ブリュッセルのクリスマスマーケットは、動員数、出店数、雰囲気、どれをとってもベルギーで一番の規模を誇ります。クリスマスマーケットの風物詩であるシャレー(山小屋風の屋台)の他にも、ヨーロッパのクラシカルなミニ観覧車や移動遊園地も登場します。
また、美食の国ベルギーらしく、屋台の食べ物も充実。ベルギーワッフルやホットチョコレートなどの定番はもちろん、レストランの店先では生のオイスターにシャンパンで豪華にヨーロッパ気分を味わえます。寒い日は、グリューワイン(ホットワイン)も大人気。熱することでワインのアルコール成分が消えるため、お酒が弱い人でも楽しむことができます。
ブリュッセルは複数の言語が公用語として使われているため、このクリスマスマーケットも名前が3つあります。フランス語では”Plaisirs D’hiver”、オランダ語では”Winter Pret”となります。英語では”Winder Wonders”ですが、街の広告では、フランス語かオランダ語のどちらかまたは両方が使われることが多いです。
さらに最近では、様々な宗教バックグラウンドを持つ人々が住んでいることに考慮し、キリスト教から生まれたクリスマスマーケットという呼び名を変えるべきという議論も起こっています(ブルージュのマーケットでは、すでにクリスマスという言葉は使われなくなりました)。ブリュッセルでは現在「Winter Wonders and Christmas Market」と長い名前で呼ばれているのですが、来年あたりには「クリスマスマーケット」という言葉は使われなくなるかもしれません。
開催期間
2019年11月29日から2020年1月5日まで
マーケットの屋台は12時から22時までオープンしています。12/24および12/31は18時までとなります。
期間中のイベント
今年は小便小僧生誕400年!マーケットでも特別イベントが開催
世界の三大がっかり名所として有名なブリュッセルの小便小僧(マネケン・ピス)。そのコンパクトな姿が「がっかり」の原因と言われがちですが、そんな彼も1619年からブリュッセルの歴史を見守って今年で400年。そんな彼のバースデーを祝うイベントが、クリスマスマーケットと同時に開催されます。一番のハイライトは、12月19日(木)の19:30からグラン・プラスで開催される「XMAS PARTY スペシャルゲスト:小便小僧」。ブリュッセルの有名DJ Daddy Kがグラン・プラスの市庁舎の上から生誕400年を祝うスペシャルライブを開催します。ライブ中にどんな形で小便小僧が登場するのか、想像がつかない?!
また、小便小僧から歩いてすぐの場所にある小便小僧の衣装博物館「GARDEROBE MANNEKENPIS」もちょっと覗いてみてください。期間限定の特別グッズも販売中です。
ドーム(The Dome)
今年の新しいイベントは、モネ劇場前に設置された「ドーム(The Dome)」と言われるミニ・プラネタリウム。子供向けから大人向けまで、様々なプログラムが上映されます。プログラムの確認とチケット購入はこちらのサイトから。ヴィンテージマーケット
ブリュッセルのモデルプランでもおすすめした、サン=ジェリエリアの中心にあるホールでは、12月1日と8日に特別なヴィンテージ・マーケットが開催されます。1日は古い雑貨が中心、8日はジュエリーやアクセサリーが中心のデザイナーマーケットです。16時にはサンタも登場し、スペシャルイベントが開催されます。ベルギーはとても質のいいアンティークや雑貨の宝庫なので、期間中はぜひ訪れてみてください。アイススケートリンク
モネ劇場側のPlace De Brouckère広場前には、大きなアイススケートリンクが登場します。ブリュッセルにはバレエやコンテンポラリーダンスの学校が多く、タイミングが合えば彼らの美しいスケーティングが見られるかも。もちろんスケート靴をレンタルして滑ることも可能です(料金やオープン時間については下記をご覧ください)。おすすめの周り方
ブリュッセルでは、主に4つの場所でマーケットが開かれます。お互いにすぐ近くにあるので、すべてのクリスマスマーケットエリアを歩いて見てまわることも簡単です。これらをつなぐ通りにもマーケットのお店が並ぶので、ところどころ美味しいものを食べて休憩しながら、1日中マーケットを堪能してください。
メインのグランプラスのマーケットの最寄駅はブリュッセル中央駅。中央駅は、モネ劇場とサン・カトリーヌ教会とはメトロ(地下鉄)でも接続しています。雨の日や寒い日には、メトロを使うほうがいいでしょう。
ブリュッセル北駅または南駅から来る場合は、ブリュッセル証券取引所またはモネ劇場で下車すると便利です。
グランプラス(Grand-Place)エリア
世界遺産として有名な広場・グランプラスですが、クリスマスマーケットの時期だけはちょっと特別。建物を彩るオーナメントや、夜のイルミネーションも赤と緑のクリスマスモードとなります。広場の中央には、ベルギーのワロン地方で育ったクリスマス・ツリーが飾られます。
グラン・プラスには、ツリーの他に「クレッシュ(Crèche)」も登場。クレッシュとは、馬小屋でキリストが生まれた場面を再現したミニチュアの人形たちを飾ったもの。グラン・プラスのクレッシュは、本物の動物が登場することもあり、いつも見学の列ができています。ベルギーの他のクリスマスマーケットや教会でも特色あるクレッシュたちを見ることができます。
広場内にある市庁舎への見学ツアーも通常通り開催しているので、高い場所からグラン・プラスを眺めてみては?
