ベルギー・トンゲレン観光ガイド。午前中は蚤の市、午後は観光

トンゲレン観光ガイド〜ランチの後は2つの博物館へ

BELPLUS編集部
電車で行ける街特集

ベルギーで日帰りで行けるおすすめの町、トンゲレン(トングレンまたはトンヘレンとも)。午前中に最大級の蚤の市を楽しんだ後は、お楽しみのランチと、ローマ帝国時代からのカルチャーに触れる時間です。

前編の蚤の市(ブロカント)の様子は、こちらの記事でご覧ください。

ランチといえばここ、Bazilikへ

トンゲレンの蚤の市を探索した後は、まずは休憩がてらランチをとります。トンゲレンは他の大都市に比べるとレストランの数は多くありません。

一番わかりやすいのが、町のちょうど中心部にある聖母大聖堂の周辺(グラーン広場)にあるレストラン達。トンゲレンの歴史上欠かせない人物であるアンビオリクスの記念碑がある周辺です。

聖母大聖堂の周辺にある可愛いカフェたち。春から秋にかけては、オープンテラス席が人気になります。
聖母大聖堂の周辺にある可愛いカフェたち。春から秋にかけては、オープンテラス席が人気になります。
トンヘレンに立つアンビオリクスの銅像。頭の上に鳩が止まっているのかと思いましたが、装飾品でした。
トンヘレンに立つアンビオリクスの銅像。頭の上に鳩が止まっているのかと思いましたが、装飾品でした。

とっておきのおすすめは、2019年に再オープンした「Bazilik(大聖堂)」というレストラン。その名前の通り、聖母大聖堂の真隣にあります。

トンゲレンでランチをした場所、教会隣の古い建物を改装したレストラン

白い建物のアーチをくぐると、ベルギーらしい茶色のレンガづくりの建物と、テラス席が並びます。

レストランBazilikの入り口。右側にはテラス席が広がります。
レストランBazilikの入り口。右側にはテラス席が広がります。

周りを大きな建物に囲まれているため、ちょっとした中庭気分が味わえます。

テラス席はちょっと寒かったので店内へ。窓から見えるのはベルギーのレンガでできた高い壁。
テラス席はちょっと寒かったので店内へ。窓から見えるのはベルギーのレンガでできた高い壁。

このレストランのもう一つの特徴は、とっても広いこと。なんと吹き抜けで2階まであり、そこは10人以上のグループ客が中心となっています。大人数で行ってもすんなり席が見つかる、貴重なレストランの一つです。

写真中央に見えるのが、2階に伸びる吹き抜けの階段。この階段を中心に、ずらりと席が配置されています。
写真中央に見えるのが、2階に伸びる吹き抜けの階段。この階段を中心に、ずらりと席が配置されています。

リニューアル後に初めて訪問したのですが、メニューは変わってなくて一安心。「ブラッセリー」という名前通り、カジュアルで手頃な価格の料理が中心です。

サンドイッチ、スープ、サラダなどランチにぴったりの軽食から、ベルギー伝統料理のシチューやステーキまでが揃います。
サンドイッチ、スープ、サラダなどランチにぴったりの軽食から、ベルギー伝統料理のシチューやステーキまでが揃います。

ブラッセリーってどんなところ?やベルギーのランチの軽食ってどんなもの?と疑問な方は、是非下記の記事を読んでみてください。

生ハムのサンドイッチを頼んだところ、巨大なパンとハム、そしてこの他にサラダとポテトがどっさりとサーブされました。生ハムがとても美味しかったです!
生ハムのサンドイッチを頼んだところ、巨大なパンとハム、そしてこの他にサラダとポテトがどっさりとサーブされました。生ハムがとても美味しかったです!

聖母大聖堂へ

ランチの後は、すぐ隣の聖母大聖堂(Basilica of Our Lady)へ。

ベルギー・トンゲレン観光ガイド。午前中は蚤の市、午後は観光
ブラバント・ゴシック様式の聖母大聖堂
聖母大聖堂のパイプオルガン
聖母大聖堂のパイプオルガン

13世紀に建設された聖母大聖堂は、何度か改修を繰り返しながら現在の姿になりました。歴史を感じさせる部分はそのままに、当時の面影を残しています。

トンゲレンの聖母大聖堂の内部
トンゲレンの聖母大聖堂の内部

ベルギーには、カルロス・ボロメウス教会に代表される豪華な内装の教会もたくさんあるのですが、このトンゲレンの聖母大聖堂はとても静か。

トンゲレンの聖母大聖堂を外から見た様子
トンゲレンの聖母大聖堂を外から見た様子

ですがこの教会、一見質素でありながら、ヨーロッパでも有数の宗教的貴重物が多く発見された場所でもあるのです。それらは現在整理されて、この教会に併設されているTeseum(テセウム)に展示されています。

