海外旅行の前に、今持っているクレジットカードの見直しが必要です

ヨーロッパで使えない(エラーになる)クレジットカードの種類

BELPLUS編集部
旅のプラン

大昔に作ったクレジットカードを、何度も更新しながら利用している。よほどクレジットカードに興味がある人でない限り、多くの方はこのような状態だと思います。

私たちも少し前までは、家族それぞれが10年以上前に作ったクレジットカードを使っていました。母は地元デパートのキャンペーンで作ったカード、娘は鉄道会社が作ったカード。どちらも年会費無料で、普段の買い物や定期券の購入でお得にポイントが溜まることから、日常生活の支払いもほとんどこれらのカードを使っていました。

ですが、何度かヨーロッパを旅した中で、「カードが使えない場合がある」「古いカードはスキミングの被害にあう」ということがわかったことと、カードによっては自動的に付いてくる海外旅行保険の充実度が違ったため、数年前の海外旅行を機に新しいクレジットカードを契約しました。

このページでは、上にあげた二つの問題とともに、私たちが新しく契約したクレジットカードを選んだ理由も書いています。

(*ですが誰もが作った方がいいというわけではなく、現在のカードに問題がなければ、新しいカードを作る必要は全くありません

JCBカードはヨーロッパではほとんど使えない

日本で作るクレジットカードのメジャーな会社。この中でJCBはヨーロッパで使えない可能性が非常に高いです

日本で作るクレジットカードのメジャーな会社。この中でJCBはヨーロッパで使えない可能性が非常に高いです

現在、JCBのクレジットカードだけを持っていて、それをヨーロッパでも使おうと思っている方は、今すぐ新しいクレジットカードを契約してください。JCBカードは日本向けのもので、ヨーロッパでは知名度が無く、多くの場所で受け付けていません。

ベルギーの空港で受け付けできるクレジットカードの種類。VISA、マスターカード、AMEXはありますがJCBはありません。

ベルギーの空港で受け付けできるクレジットカードの種類。VISA、マスターカード、AMEXはありますがJCBはありません。

券売機などで使えない場合は現金で支払えばいいのですが、例えばカードで払うつもりで手持ちの現金が無いまま外食して、あとでJCBカードは使えないとわかった時は大きな問題となります。

古いカードはスキミングの被害にあう

クレジットカードの表面にある小さな金色(銀色っぽい場合も)の埋め込みを確認してください

クレジットカードの表面にある小さな金色(銀色っぽい場合も)の埋め込みを確認してください

クレジットカードの歴史の中で、日本とアメリカはヨーロッパよりも遅れていることをご存知ですか。現金主義でクレジットカードの普及が遅かった日本はわかりやすいですが、アメリカではカード利用がどの国よりも早く広まった反面、2000年代に入ってからはカードの不正利用が多発しました。古いカードは磁気ストライプ(カード裏側に付けた黒い帯状の部分)からカード情報を読み取るのですが、これを簡単にスキミング(遠隔で情報を盗む)することができたのです。

その一方ヨーロッパは、クレジットカードのセキュリティに早くから取り組み、「ICチップ」と呼ばれる金色の板の埋め込みを勧めました。ICチップ付きのカードはヨーロッパではスタンダードのため、ICチップが付いていないカードは、そもそも利用できない(読み込み機械に認識されない)可能性があるだけでなく、簡単にスキミングの被害を受けてしまいます。

日本はICチップ付きのカードに完全に移行していないため、あなたが日本で利用しているクレジットカードは、ICチップ無しである可能性があります。特に何年も更新していない方は、すぐにICチップ付きのものに変更できるかカード発行会社に問い合わせてみてください。今新しく作るカードならほぼICチップに対応しているため、これを機会に新しくカードを作るのも一つの手です。

新しくカードを作るときに見るポイント

これら二つの問題点をふまえて、海外旅行をきっかけに新しいカードを作ることを検討される場合は、以下のポイントを確認してください。

  • VISAかMasterカードであること(この二つなら世界のどこでも使えます)
  • ICチップ付きであること(今新しく作るなら、ほぼICチップ付きです)
  • 海外旅行保険がついていること(留学などの中長期滞在の方は重視してください)
  • 自分のよく行くお店で、ポイントやマイルが貯まること

私たちの場合:三井住友VISAカードを作りました

私たちは、大昔に作ったカードは日本での買い物用に使い続けることにしたので、ポイントやマイルを貯めることを重視する必要はありませんでした。そのため、「海外旅行で使うのにベストなカード」として有名な三井住友のVISAカードの「クラシックA」を作りました。(*三井住友銀行に口座がなくても作れます。また、インターネットの申し込みからカードが家に郵送されるまでは1週間くらいかかりました)

このカードにした決めてとなったのは、何よりも海外旅行保険が充実していることでした。このカードには、持っているだけで国内・海外旅行保険に加入していることになるのです(これまでは海外旅行の度に旅行保険に別途加入していました)。

三井住友のVISAカードは、基本のカードや学生カードでも、最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付いています。これは(この年会費のレベルでは)かなり手厚いほうです。ゴールドカードであればもっと手厚い保障となります。旅行時には、このカードで基本的な保険プランを網羅した上で、さらに追加で海外旅行保険に加入することもできます。

海外旅行で使えることと、旅行保険が充実していることが大きな理由でしたが、このカードで貯めたポイントがANAのマイルに換算できるのも、国際線・国内線共にANAによく乗る母娘には良いポイントでした。年会費が実質無料(1,500円の年会費が年1回の利用で無料、学生期間は無料)なのも、負担にならないので良かったです。

カードの種類について

三井住友VISAカードには、私たちが契約したクラシックA(普通より少し良い)以外にも沢山の種類があります。

私たちはクラシックAを選びましたが、もし、18歳未満のお子さんがいる家族でカードを作るなら、家族も旅行傷害保険の対象になるゴールドカードの方がお得だと思います。年会費は4,000円(*条件付き)かかりますが、最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険に加え、空港ラウンジの利用、ゴールドカード専用コールセンター、ホテル割引などがついてきます。


クレジットカードは何十枚も持つものではない(持つ人もいますが)のと、やはり「カードは借金」という古い考えを持っているため、新しくクレジットカードを作ることに抵抗もありました。ですが最近では、海外旅行はクレジットカードに頼ることがとても大きいですし、海外でもカード支払いのみの場所も増えてきています。そのため、個人的には新しくカードを作って良かったと思っています。

もし海外での不正利用が恐ければ、この様に海外旅行専用カードを作って普段使いのカードと分けておけば、何かあったときに生活に影響が出ないので安心ですし、旅行にどれくらいお金を使ったのかの確認も簡単になりました。

三井住友のVISAカードでなくても、海外旅行関係のサポートが充実していればどれでも構いません。年会費無料のカードは旅行保険が全く付いていないものもあるので、まずはお手持ちのカードのサービス内容を確認してみてください。

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BELPLUS編集部

BELPLUS(ベルプラス)は、ベルギー在住者が共同で運営するメディアです。旅行に役立つ情報のほか、現地長期滞在、留学生のための生活情報もお届けしています。