ベルギー王室御用達とは?
日本の「皇室御用達」と同じく、ベルギーにも「王室御用達」の称号を得た商品やサービスがあります。高い技術を持つ一部の企業や個人にとっては、ベルギー王室で利用されることはこの上ない名誉。王室御用達になるための審査も大変厳しく、審査に合格したブランドには、「王室御用達証」という証明書が与えられます。そして、王室御用達になってからも5年に一度の再審査が課せられています。
チョコレートの国・ベルギーでは、王室も一つのブランドだけには絞れないようで、王室御用達に選ばれたブランドは現在8つ。日本に出店済みの超有名ブランドもあれば、日本未出店の知る人ぞ知るラグジュアリーブランドまで。大切な人や目上の人へのおみやげに喜ばれる王室御用達のチョコレートを贈ってみませんか?
ベルギー王室御用達ショコラティエ一覧
ゴディバ(GODIVA)
日本では知らない人の方が少ないのでは?というくらいの知名度を誇るゴディバ。1926年、ブリュッセルで生まれた老舗ショコラティエであり、日本では高級チョコレートの代表的存在として古くから知られています。今ではコンビニなどでも売られているため、高級チョコレートとしてのプレミアム感は昔と比べて少なくなりましたが、老若男女、誰でも名前を知っているという知名度の高さから、誰に渡しても喜ばれる定番の地位を獲得しました。
ゴディバの定番は、人気の定番プラリネとカレ(ミニサイズの板チョコ)を、シックなギフトボックスに詰め合わせたもので、一部の百貨店やゴディバ店舗で飲み取り扱っています。他にも、定番の金色の箱に入ったグランプラスシリーズや、バレンタインらしいハート型のボックスチョコなど、商品のサイズと種類が豊富。予算や好みに合わせて選んでみてください。
ゴディバという名前の由来は、11世紀の英国の伯爵夫人、レディ・ゴディバ。ブランドのロゴにも彼女の勇姿が見られます。彼女は、自らの領民に重税を課そうとする夫を戒め、人々を救うために自らを犠牲にしたと言われています。この話を知った、ゴディバの創業者であるジョセフ・ドラップスとその妻ガブリエルはいたく感銘し、自らのブランドに「ゴディバ」と名付けたそうです。
ゴディバが買えるオンラインストア
ノイハウス(Neuhaus)
ノイハウスはかつては銀座に路面店があり、高級ベルギーチョコレートの走りとして知られていましたが、2010年代に一度日本から撤退。そして2019年のバレンタインシーズンに再びカムバックを果たしました。現在は伊勢丹、三越など一部のデパートや百貨店のみで販売しています。
ノイハウスの創業は1857年。ベルギーの世界最古のアーケードとして有名なギャルリー・サンチュベールに薬局として開業し、苦い薬を包むためにチョコレートを利用したことが評判を呼び、ショコラティエに転身しました。
ノイハウスのチョコレートは、その美しさや味も王室御用達として保証済みですが、高級感があるエレガントなパッケージが特徴。上記の写真の人気のプラリネを集めた「永遠の5」と呼ばれるエタニティ・ファイブの他にも、過去から現在までの人気のプラリネを歴史とともにパッケージしたヒストリーボックス等も人気です。
ベルギー在住者が多いBELPLUS編集部でも、普段からノイハウスが好きで、帰国時にお土産として買って帰る人が多い人気ブランドです。取扱店舗が少ないため、限定商品はすぐに売り切れてしまう可能性があります。バレンタイン前に早めに予約してみてください♡
ノイハウスが買えるオンラインストア
ガレー(Galler)
1976年、21歳の若さでガレーを創業したジャン・ガレーは、フランス三大シェフの一人とされるガストン・ルノートルのもとで修行を積みました。「ひと粒ひと粒、職人が手作りした本物のベルギーチョコレートをより多くの方に味わってほしい」という信念のもと、厳選された素材でチョコレートを追求し続け、1994年には異例のスピードでベルギー国王アルベール2世より「ベルギー王室御用達」に認定された、チョコレート界のエリートです。
ガレーは様々な味の「タブレット」や「ミニバー」を並べた「アソートセット」が多く、チョコレートにあうワインやシャンパンと一緒にプレゼントすると、味の違いを一緒に楽しむことができます。また、Amazonでの取り扱い商品が多く、普段の買い物と一緒に購入することができる手軽さも魅力の一つです。
ガレーが買えるオンラインストア
レオニダス(Leonidas)
2013年より王室御用達の仲間入りをしたレオニダス。ベルギーっ子たちの間では、気軽なランチパーティーのお呼ばれなどに持っていける「普段使いのブランド」として有名です。他の王室御用達ショコラティエより価格が安いのも魅力の一つで、ギフトとして気軽にまとめ買いすることできます。
レオニダスはデパートに出店しているほか、日本の一部の個人カフェと提携してプラリネやトリュフを販売しています。オンラインで気軽に買うだけでなく、そんなカフェでコーヒーを飲みながら一つずつ選ぶのも楽しいですよ。
