ベルギーの通貨はユーロとセント?現地で知っておくべき現金の使い方

ベルギーって「チップ」を支払う習慣はあるの?

Hanna
基本情報

チップは基本的に払わなくて良い

ベルギーのカフェやブラッセリーのマナー」や「ベルギーのお金について」のページでも書いたのですが、ベルギーにはチップ文化が無いため払う必要がなく、レシートに書かれている代金(税・サービス料はすでに含まれています)をそのまま支払います。

ただし、とりわけのお皿を追加で持ってきてもらった、席を変えてもらったなど、特別なアレンジや配慮をしてもらって、そのことに感謝の気持ちを表したい場合などは、少額のお釣り(硬貨)置いていくことはよくあります。

チップについて、現地在住者の考察

上記は確かに正しいのですが、このページでは、ベルギー現地在住者の目線から少し補足させてください。学生時代から今まで、いろいろなベルギー人の支払い方法を見てきた私が思ったのは、

「チップを払う/払わないは本当にその人しだい」

ということです。

普通のカフェで、コーヒー1杯頼んだだけでも、お釣りをチップ代わりに置いていく人もいます。または、料理に追加のアレンジ(サラダは別の皿に入れて出して、取り皿を子供用にたくさん持ってきて、など)をいろいろ依頼しても、全く追加のチップを払わない人もいます。

ちなみに私(アントワープ在住)は、カフェやブラッセリーでは、いつも50セント以下の小銭(特に1セントや2セント)は置いていく方です。というのも、これまでに何度か、「カフェで支払い後にお釣りを待っていたけど、ウェイターさんはお釣り分をチップだと思っていた」ということがあったからです。つまり、ウェイターさんはチップを習慣として期待しているということですよね。

それ依頼、よっぽどひどい店*でなければ、お釣りの小銭はチップ代わりに置いていくようになりました。私の周りの人も、なんだかんだで平均して「ウェイターさんが暑い中(寒い中)大変そうだし、お給料がチップ込みなのか無しなのかわからないから、50セント以下の小銭は置いていく」という人が多いです。何となく「思いやり」で回っている世界だと思っています。

*ひどい店でチップを払う必要はない!と個人的に思っているのですが、「習慣だから一応…」と小銭を置いていこうとするベルギー人もいます。

カフェで働く人のリアルな意見

カフェでチップは必要?
この前、アントワープのカフェでウェイターとして働く人と知り合いになったので、思い切って「チップについてどう思っているのか」ということを訪ねてみました。彼の働くカフェは、アントワープ大聖堂などがある観光中心エリアというよりは、西部エリアにある高級住宅街近くのカフェ。ローカルの人も多く訪れる、ちょっと上級者向けのカフェです。

彼の意見は、

“チップがあっても無くても別に構わないけど、無いと「あ、ケチだな」と思う”

というシンプルなものでした。

過去に、子供連れで混んでいる時間帯に大きなテーブルを占領し、子供用の注文はせず、持参した子供の食事のための取り皿やお湯はあれこれ要求し、チップは1セントも無し…というファミリーがいたそうで、それは「えっ?!」と思ったのでよく覚えているとのことでした。(アントワープの高級エリアでそれをやる勇気はないなぁ…。)

特にアメリカ人は気前よく(彼らの国のチップ文化のため)チップを払うことから、ちゃんと払う人/全く払わない人 の差が激しいそうです。

チップの結論

ということで、もし、エレガントに見られたいならチップを払ったほうがいいですし、ケチに見られても全然構わないという方はチップを払わないか、またはテーブルサービスがない「Exki」のようなカウンターサービスの店に行くのがいいと思います。

観光で来る方は、二度と同じカフェに来ることがないですが、一期一会の縁で思いやりを見せるのは素敵だと思います。もし気に入ったカフェを見つけたら、滞在中何度も訪れて、顔を覚えてもらうのも楽しいです。

スマートなチップの払い方

小銭は灰皿やソーサーの陰に置きます。高額紙幣の場合は、店員さんに手渡ししたほうが安心。

小銭は灰皿やソーサーの陰に置きます。

レストランやカフェでのチップの支払い方は、お釣りをもらった後にそのお釣りの一部をテーブルに置くのが一般的ですが、支払い時にチップをまとめて払う方法もあります。

例えば、7ユーロの食事をした時。店員さんに10ユーロを渡すと、普通は3ユーロのお釣りを持って来てくれるところですが、「お釣りはいりません」と全額チップとして渡したり、「お釣りは2ユーロください」と先にお釣りの金額を指定します。このやり方だと、自動的に1ユーロが店員さんのチップになります。

お釣りを持ってきてもらうまで待たなくていいだけでなく、細かいコインでお財布が重くならないスマートな方法です。

WRITER

Hanna

ベルギー・ルーヴェン大学卒業。現在はアントワープを拠点に日本とベルギーを行き来する生活を送る。趣味はベルギーのレストラン巡りと、カフェのテラス席でのビールを飲みながらのおしゃべり。