屋根のない美術館でつくられるビール

ベルギーの有名観光都市ブルージュ。世界遺産の鐘楼があるマルクト広場を中心に、14世紀の栄華を彷彿とさせる豪華な装飾の建物に囲まれた街は、「屋根のない美術館」とまで例えられています。

そんなブルージュの人気の名所一つに、500年以上の歴史を持つベルギービールのブリュワリー「De Halve Maan(ドゥ・ハルヴ・マーン)」があります。こちらも世界遺産のベギンホフ修道院のすぐ近く、市内の絶好のロケーションにあり(ブルージュ駅からも徒歩10分と近いです)、いつも世界中から訪れるビール好きの観光客で大にぎわいです。

ブルージュのブリュワリーDe Halve Maanに地下パイプが完成!

ブルージュのブリュワリーDe Halve Maanの入り口。すぐ近くに世界遺産のベギン修道院があります。

昔から続く現役のブリュワリーですが、現在でも毎週水・木曜日に仕込みが行われている現役の醸造所。上面発酵のビールは国内外での評価が高く、ここのシグネチャービール「Brugse Zot」は、なんと東京にも名前を冠した専門パブを構えるほどです。最近では、ここで生産したビールをブルージュ郊外で瓶詰めを行うために「ベルギービールのパイプライン」を地下に作ったことがニュースになりました。

郊外にある瓶詰め工場から、中心部にあるブリュワリーまで地下でつながったパイプラインを黄色で表示しています。

郊外にある瓶詰め工場から、中心部にあるブリュワリーまで地下でつながったパイプライン

ブリュワリーで醸造過程を見学。ここでしか見えないブルージュの眺めも堪能

de halve maanの屋上から一望できるブルージュの景色は、昔と変わらないまま

屋上から一望できるブルージュの景色は、昔と変わらないまま

De halve maanに行く方は、醸造過程が見られるガイドツアーに参加することをおすすめします。見学は古い建物の傾斜のある階段を上り下りするため、ちょっとした冒険気分で歩きます。かなり階段を上ったと思ったら、目の前に広がるのはブルージュの赤レンガの美しい街並み。街の中心部にあるため、有名な名所もすぐ近くに見えます。昔のブリュワリーで働く人たちもきっと同じ景色を見ていたはず。

見学コースの他にも、ビールグラスや世界の缶ビールのコレクションの展示や、ここにしかないブリュワリーのグッズもあります。De Halve Maanのビールは日本でも手に入りますが、ここで造る過程を見た後は、日本に帰って飲むビールは一層美味しく感じられます。

見学ツアーの料金は?

ブリュワリーの見学は、45分のガイドツアーとシグネチャービール「Bruges Blond」の試飲がついて9ユーロ。子供の場合はノンアルコールドリンクがついて半額になります。さらに特別な経験がしたいなら、毎日2:30pmから開催される、セラーで3種類のビールをプロの解説と共に飲み比べするデギュスタシオンコースがおすすめ。デギュスタシオンコースの場合、所要時間は90分、料金は19ユーロになります。

ドゥ・ハルヴ・マーン(De Halve Maan)

住所:Walplein 26 8000 Brugge
営業時間:4~10月は11:00~16:00, 土曜は17時まで
ガイドツアーの詳細は、下記の公式サイトで確認できます。
約45分の見学とティスティングで9ユーロ。オンライン予約可。
公式サイト


WRITER

Hanna

ベルギー・ルーヴェン大学卒業。現在はアントワープを拠点に日本とベルギーを行き来する生活を送る。趣味はベルギーのレストラン巡りと、カフェのテラス席でのビールを飲みながらのおしゃべり。