基本はここから!蚤の市ガイド

BELPLUS編集部
マーケット・マルシェ

ベルギーやフランスに来たからには是非とも足を運んでみたい、ヨーロッパの蚤の市やアンティークマーケット。よく使われる頻出用語や、蚤の市での値切り方、いい品物を見つけるコツを在住者が伝えます。

「アンティーク」や「ヴィンテージ」という言葉は、日本でもインテリアやアクセサリーを形容するときによく使われます。ですが、これらの用語の具体的な違いになると、実はよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。

蚤の市とアンティークマーケットは厳密には異なるのですが、記事タイトルは蚤の市で統一しました。二つの違いについては、この先をお読みください。

アンティーク(antique)

良いアンティークショップは、ブリュッセルのイクセル地区、アントワープの大聖堂周辺など高級邸宅エリア周辺に多いです。
良いアンティークマーケットは、ブリュッセルのイクセル地区、アントワープの大聖堂周辺など高級邸宅エリア周辺に多いです。

家具や食器、衣類やアクセサリーなどの装身具、絵画などの品物のうち、製造されてから100年以上経過しており、芸術的価値のあるもの

ヴィンテージ(vintage)

ベルギーの古い工具やキッチン用品のヴィンテージ品を集めたマーケット。昔、暖炉でベルギーワッフルを作るために使われていたワッフルメーカーを発見
ベルギーの古い工具やキッチン用品のヴィンテージ品を集めたマーケット。昔、暖炉でベルギーワッフルを作るために使われていたワッフルメーカーを発見

家具や食器、衣類やアクセサリーなどの装身具、絵画などの品物のうち、製造されてから20~100年以内のもの。

ブロカント(brocante)

ブロカント(Brocant)は、いわゆる日用品の雑貨のこと。ヨーロッパの人々の生活がわかります。中には思わぬ掘り出し物も
ブロカント(Brocant)は、いわゆる日用品の雑貨のこと。ヨーロッパの人々の生活がわかります。中には思わぬ掘り出し物も

ベルギーでよく使われる、「美しいガラクタ」という意味のフランス語。庶民的な日用雑貨が中心で、ヴィンテージと同様、製造されてから20~100年以内のもの。このブロカントを売っているマーケットが、いわゆる蚤の市です。ベルギーの場合、小さな街では毎週末にブロカントが開かれます。

コレクティブル(collectible)

ブティック・タンタン
タンタンのフィギュアなど、ベルギーに来たから集めてみたいコレクティブルもたくさん。

コレクションという言葉から想像できる通り、切手や人形など、シリーズで集められるものの総称です。特に年数は関係なく、コレクターが多いジャンルで人気のものがこう呼ばれています。

ベルギーでは、伝書鳩のレースが人気なことから、「鳩グッズ」のコレクティブルが密かな人気。鳩の置物はもちろん、鳩レースで使う小道具や飼育用の家具まで、様々なものが売られています。アントワープの鳥のマーケットでは、実際の鳥類も販売されています。

名称でわかる、マーケットのレベル

ヨーロッパでは、これらの用語は厳密に区別されています。それがよくわかるのは、これらを販売しているマーケットの名称です。

例えば、一番価値が高いアンティークだけを取り扱うマーケットは「アンティークマーケット」と堂々と看板に記載しますし、お客さんもそれなりの値段と品質のものが集まることを期待して行きます。

典型的なブロカントマーケットの例。石畳に敷いた布の上に並べられています。
典型的なブロカントマーケットの例。石畳に敷いた布の上に並べられています。

そして、もっと庶民的なマーケットになると、単に「ブロカント」や「マーケット」とだけ名乗るようになります。ベルギーの代表的なものは、やはり下町・マロル地区にあるジュドバルの蚤の市(ブロカント)。普通の家の食器棚にありそうなスプーンセットから、洋服、大型家具まで様々なものが売られています。高級なものがない分気軽に立ち寄りやすく、また掘り出し物が見つかるととても嬉しくなるおすすめのマーケットです。

アンティークもあるけどヴィンテージもあるよ、というちょっとくだけたマーケットになると、「アンティーク アンド ブロカントマーケット」という名称が使われます。たとえ殆どがヴィンテージであっても、アンティークがあることはアピールせずにはいられない?のです。トンゲレンのマーケットなど、大規模な出店数で様々なものを扱う場合は、この名前が使われます。

いい品物を手に入れるコツ

ベルギーだけでなく、ヨーロッパの蚤の市・アンティークマーケット全体に言えることですが、良いものが欲しかったらとにかく朝早くから出かけること。屋外型のマーケットは、一番良いものは最初に並べられ、あっという間に売れていくというのは鉄則です。遅れてマーケットに行っても、「実はたった今入荷した良いものが…」というドラマのようなストーリーはありません。店舗型のアンティークや雑貨店とは違い、仕入れは別の日に行なっているからです。

人気のマーケットほど朝早くに行くのは鉄則!
人気のマーケットほど朝早くに行くのは鉄則!

