ベルギーに来たからには行っておきたい定番スポット
せっかくベルギーに来たのだから、日本に帰るときに後悔しないためにも、みんなが訪れる定番の名所は押さえておきたいもの。今回は「これを見ないとベルギーに来た意味がない」といえる名所トップ5を集めました。旅の計画の参考にもどうぞ。
定番1. グラン・プラス(ブリュッセル)
ベルギーを代表する世界遺産であり、ベルギー観光のメインの一つ。ヴィクトル・ユゴーによって「世界でもっとも美しい広場」と言われたグラン・プラスは、ブリュッセル中央駅から徒歩で5分というアクセスの良さもあり、世界中からの観光客で常に混み合っています。
見どころは、15~16世紀に次々と建てられたギルドハウス。ギルドとは同業者組合のことで、同じ職業のグループが相互扶助を目的に結成されました。自分たちの誇りである職業のシンボルが建物の装飾となっているため、それをひとつひとつ見つけるという楽しみがあります。
また、広場で一番高い建物である市庁舎は、ギルドハウスとはまた異なるフランボワイヤン・ゴシック様式の優雅な建築物。夜は中央にある96mの尖塔が美しくライトアップされるため、夜もぜひ訪れてみてください。グラン・プラス周辺は常に多くの人がいるため安心ですが、少し離れた静かな通りには観光客目当てのスリがいることもあるので要注意。
最後に、市庁舎を見た後は、その並びにある美しいセルクラースの像の左手に触るのを忘れずに。幸運になれるという言い伝えがあります。
定番2. 神秘の子羊(ゲント)
15世紀のベルギーを代表する、フーベルト・ファン・エイクとヤン・ファン・エイク兄弟によって描かれた祭壇画「神秘の子羊」(別名「ゲントの祭壇画」)は、ブリュッセルから電車で30分の都市ゲントの聖バーフ大聖堂内にあります。美術にあまり興味がなくても、中世フランドル絵画の傑作として名高いこの作品は、この大聖堂の中でしか見ることができないため、ベルギーに来たからには必ず見ておきたいものの一つです。
ファン・アイク兄弟の傑出した観察眼からくる優れた細部描写はあまりにもリアルで、描かれた人物が間近にいるような現実感さえ感じられます。絵画自体もミステリアスで、黙示録で述べられている神秘の子羊の他にも、当時の時代背景を表すような不思議なモチーフも多く、上下二層に分かれた三連祭壇画の構成も謎に包まれています。
2019年まで10年近くの間、祭壇画の修復作業が行われていましたが、2020年2月よりついに全ての部分がこのバーフ大聖堂に戻ってきました!10年ぶりに蘇った子羊の真の姿は、あれっ、これまでと違うかも…。
ベルギーの至宝、ヤン・ファン・エイクのゲントの祭壇画ですが、修復作業が進むにつれて神秘の子羊の顔が明らかに…
— BELPLUS🇧🇪ベルギー (@info_jp_belgium) January 22, 2020
ゲントには大学がある学生都市のため若い人が多く、スタイリッシュなショップやレストランも多いです。ベルギーの歴史と若いカルチャーが共存する、ブリュッセルとはまた雰囲気の違う都市です。神秘の子羊と合わせて行きたい名所としては、フランドル伯がかつて住んでいた石造りの大きなお城。中世の鎧や刀の展示のほか、実際に使われていた中世の拷問器具も見られます。
定番3. ノートルダム大聖堂(アントワープ)
ノートルダム大聖堂(または聖母大聖堂とも)が定番として人気があるのは二つの理由があります。一つは、ベルギーを代表する画家ルーベンスの傑作「キリストの昇架」「キリストの降架」「聖母被昇天」の3つが見られるということ、もう一つはここがかの有名な「フランダースの犬」のネロとパトラッシュの最後の場面だからです。
最初はイギリスと日本で飲み出版されていたためベルギーでは全く知られていなかった「フランダースの犬」ですが、日本人観光客が次々訪れることによって次第に知られるようになり、今ではオランダ語版の小説も出版されています。
フランダースの犬ファンであれば、ノートルダム大聖堂前にあるネロとパトラッシュの像(上の写真)も必見です。近くには日本語の解説も書かれており、「フランダースの犬」の舞台を見に来てくれた日本人観光客への好意がうかがえます。
ノートルダム大聖堂のすぐ近くにある聖カルロス・ボロメウス教会にも、ルーベンスの祭壇画が展示されています。この教会は息をのむほど美しいので、ノートルダム大聖堂と合わせて是非訪れてみてください。
定番4. ボートに乗って市内観光(ブルージュ)
ブリュッセルから電車で一時間で行けるブルージュは、別名「ベルギーのベネチア」と呼ばれています。その名の通り、街を縦横に流れる運河には50以上の橋がかかっており、まるでおとぎ話にでてくるような可愛らしい場所です。かわいい通りを散策し、運河沿いのカフェでお茶をした後は、ボートに乗って市内を巡るのがおすすめ。普通の歩道からは見えないところにある邸宅の庭の目の前を通ったり、木々とレンガに囲まれた細い川を運行するなどして、歩いているだけでは見えなかったブルージュの別の顔を知らせてくれます。
残念ながら冬はボートは運行していないのですが、そのかわりに馬車がおすすめです。人数に合わせて選べる中世そのままのスタイルで、ブルージュの街並みを一周します。
定番5. マグリット美術館(ブリュッセル)
王立美術館の一部を改装して作られた、ベルギーの国民的画家でありシュールレアリズムの名手ルネ・マグリットの美術館。日本で人気のあるマグリットですが、マグリット財団によって作られたこの専門美術館には、一度は実際に見ておきたい有名な作品の他にも、美術学校時代の絵や、広告デザイナー時代に製作したポスターなど、彼の作品を系統的に見られる館内の構成が魅力。
特におすすめは3階の展示「シュールレアリズムの勝利」。同じくシュールレアリズムの代表的画家であるジョルジョ・デ・キリコやポール・デルヴォーとの出会いから、マグリットがシュールレアリズムの名手として開花していく様子が一枚一枚の作品におさめられています。
また、ブリュッセル郊外にはマグリットの家も。こちらは邸宅を改装した小さな美術館ですが、別の団体が運営しているため、マグリット個人の私生活に迫る展示が見られます。