べて雰囲気もゆるく、タバコ購入時やビアバーでIDをチェックされることはあまりありません。タバコは指定された場所以外での喫煙は不可。

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BELPLUS編集部

BELPLUS(ベルプラス)は、ベルギー在住者が共同で運営するメディアです。旅行に役立つ情報のほか、現地長期滞在、留学生のための生活情報もお届けしています。