レオニダスが買えるオンラインストア
ピエール・マルコリーニ(Pierre Marcolini)
日本進出時は、このチョコレート目当てに大行列ができるのがニュースになったほどの人気ショコラティエ。創業者であるピエール・マルコリーニは、もともとは製菓のコンクールの優勝者であり、1995年に自らの名前を冠したショコラティエ「ピエール・マルコリーニ」をブリュッセルで創業後は、瞬く間にトップクリエイターの一人に上り詰めました。
若いブランドとしてのマルコリーニの強みは、シンプルでシックなブランドイメージと、ブランドロゴがカカオであることからも見られる、厳選された上質な素材のみを使う、チョコレートへの妥協を許さない姿勢。ビジネスマンとしての手腕も素晴らしく、ベルギーの高級エリアを中心に複数店舗を展開しています。
ピエールマルコリーニが買えるオンラインストア
ヴィタメール(Wittamer)
1910年に創業した、100年の歴史を誇るショコラティエ。アンリ・ヴィタメールがブリュッセルのサブロン広場に開いた本店には、今もたくさんの人が彼のチョコレートを買いに足を運びます。日本では、一部の有名デパートでチョコレートや生菓子を販売しています。
ヴィタメールのチョコレートは、本当に上質な材料だけで作ったことが一口食べればすぐにわかると本国でも高い評価を得ています。オンラインショップではチョコレートや焼き菓子類を買うことができますが、近くにヴィタメールの店舗がある方は、ぜひチョコレートケーキを買ってみてください。チョコレートの濃厚な味が楽しめるおすすめの一品です。
ヴィタメールが買えるオンラインストア
ヴァンデンダー(Van Dender)
日本はまだ認知度は低いですが、ベルギー国内の評価がうなぎのぼりのショコラティエ、ヴァンデンダーです。オーナーのエルマン・ヴァンデンダーは、ベルギーのアントワープでチョコレートを学び、スイスやフランスのほか日本でも修行経験があるインターナショナルな感覚の持ち主です。
1989年に家業のチョコレートショップを引き継いだ彼は、天性の才能と手腕を発揮しました。彼の実力派、リヨンで開催されたクープドモンドで受賞されたことで広く知られるようになります。その後2008年に王室御用達の称号を得てからは、彼のアーティスティックな色使いのプラリネや、様々な素材を組み合わせたチョコレートとのマリアージュが評判を呼び、現在までの名声を獲得しています。
期間限定!日本でも買えるヴァンデンダー
日本に店舗がないヴァンデンダーですが、バレンタインの時期のみ期間限定で日本でもチョコレートを販売します。一部の大手百貨店でしか取り扱いがないため、確実に購入したい方は早めのチェックをおすすめします。
マダム ドリュック(Madame Delluc)*ベルギーではマリー(Mary)という名で販売
1919年の創業と、王室御用達ブランドの中では最も長い歴史を持つ、知る人ぞ知るチョコレートブランド。創業から現在まで、天然素材のみを使用し、全ての過程を手作りするという伝統を守り続けています。がんこそうな職人を想像してしまいますが、創業者はチョコレートが大好きなマリー・ドリュックという女性。彼女の名前を冠したショップのデザインやパッケージはとてもエレガントで女性らしく、他の王室御用達ブランドのような物々しさがありません。
ベルギーは、中世時代にベギンホフという女性の共同住居があったことから分かるように、早くから女性が自立すること、手に職をつけて生きることについて国全体が前向きであったという歴史があります。男社会である昔のショコラティエの世界において、手腕を発揮し、女性らしさ、自分らしさを活かしながらビジネスとしても成功させたマリー夫人。今もあるロワイヤル通りの本店周辺を歩けば、彼女が暮らした時代の息吹きを感じられます。
2020年現在、日本には京都と東京に店舗が1点のみ。レアなベルギーチョコレートのブランドとして、とっておきの人に渡すオリジナルなおみやげとして喜ばれること間違いなしです。
まだまだある、王室御用達以外のおすすめショコラティエ
上でご紹介した王室御用達ショコラティエ以外にも、ベルギーには素敵なチョコレートブランドが沢山あります。そして最近、新進気鋭の若いショコラティエのお店がどんどんオープンしているのです。
元エンジニアが作るこだわりのシングルオリジンチョコレートや、自ら農園を持つパティシエによる少数生産チョコレートなど、これまでにないこだわりがあるブランドばかり。これらは日本では取り扱いがなく知名度が低いですが、百貨店の目利きのバイヤーさんのおかげで、バレンタインの期間だけは購入可能になるブランドもあります。
それらのおすすめのショコラティエも含めて、王室御用達以外で日本で買えるおすすめショコラティエも下記にまとめています。
ベルギー在住編集者が、「トリュフ」や「カレ」など、ヨーロッパでよく見かけるチョコレートの種類について解説しています。チョコレートを選ぶときの参考にしてください。