ベルギーの観光地として必ず名前があがる二つの人気都市、ブルージュとアントワープ。時間的にどちらかの都市にしか行けない!という方のために、ベルギー現地在住BELPLUSスタッフが、二つの都市の違いをまとめてみました。
ブルージュ | アントワープ | |
---|---|---|
アクセス | ブリュッセルから1時間 | ブリュッセルから40分 |
公用語 | オランダ語 | オランダ語 |
大きさ | 小さい(徒歩でまわれる。中心部は端から端まで2km) | 大きい(駅の西側に見どころが広がる) |
街並みの特徴 | 街じゅうに運河が流れる。13~14世紀の赤いレンガの家が並ぶ。中心部はネオゴシック様式の建物が多い。童話に出てくる可愛らしい住居も多く、中世ヨーロッパの雰囲気が保たれています。 | 中世の歴史的建造物からアールヌーヴォー様式の建物、そして現代的な建物まで様々。学生街やビジネス街もあり、現代的な都会の都市としての機能を有する。 |
観光名所 | 鐘楼 運河クルーズ 馬車で観光 | ノートルダム大聖堂 アントワープ中央駅 プランタン・モレトゥス博物館 |
美術鑑賞 | メムリンク美術館 ミケランジェロの聖母子像(聖母教会) | ルーベンスの祭壇画 ルーベンスの家 |
ショッピング | 観光客向けのおみやげ屋が充実 | ファッション・デザインの有名大学があり、ショッピングエリアが充実 |
キーワード | ロマンチック、女子旅、写真撮影、キュート、アンティーク | 歴史、風格、クール、美術、建築 |
その他 | 過去の記事 | 過去の記事 |

ブリュッセル、アントワープ、ブルージュの位置関係と所要時間マップ
どっちがおすすめ?
ロマンチックな旅にするならブルージュ
ハネムーンや女子旅で、ブルージュかアントワープどちらか1都市に行くという場合は、ブルージュをおすすめします。赤いレンガでできたおとぎ話のような街並みは、ブリュッセルとも全く違う、中世のベルギーそのものの雰囲気に浸れます。

世界遺産の鐘楼から見えるブルージュの街並み。

ブルージュでは気軽に馬車に乗れます!中世の貴族になった気分です。
運河クルーズや馬車など、街並みの魅力を堪能できるアクティビティも豊富で、一日中いても飽きません。カリヨンの鐘の音を聴きながら、中心部のマルクト広場を世界遺産の鐘楼の上から見渡すと、赤い屋根のかわいい街並みがずっと遠くまで広がっているのに驚かされます。「通り」や「広場」だけでなく、ブルージュは本当に街全体が絵本の挿絵のように綺麗なんです。

絵本の挿絵のようなこんな街並みがどこまでも続きます。住む人たちも家を美しくプレゼンテーションしようと努めていることもわかります。ガーデニングも必見。
街が歩いて回るのにちょうどよいサイズであることも魅力で、有名なベルギービールのブルワリーやベギンホフ修道院も、すべて中心部から歩いてすぐのところにあります。
そしてもう一つ、アントワープにはないブルージュの魅力とは、ブリュッセルから行く途中で、もう一つの有名都市である「ゲント」を通過するため、ゲントでの観光も可能になることです。なるべく多くの街を見てみたい方なら、ちょっと忙しくなりますが、ゲント半日、ブルージュ半日でブリュッセルからの日帰り小旅行も可能です。

観光都市でありながら、学生都市の面も持つゲント。中心部は車の侵入が禁止されています。
最先端を感じるならアントワープ
では、ブルージュに比べてアントワープが良くないのかというと、決してそういうことではありません。いかにも「ベルギー」のポストカードにあるような風景が多いブルージュと違い、アントワープは「古さ」と「新しさ」が共存する街。
ベルギーっ子たちも、「アントワープ=おしゃれ」という意識が強く、最先端のショップのベルギー初店舗はまずアントワープにできることも。ベルギーっ子たちに’t stad(ト・スタッド=ザ・シティ)と呼ばれるアントワープに受け入れられてこそ、はじめてブランド力を手にすることができるんです。
ノートルダム大聖堂近くは、まさに「ヨーロッパの旧市街」といった感じの風格で、ブリュッセルのグラン・プラスにも似た16、17世紀に建てられたギルドハウスが広場に並びます。そして少し歩けば、ブルージュと同じようなかわいい赤レンガの街並みも。さらに、ナポレオンがかつて住んだ豪邸などが並ぶメール通りには、豪奢な建物に最先端のショップが並びます。

チョコレートショップ入り口。アントワープには、エレガントからクールまで様々な顔があります。
そして忘れてはいけないのは、「ザウド地区」と呼ばれるアントワープ王立芸術アカデミー周辺の路地裏エリアや河岸沿い。この辺りは、最近急激にクールなショップやカフェが増えました。個人的には、フランダースの犬の舞台になったノートルダム大聖堂ばかりが中心になるアントワープですが、本当の魅力を知るならまずはこのエリアに来て欲しい、というくらいお気に入りの場所です。
アントワープのそんな「ごちゃ混ぜ感」をよく表現しているのが、東京オリンピックの会場を建設した有名建築家ザハ・ハディッドによる建築「アントワープ・ポート・ハウス」。彼女の最後の作品の一つとなった、昔の消防署の屋上に降り立ったかのような船(宇宙船?ダイアモンド?)は、アントワープの新しいシンボルとして人気を博しています。

夜は一層輝く屋上のモニュメント。異世界にきたような組み合わせです。
また、アントワープ生まれのファッションブランドの中で、日本人の女性によく似合うと思うのが「Essentiel(エッセンシエル)」というブランド。キレイめかつちょっとデザインが変わった、全体的に女子力の高いデザインが多く、日本人の体型に合った小さめのサイズが多いのも魅力です。
このEssentiel(エッセンシエル)ですが、メール通りに1店舗あるほかに、王立芸術アカデミーのすぐそばにはアウトレット店も。少しシーズンオフの服やアクセサリーが、お店で買うよりかなり安く手に入るので、ぜひ訪れてみてください。
どうせなら、両方行きたい!
せっかくのベルギー、アントワープもブルージュも両方行きたい!でも1日で全部見て回れるか不安、という方には、下記のようなツアーもあります。
上記はブリュッセル発着のプランですが、他にも、専用車でブリュッセル発・アントワープを観光して最後にはブルージュの指定ホテルまで送り届けてくれる送迎を兼ねたプランもあります。
この場合、スーツケースなどの重い荷物は車内に置いておけるのが1番の魅力(コインロッカーも日本の駅ほど充実していないので、駅で必ず預けられるとも限りません)。身軽に観光したい方におすすめです。