卒業旅行で、大事な友達と一生ものの思い出を
大昔、私は卒業旅行で友達とイギリスに行きました。全員、海外旅行経験がほとんど無く、また航空券やホテルを自分たちで予約するのも主流ではなかったので、旅行会社のパックツアーで「丸ごとイギリス」に参加しました。
それはそれで楽しかったのですが、その後社会人になって実感したのは「友達とヨーロッパ旅行なんて悠長なこと、もうできないかもしれない」ということ。自由に休みが取れないし、やっととれたとしても全くと言っていいほど友達と休みが合いません。
そしてもう一つは、せっかくヨーロッパに行ったのだから、いろいろな国に行けばよかったということ。

現地のフェスに参加すると、その国の雰囲気がよくわかります。
当時は個人旅行なんて考えられなかったのですが、イギリスを始め、ヨーロッパの国どうしは鉄道や飛行機を使って簡単に行き来できることや、海外の航空券やホテルも自分たちで予約できることを知っていれば、いろいろな国を訪れて、思い出をたくさん作れたかもしれません。
そのため、現在イギリス・フランス・イタリアなど人気国への卒業旅行を考えている学生さんには、是非そのうちの1日でも足を伸ばして、「もう一つの国体験」をすることをおすすめします。日帰りでもいける国はたくさんありますし(例えばベルギーからなら、イギリス・フランス・オランダは全て日帰り可能です)、パックツアーでも自由行動の日にちょっと隣の国まで足を運ぶことは十分可能です。
ここでは、人気国から日帰りでも行きやすい小国・ベルギーの魅力を説明しています。
理由1: どこを切り取っても絵になる街並みがある

ゴディバ、ノイハウス、マリーなどの有名ショコラティエが夜遅くまでオープン

運河からしか見えない景色を楽しめるのがクルーズの醍醐味
個人的におすすめしたいのが、グラン・サブロン広場のショコラティエと、アントワープにあるチョコレートショップ。ホテルなら、ブルージュにあるお城ホテル、デュークス・パレスで中世の貴族気分を味わえます。
理由2: 美味しい食べ物がたくさんある

フレッシュなホワイトアスパラガスの美味しさは格別!ベルギーで食べたい料理の一つです。

学生都市ルーヴェンのオウデマルクトは朝から深夜まで学生でいっぱい。安くて美味しいものを食べるならここで。
卒業記念にちょっとゴージャスに食べたい方におすすめなのが、ベルギーのミシュラン星付きレストラン。ベルギーはフランスに比べて星付きレストランの価格が安く、お手頃な値段で楽しめます。
理由3: ヨーロッパの他の都市に簡単に行ける

ベルギーから2時間弱で行けたロンドンで。ハリー・ポッターのロケ地を生で見て感激の一枚
仕事をはじめたらなかなか行けないヨーロッパ旅行だからこそ、複数の国を体験するのはいい思い出になります。ヨーロッパの国どうしは、隣り合っていながらも文化風習はかなり違うもの。複数の国を訪れて、多様性を肌で感じることは、グローバル社会での素晴らしいアドバンテージになります。
理由4: かわいいヨーロッパ雑貨が安く手に入る

安くてかわいいものがたくさんある、アントワープの雑貨ショップ通り。デザイン学校の学生とのコラボショップも。
ヨーロッパ雑貨屋さんやアンティークショップをめぐって、かわいい雑貨やおみやげを探すにもベルギーがおすすめ。パリやロンドンのアンティークマーケットよりも価格が安く、地理的にもヨーロッパの中心にあることから、北欧や東欧の雑貨も一緒にお買い物できます。有名観光都市には必ずあるアンティークショップも入りやすい雰囲気で、値段が最初に書いてある店(値段の交渉をしなくてもいい)も多いです。「TWEEDEWINKEL」(中古店)と呼ばれる地元っ子の使うリサイクルショップに行けば、思わぬ掘り出し物に出会うことも。

街ごとに売っているものが違うアンティークショップ通り。ブリュッセルなら日本語が通じるところもあります。
最後に:実体験よりひとこと

ブリュッセル中央駅にあったタンタンのポスター。右がフランス語、左がオランダ語です。両方の言語を同等に扱うルールがあります。
それでも学生のうちにヨーロッパに行く目的があるとすれば、自分の生活圏とは全く違う場所に行って、別の世界観を肌で感じることだと思います。
たとえば、電車が遅れたとき(ヨーロッパではよく遅れます)。日本ならばイライラしたり振替輸送を探す人たちでバタバタしますが、ベルギーでは多くの人が「あ、しょうがない」というあきらめモード(?)に入ります。そして、さっさと本や編み物を取り出して時間つぶしをはじめます。その車内の落ち着いた雰囲気は、最初に個人旅行した頃の自分には非常にめずらしく映りました。
それ以来、自分がイライラすることがあったり、逆にイライラされることがあっても、「これはよその国の人はどう思うだろう。別に大したことじゃないかもしれない」とワンクッション置いて考える余裕の精神がついたと思います。
これから学生ではなくなり、新しい生活や人間関係に不安を感じている方には、このワンクッション置いて考える方法がすごく役立つと思います。