ベルギーでは、飲料水が有料で、交通機関は日本と比較して一般的に割高である一方、美術館や博物館は18才以下は無料で入場できるところも多く、週末の鉄道チケットは半額になるなど、日本と異なる面も多くあります。旅行で体験する物価を一覧にしました。大体の目安としてお使いください。
鉄道(都市間の移動で利用)
ブリュッセルからブルージュ・アントワープへ行く時など、都市間の移動で使うのが鉄道。ブリュッセル空港からブリュッセル市内へ向かう時も利用します。鉄道料金は両替レートにも左右されますが、ほぼ日本の2倍くらいと見ておいてください。
25歳以下の方は、Go Passというお得なチケットが利用できます。Go Passを使えば、ベルギーのどの都市へも6.4ユーロ(約800円)で行けるので、近距離の移動でない限りは基本的にこちらを使う方がお得です。Go Pass 10という回数券もあり、こちらはさらに割引が適用され一回あたり5.2ユーロ(約650円)になります。10人まででシェアすることもできます。
26歳以上でも、Rail Passという大人用の定額の回数券が利用できます。Rail Passを使えば、ベルギーのどの都市へも7.7ユーロ(約1,000円)で行くことができます。こちらも、複数人でシェアすることができます。
メトロ・トラム・バス(都市内の移動で利用)
ベルギーのメトロ・トラム・バスは、共通チケットで利用できます。1回券は2.1ユーロから3ユーロ(300〜400円)とかなり割高になりますが、回数券を購入すると1回あたり1.5ユーロ(200円)程度と日本と変わらない価格になります。旅行中は交通機関を利用することも多いため、最初から10回分の回数券を買うことをおすすめします。
ちなみに、ベルギーは地域によってメトロ・トラム・バスのシステムが分かれていて、ブリュッセルとそれ以外の人気都市(ブルージュ・アントワープ・ゲントなど)では別のチケットを買わなくてはいけないので注意してください。
ブリュッセル
そのほかの主要観光都市
美術館・博物館
美術館や博物館などの施設の入場料は、25歳を境目に大きく分かれます。25際以下は子供と見なされ割引料金(2ユーロ引き〜半額のところも)が適用されるからです。美術館や博物館によって料金は違いますが、6~8ユーロを目安にするといいでしょう。
大人の場合は、入場料としては8ユーロ(1,000円)が一般的です。中にはブルージュのヒストリウムのように14ユーロ(1,800円)近くかかるところもありますが、全体的には日本より少し安い、という印象です。
美術館・博物館の数が多いブリュッセル・アントワープ・ブルージュの3都市は、1回購入すれば多くの美術館・博物館(教会も)の入場が無料になるフリーパスを販売しています。特にブリュッセルとアントワープのフリーパスは有名どころを全て抑えているので、3~4館以上回る予定の方は購入をおすすめします。市内の観光案内所のほか、オンラインでも販売しています。
カフェ
コーヒーの値段は、1杯あたり350円〜400円と日本とそれほど変わりません。高級志向のグラン・カフェやホテルのコーヒーはもう少し高くなりますし、自動販売機や駅のスタンドのコーヒーはもう少し安い場合も。カフェイン無しは「Decaf(デカフ)」薄めのコーヒーが好きな人は「アメリカン」を注文してください。

行きつけのカフェで、チョコレート在庫不足によりドイツのチョコが出てきて(ベルギーでは大事件)記念撮影。お詫びのクリームが付いてきました。
Exkiというベルギーのオーガニックカフェは、入りやすくて可愛い上に値段も手頃なのでおすすめです。カフェでしっかりサンドイッチやパンが食べたい人は、Panosというベルギー生まれのサンドイッチ店もおすすめです。
ちなみにベルギーでは、ケーキセットというものをほとんど見かけません。なぜなら殆どのコーヒーには、小さなお菓子が付いてくるからです。小さなお菓子はパッケージも可愛いものが多く、色々なカフェで比べるのも楽しいです。
レストラン
観光都市のレストランでのランチは、セットメニューで15〜19ユーロ(1,900円〜2,500円)が中心。レストランの形態にも色々あり、「ビストロ」や「ブラッセリー」と呼ばれるところは気軽に食べられる料理を揃えています。また、カフェでもしっかりした料理が食べられるところもあります。お店の前にはメニューが出ていることが多いので、入る前に必ずチェックしてください。
ホテル
こちらのページにも書きましたが、ベルギーのホテルは値段と快適さが比例しています。日本のビジネスホテルのように、安いけど手入れが行き届いていて清潔というのはあまりありません。7,000円/泊以下のホテルは、部屋やシャワーが共同だったり、駅から遠い&治安の悪い場所にあったり、建物が清潔で無いケースがあります。ホテルに関しては、あまり節約せずにちゃんとしたところを選んでほしいです。
高級ホテルは上を見ればきりがありませんが、中価格帯のホテルなら都市部でも12,000円/泊〜あたりなら安心して泊まれます。ベルギーは昔からの石畳の道が多いため、駅からあまり遠いとスーツケースを引いて歩くのに不便なこともあるので、最寄り駅からの距離も確認してください。
チョコレート
日本で見かけるベルギーチョコレートには、様々な輸送コスト(特に空輸している場合)がかかっています。そのコスト代金が差し引かれた上に、日本では見かけないブランドや新製品も多いので、ベルギーでチョコレートを探すのは本当に楽しいです。
ベルギービール

メッヘレンの5世代続くブリュワリーでのメニュー
マクドナルドなどのファストフード
ベルギーにも、マクドナルドやピザハットなどの国際チェーンが出店していますが、日本のようなスモールサイズが無く、値段も1.5倍程度の印象です。
最後に:決済のIT化が進むベルギー。多額の現金を持ち歩くのは危険です

アントワープの中心部にあるDIVA博物館は、現金での支払いができません。カード支払いのみの野外のイベントでも増えてきていますphoto credit: VISITFLANDERS DIVA via photopin (license)
上記のような物価一覧から、滞在中にいくらお金が必要になるかの概算がわかると思います。ですが、滞在中に必要な金額すべてを現金で持ち歩くのは危険です。ベルギーでは、ほとんどの公共機関やカフェ・レストランでクレジットカードが使えますし、盗難防止の観点からも、クレジットカードの方が安全という意識が広まっています。
野外のイベントでも、最初の受付でクレジットカードでトークン(プラスチックのコイン)を購入し、それを現金がわりにして色々購入するものが出てきています(日本のベルギービールウィークエンドもこの方式です)。これは、各店が現金を扱うよりも盗難等のリスクが低いためです。決済のIT化を進めるベルギーでは、これからもこの方式が増えていくと思われます。
(また、悲しい話ですが、アジアからの旅行者=現金をいっぱい持ち歩いている人、何かあっても警察に訴えない人、という印象がスリグループの間で出来上がっており、特に狙われやすいという話を聞いたことがあります。)
そのため、もしクレジットカードをまだ持っていない人や、ICチップ(カードの表面にある金色の四角形の埋め込み)が付いていない旧式のクレジットカードをお持ちの方は、旅行前にクレジットカードを作ることも考えてみてください。お住いの地域や、よく使うお店で発行するカードが一番お得ですが、特にこだわりがない方は、旅行保険が手厚いクレジットカードにすると安心です。