グランプラスの建物の1階はカフェやレストランになっています。室内はとても暖かいので、屋外のマーケットで体が寒くなったらこれらのお店で暖まってください(飲食料はかなり高めですが…)
ブリュッセル証券取引所前
オーギュスト・ロダンの彫刻が飾られていることで有名なブリュッセル証券取引所周辺では、この大きな建物を取り囲むようにクリスマスマーケットのお店が並びます。正面入り口前の広場では、買ったものをすぐに食べられるテーブルが並ぶほか、限定イベントも多く開催されます。
ここには、毎年世界から1か国がピックアップされ、その国の文化や歴史、そして食べ物を味わえる屋台が並びます。日本からははるか遠い国(2018年はチュニジアでした)も多く、ブリュッセルでさらに異国気分が味わえます。毎週土曜日には光と音のパレードも開催され、クリスマスの賑やかさが感じられる場所です。
サン=カトリーヌ教会前(Place Sainte-Catherine)エリア
ブリュッセル証券取引所からさらに歩くと、黒いマリア像で有名なサン=カトリーヌ教会が見えてきます。
クリスマスマーケットは、教会の前のサン=カトリーヌ広場と、教会裏側にある「フィッシュマーケット広場」の2箇所で開かれています。フィッシュマーケット広場の名前の由来は、昔は魚市場があったことから。そのため、今も周辺には魚屋さんやシーフードレストランが多く、クリスマスマーケットでおすすめの生牡蠣もこのあたりのお店が鮮度が良く美味しいです。
https://twitter.com/info_jp_belgium/status/1159389182017458176
牡蠣は日本の名前がついているものが複数あり、魚屋さんではしょうゆやわさびが売られているなど、日本との不思議な縁を感じました。
周囲には落ち着いて食べられるビストロやレストランも多いので、ゆっくり座って食事を楽しみたい人にも便利です。
De Brouckère広場と王立モネ劇場広場
De Brouckère広場にはアイススケートリンクが、王立モネ劇場広場にはプラネタリウムのドームが設置されています。
見るだけでなく、自分もスケートをやってみたい!という方は、その場でスケート靴をレンタルして楽しむことができます。レンタル込みの値段は、6歳から12歳までの子供は1時間5ユーロ、13歳以上は1時間7ユーロ。毎朝11時から22時まで(最終入場は21時、また12/24から12/31までは18時まで)オープンしているので、昼と夜のアイススケートを両方楽しむことができます。
スケートリンク
日程:2019年11月29日~2020年1月5日
時間: 12:00-22:00 (最終入場時間は21:00)
*12/24と12/31は12:00~18:00 (最終入場時間は17:00)
料金(予定):1時間あたり大人(17歳以上)8ユーロ、12歳~17歳 7ユーロ、12歳以下5ユーロ スケート靴レンタル料金含む
治安と気をつけること
ベルギー在住者がクリスマスマーケット巡りで気をつけてほしいことを書いてみます。治安について。残念ながらクリスマスマーケットの期間はスリや置き引きが急増します。特にグラン・プラス〜サン・カトリーヌ教会までを繋ぐ道は、整備された大通りではなく細い路地が中心。時間帯やイベントによってはかなり混み合う時があり、歩けないというレベルではありませんが、人とすれ違うときにぶつかることは自然にあり、そのときにポケットやバッグにあった財布を盗まれるケースがあります。
特に危険なのが、パンツの後ろのポケットに財布やカードを入れている人。視界から見えなくなっているので、本当に狙われやすいです!
そして、防寒対策。12月のベルギーは本当に寒いです。クリスマスマーケット巡りでは主に外を歩くため、暖かいコートだけでなく、ブーツや帽子、マフラーの着用をおすすめします。小雨や雪になることもあるので、コートや帽子はなるべく耐水加工のものを。
寒すぎると感じたら(外の屋台ではなく)屋内のカフェに入ってしっかり温まるようにしてください。証券取引所の前にあるベルギーのオーガニックカフェExki(エクスキ)は、入りやすい上に店内も広いのでおすすめです。
マーケットを楽しむなら、ホテルは絶対に中心部に
クリスマスマーケットが開かれる場所は、全てブリュッセルの中心部(ブリュッセル中央駅〜グラン・プラス〜聖カトリーヌ教会のエリア)になります。賑わうマーケットを夜遅くまで楽しむには、これらの場所から「歩いて帰れる」場所にあるホテルが絶対に便利です。下の地図は、ブリュッセル中心部のホテルを1泊1部屋あたりの価格で表示したもの。「リング」と呼ばれる黄色の道路で囲まれた内部が中心部と言われています。国際鉄道が発着するブリュッセル南駅付近や北駅付近は治安が良くないので避けたほうが無難。他の国から訪れる場合も、南駅や北駅に到着後は付近のホテルよりも中心エリアのホテルに移動するようにしてください。