ローカルと歩くアントワープ!おすすめの場所全部教えます

こんなに美しい教会があったなんて…ルーベンスの絵画と彫刻を見に聖ボロメウス教会へ

Sint-Carolus Borromeuskerk
BELPLUS編集部

聖カルロス・ボロメウス教会について

フランダースの犬の最後のシーンの舞台となったノートルダム大聖堂が有名なアントワープですが、個人的に美しさでは一番と思うのが、大聖堂のすぐ近くにある、この聖カルロス・ボロメウス教会です。 [caption id="attachment_16193" align="aligncenter" width="1000"]こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ 古典バロック様式の美しい建物は、かつては「大理石の殿堂」と呼ばれていました。[/caption] 聖カルロス・ボロメウス教会は、イエズス会の依頼によって、1615年から6年かけてバロック様式で建てられました。もともとこの教会は、ザビエルの兄弟子であるイエズス会創設の立役者イグナティウス・デ・ロヨラの名をとり、聖イグナティウス教会と呼ばれていました。 1773年、非宗教的な圧政により、法王はイエズス会の解散を命じました。そのため、世界中ではイエスズ会の関連品が押収され競売にかけられてしまう事態に。そんな中、カロルス・ボロメウス司教の後援のもとに、アントワープにある教会は礼拝堂として使用されるようになります。その後、1803年の政教条約において、この教会は独立した教会として認定されました。現在の教会名は、カロルス・ボロメウス司教からとられたものです。

ルーベンスの祭壇画『聖なる家族の帰還』を展示

ルーベンスによるカルロス・ボロメウス教会の祭壇画「聖なる家族の帰還」

ルーベンスによるカルロス・ボロメウス教会の祭壇画「聖なる家族の帰還」

この教会は、ルーベンスが絵画や天井の壁画、ファサードの装飾などに携わっていましたが、1718年の火災で作品のほとんどを焼失してしまいます。主祭壇用にルーベンスが描いた『聖母昇天』と『聖イグナティウス・デ・ロヨラと聖フランシスコ・ザビエル』は、現在ウィーンにあるそう。ですが2017年6月23日、ルーベンスの『聖なる家族の帰還』が教会に戻ってきました!1620年~1624年頃に描かれた絵で、ほぼ250年ぶりに戻ってきたそう。メトロポリタン美術館が所有していたこともありました。現在は、かつての場所と同じヨセフ・チャペルの祭壇画として公開中です。

こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ

2階からの眺め。窓に沿って絵画が並べられています。

カトリック教会を象徴するファサード(正面外観)

こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ

実際の建物のサイズよりも大きいファサードは、周りの人々を惹きつけるため

「IHS(イエスズ会の紋章)」が記された教会正面は、見る人全てを圧倒します。建物より高く造られた巨大なファサードには、コリント様式の柱(1階)とドーリア様式の柱(2階)が層を成すダイナミックなデザイン、楽器や人物の様々な彫像などが配置されています。この教会の前は小さな広場になっているため、より一層印象的です。

中央祭壇から二つの礼拝堂へ、そして2階へ

こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ

中央祭壇の絵はコルネーリス・シュット作の「聖母マリアの即位」です。

カルロス・ボロメウスは典型的なイエスズ会教会であり、中央に一番目立つ祭壇があり、その両側に二つの礼拝堂があります。

まずは目を惹きつけられる中央祭壇で、コルネーリス・シュット作の「聖母マリアの即位」(The coronation of Mary)」を見てください。その後、向かって右側にあるのが聖母マリア礼拝堂で、左側にあるのが聖イグネシアス礼拝堂です。

こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ

2階からの眺めもとても美しいです。身廊にある絵画も見応えがあります。

教会でクラシック音楽を聴けるチャンス

こんなに美しい教会があったなんて...アントワープの聖カルロス・ボロメウス教会へ

一つ一つの装飾が芸術品である教会。絵画だけでなく、彫像にも注目

教会では、週末を中心に有料のコンサートが開催されています。スケジュールや料金は演目により異なるため、公式サイトで確認してください。

レース博物館でベルギー名物のレース編みを

教会の隣りには、付属のレース博物館があります。サイズが9m×78cmと特大サイズの、17世紀に作られた聖イグナティウスの人生を描いたレース作品も展示されていますよ。レース博物館は水曜のみ公開なので、どうしても見たい方は日程を調節して訪れてみてください。予約をすると確実です。

カルロス・ボロメウス周辺の見どころ

カルロス・ボロメウス教会と聖母大聖堂(ノートルダム大聖堂)つなぐ道にある可愛い雑貨屋さん。

カルロス・ボロメウス教会と聖母大聖堂(ノートルダム大聖堂)つなぐ道にある可愛い雑貨屋さん。

教会はアントワープの中心部にあるため、様々な観光名所と組み合わせて訪れることができますが、一番のおすすめはルーベンスをテーマにした3つの教会を巡る散策です。このボロメウス教会と、フランダースの犬の祭壇画があるノートルダム大聖堂、そしてルーベンスが眠る聖ヤコブ教会は、どれもお互いに近い場所にあります。さらに深くルーベンスを知るなら、ルーベンスの家も必見です。

また、ノートルダム大聖堂の真横には、キリスト教の彫像が並ぶ人気カフェ「‘t Elfde Gebod」があります。ルーベンス散策の後にぴったりの場所なので、ぜひ足を運んでみてください。下記の記事で詳しく紹介しています。

基本情報

名称
聖カルロス・ボロメウス教会
Sint-Carolus Borromeuskerk
住所
Hendrik Conscienceplein 6, 2000 Antwerpen
( 地図アプリで場所と行き方を見る)
最寄駅
Antwerpen Sint-Katelijne駅(トラム11・12番、バス24番)
営業時間
月曜日〜金曜日:10:00~12:30、14:00~17:00 レース博物館は水曜日:10:00~12:00、14:00〜16:00
休業日
土曜日、日曜日、祝日(日曜日、祝日はミサあり)
料金
2ユーロ(レース博物館のみ)
トイレ
URL
公式サイト
*2019年時点の情報です。(ご利用上の注意)
おすすめ度: 5

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BELPLUS編集部

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