もう一つの鉄則は、可能であれば、どんなタイプのお店が出店しているかを把握しておくこと。アンティークや上質なヴィンテージが主体のマーケットでは、出店リストがオンラインに掲載されていることがあります。店名と何を販売しているかがわかれば、あとでもっといいお店があったのに…という後悔が減ります。

買うかどうかわからないけど、出店者に質問していいの?

プロのバイヤーも参戦するマーケットでは、質問するのは普通。年代から状態まで、気になったことは何でも聞いています。
プロのバイヤーも参戦する真剣なマーケットでは、質問するのは普通。年代から状態まで、気になったことは何でも聞いています。

もちろんです!ぜひ勇気を持って質問してみてください。たくさん質問するとお店の邪魔になるかも、と心配な方へ。マーケットの出店者は毎日色々な人を相手にしているので、かなり耐性がついています。しつこいくらいで普通です。

ですが、ヨーロッパではお店の人とお客さんは対等な関係です。質問をした後でやっぱり買わないと決めた時は、「やっぱり買いません。ありがとう」と一声かけてから去りましょう。

値下げは可能?

マーケット次第、お店次第、状況次第でほぼ可能です。ただし、「何個かまとめて買う」や「高級品をセットで買う」「見えにくいところに傷がたくさんついている」など、値下げが妥当になるような理由づけが必要です。

マーケットで嫌われるのが、値札の半額が常識と思い込んで「とにかく安くしろ」と主張するタイプ。絶対に損をしたくないという気持ちは、裏を返せば「店主は自分に損をさせようとしている」と思い込んでいる証であり、その感情は相手にも必ず伝わります。

もちろん、一部にはそういうぼったくりセラーがいることは否定できませんが、どんな人にでも感情があります。自分を尊重して取引しようとしてくれる人には、悪どいことはできないものです。

ベルギー王室御用達、デルヴォーのバッグを大量発見。値下げを要求しましたが、やはりデルヴォーは人気でもともと値崩れはしないそう...。
ベルギー王室御用達、デルヴォーのバッグを大量発見。値下げを要求しましたが、やはりデルヴォーは人気でもともと値崩れはしないそう…。

尊重というのは、相手の言いなりになって買うということではなく、最低限の挨拶や礼儀を見せること。その上で、値段の交渉をして、本当に自分が納得できるタイミングが来た時にだけ買えばいいのです。

また、一部のマーケットには最初から値段がついていない状態で売られていることがあります。そんなマーケットでは、まずは値段を聞いて交渉をすることになります(観光客には少し高めの値段を言うのも常識です)。上級者向けですが、駆け引きを楽しんで、自分で納得できる値段だと思ったらその時に買いましょう。

カード支払いは可能?

一部の店舗をのぞき、ほぼ不可と思っていいでしょう。特に多くの蚤の市は現金のみの取り扱いになっています。日本で両替する時に、5ユーロ紙幣などの細かいお金をたくさん混ぜてもらうと便利です。

高級アンティークを扱うショップでは、そもそも実店舗があり、マーケットの日はお店の目の前にテントを出して販売しているところがあります。このような場合は、ショップがクレジットカードに対応しているため利用できます。ベルギー最大のマーケットがあるトンゲレンでは、この店舗が隣接したお店が非常に多いです。

気をつけること

一番怖いのはスリです。上述のように、現金を持っている人が多いマーケットでは、可愛い品物を見つけて注意散漫になっているところを狙われます。現金を含め、貴重品はちょっとの間でも目を離さないようにしてください。両手が貴重品からフリーになるセキュリティポーチはやはり便利です。

可愛い洋服もたくさん売られていますが、試着室もほぼ無いか、あっても貴重品と一緒に入れる大きさのところを利用するといいでしょう。

持っていくといいもの

たくさん買う予定の人は、丈夫で軽い折りたたみ式の大きなバッグを持っていくととても役立ちます。大きめのショッピングバッグでもいいです。

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