はじめに:ベルギーのバス・トラム事情
日本でも、地域によって異なるバス会社がバス・トラムを運営していますが、多言語国家のベルギーでは興味深いことに、使う言語エリア別に運営会社が異なります。
サービス名 | 言語 | 主要エリア |
---|---|---|
De Lijn | オランダ語圏(北部) | ブルージュ、アントワープ、 ゲント、ルーヴェン |
TEC | フランス語圏(南部) | ブリュッセル、ナミュール、 リエージュ、ディナン |
ここでは、ブルージュやアントワープなどの主要観光都市をカバーする「De Lijn(デ・レイン)」の乗り方について説明します。
バスもトラムも、共通チケットで乗り方は同じです。ブルージュやルーヴェンにはトラムがなく、バスのみが運行しています。
De Lijn(デ・レイン)について
なお、フランス語であるブリュッセルはオランダ語圏に接しており、そこに向かうバスが多く発着していることから、De Lijnのバスも多く見かけます。代表的なのは、ブリュッセルから(オランダ語圏にある)国際空港へ向かうバスです。
チケットの買い方
バス・トラムともに共通のチケットを使います。車内でも買えますが、割高になるので買う人はほとんどいません。バスやトラムに乗る前に、下記の販売所のどこかで購入します。
- 鉄道駅のDe Lijn販売所(Lijnwinkelsと呼ばれ、主要な駅にあります)
- 駅のキオスクやニューススタンド(雑誌やガムなどを売っているお店です。有名なチェーンは、Dagbladhandel、Relay、Press Shop)
- スーパーマーケット(Delhaize、GB Express、Kruidvatなど)
販売しているお店には、ドアや窓に「De Lijn」のステッカーがあるのでわかりやすいです。意外なところでは、ガソリンスタンドでも売っていたりします。
チケットの種類
種類 | 料金 |
---|---|
Enkele rit(1回券。60分以内なら乗り換え可) | 3ユーロ |
Lijnkaart(10回券) | 14ユーロ(1回あたり1.4ユーロ) |
Dagpas(1日券) | 6ユーロ(子供は4ユーロ) |
Driedagenpas(3日券) | 12ユーロ |
Vijfdagenpas(5日券) | 17ユーロ |
バスの乗り方
運転手にチケットを見せる必要はありませんが、バスの無賃乗車を監視するために、時々De Lijnの制服をきた社員が乗り込み、チケットの印字チェックを行うことがあります。
バスやトラムの乗り換え時は?
60分以内であれば、バス・トラムの乗り換えは無料です。
複数で1つのチケットの利用は可能?
Lijnkaart(10回券)であれば、何人で使っても構いませんが、一人ずつ料金を払うために、検札機で人数分の印字をします。
バス・トラム乗り場の見方は?
駅前には大抵大きなバス・トラムのターミナルがあり、複数の路線が同時に乗り入れています。そのため、下記のような電光掲示板があり、最新出発順にバスの番号、行き先、乗り場(PERRON)の番号が表示されています。
それ以外の普通のバス乗り場では、バスの番号と行き先が看板に表示されています。トラムとバスが同じ停留所を使う場合も多いです。
Geen Diesntって何?
「回送中」の意味です。
ブリュッセルでDe Lijnのチケットは使える?
ブリュッセルを含むフランス語圏のバスやトラムでは、TECという別のサービスのため、De Lijnのチケットは使えません。ただし、ブリュッセルにもオランダ語圏に向かうDe Lijnバスが何台も乗り入れており(ブリュッセル空港行きも)、そこではDe Lijnのチケットが使えます。
また、De Lijnのチケット販売所では、ブリュッセル市内のバス・トラム・電車に使える「JUMP」チケットを買うことができます。