聖人の遺骸や遺品の埋葬法にびっくり!聖遺物博物館へ

聖母大聖堂から聖遺物博物館へは、中庭を通って行きます。
聖母大聖堂から聖遺物博物館へは、中庭を通って行きます。

ヨーロッパの教会では、宗教的価値がある所有物を博物館形式にして展示しているところがあります。有名なのが、絵画「神秘の子羊」がある聖バーフ大聖堂。宗教画や彫像、装飾品などがこのような形で展示されています。

そしてトングレンでは、唯一無二のコレクション「聖人のレリック」が展示されています。レリックとは、遺骸や遺品のこと。聖書に出てくる人物の髪の毛や血などのちょっと生々しいものが、目を見張るほどの美しい装飾品の中に納められています。

copyright Stefan Matthijssens / Toerisme Tongeren
© Stefan Matthijssens / Toerisme Tongeren

このレリックをこれだけの数、品質で揃えている教会は他に無いらしく、たくさんの人たちが海外から訪れていました。納められている装飾物も、十字架だったり、聖人の顔だったり、聖人が活躍した場面だったりなど、当時の芸術家たちの創造性と聖人への尊敬の念が感じられるものばかり。

他にも、宗教関係者が祭事の時だけに着るガウンやベルトなども美しい状態で展示されています。中世時代より前から、人々の暮らしの要であったトングレンの貴重な宝物は、一見の価値ありです。

ガロ・ローマ博物館で古代ローマに触れる

ガロ・ローマ博物館の入り口
ガロ・ローマ博物館の入り口

最後に訪れたのは、こちらも大聖堂の裏側にあるガロ・ローマ博物館(GALLO-ROMAN MUSEUM)。ネアンデルタール人がいた先史時代から、ローマ人がこのトングレンを発見するまでの歴史、地理、文化の流れを、2,000点以上の展示物で説明しています。

今回の旅で、トングレンの本気度を一番感じたのが、このガロ・ローマ美術館でした。

いわゆる地方都市の郷土博物館的なゆるい感じを想像して行ったのですが、中に入ってみてびっくり。最新技術と高精度の模型を使った展示物のレベル、巡回ルートの構成など、非常にハイレベルで充実しています。

Toerisme Tongeren
展示を見ながら、この歴史が発生した場所に立っているという感覚が味わえますToerisme Tongeren

特に充実していたのが、オーディオガイド。オーディオは軽いカード式で、無料でレンタルすることができます。展示内容は全て現地語であるオランダ語ですが、このオーディオガイドがあれば、同じレベルの説明を英語で受けることができます。

博物館のオーディオガイドとして初めて見たカード式。場所に近づくだけで、自動的にガイドが始まります。
博物館のオーディオガイドとして初めて見たカード式。場所に近づくだけで、自動的にガイドが始まります。

展示物の近くには、「大人向け完全な説明」と「子供向けの楽しい説明」の二種類が用意されていて、そのどちらかに近づくだけで自動的にガイドが始まります。大人向けの説明の方はドラマチックに、子供向けの説明の方は楽しくわかりやすく会話形式になっているなど、様々な工夫が凝らされていました。

トンゲレンはオランダ語の町。ベルギーの公用語であるフランス語とドイツ語、そして英語の合計4ヶ国語がこのレベルで展開されていることに、ちょっと感動。一般的に、美術館・博物館での公用語以外の言語の説明は省略されがちですが、さすが多言語国家のベルギーだと思いました。

ベルギーで一番古い町、ベネルクス最大級の蚤の市がある町、そして世界有数の聖遺物コレクションがある町…と様々なセールスポイントがあるトンゲレンですが、歴史の遺跡におもねらず、観光都市としてチャレンジしていく姿が見られてとても良かったです。

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BELPLUS編集部

BELPLUS(ベルプラス)は、ベルギー在住者が共同で運営するメディアです。旅行に役立つ情報のほか、現地長期滞在、留学生のための生活情報もお届けしています。