ブリュッセルから普通電車に乗って25分で行ける街・ルーヴェン(Leuven)は、世界最古のカトリック大学のルーヴェン大学を中心とした国際的な学園都市です。ゴシック調の美しい市庁舎と、広場に並べられたテラスでビールを飲む人たち。世界遺産のベギンホフは静かな時間が流れています。

またベルギー在住者にとっては、家の値段が高すぎる街としても有名。高騰する住宅価格の秘密は、まず治安が非常に良く、夜歩いても安心であることや、ルーヴェン大学(ベルギー1の大学であり、世界大学ランキングの常連)のアカデミックな雰囲気が好かれること。学生向けのカフェやレストランも豊富でレベルが高く、そして何よりもブリュッセルへも通勤圏。いい家は現地に行かずに即購入されることも多く、ここ数年ずっとルーヴェン不動産はバブルなんです。つまり、それくらい地元の人たちに愛される街だということ。
アントワープやブルージュと違い、あまり観光地化されておらず、カフェやレストランもローカルのために存在しているのも居心地がいいです。ルーヴェン大学を卒業した私Hannaが、ルーヴェンのおすすめ1日プランをご紹介します。
ブリュッセルからルーヴェンへ

ルーヴェンを1日かけて回るなら、9時くらいには現地に着くようにホテルを出発してください。ブリュッセルからは電車で25分程度、一般電車で行くことができます。時刻表の調べ方、乗車券の買い方(アプリからの購入が便利です)は以下で紹介しています。もちろん、当日に直接窓口で買うこともできます。
もし日帰りでなくルーヴェンのホテルにも泊まりたい方は、ブリュッセルよりも数が少ないので早めに予約してください。学生向けのホステルから高級ホテルまで色々ありますし、治安も良いので基本的にはどこでもおすすめです。

ルーヴェン駅から中心部までを歩く
駅に着いたら、まずは正面に見える大通りを進んで街の中心部へと進みます。この時、通りの一番奥にお城のような白い建物が見えるのですが、それがルーヴェンの街の中心に位置する市庁舎です。

駅から市庁舎へは10~15分くらい。平坦な道なので歩くのも良いですし、バスもたくさん発着しています。周囲には可愛いお店やカフェも並びますが、この辺りは帰り道にも寄ることができるので、まずは市庁舎まで足を運んでみてください。
マルクト広場の市庁舎と聖ペテロ教会

まずは街のシンボルである市庁舎と、その正面にある聖ペテロ教会へ。市庁舎は、結婚式などのイベントが行われている場合以外は1階のホールに入ることができます。

また、聖ペテロ教会では、オランダ出身でルーヴェンで活動した画家ディーリック・バウツによる「最後の晩餐」がおさめられています。教会の上にベルとともにちょこんとある金色の像「Jaquemart」とともに、忘れずに見てくださいね。

ルーヴェン大学図書館

次に、ルーヴェン大学のシンボルである大学図書館(ビブリオテーク)へ。ここは基本的には学生のための図書館ですが、定期的にガイドツアーを開催しており、図書館の内部と塔(カリヨンという鐘はここから鳴ります)に登り、ルーヴェンの街を見渡すことができます。

この大学図書館は、歴史的に日本との関係がとても深いことが知られています。ツアーの詳細とともに、別ページに書きましたので是非読んでみてください。内部にはアジアの図書館もあり、日本の小説や漫画!も寄贈されています。

M-ルーヴェン美術館へ

図書館の後は、歩いてすぐの場所にあるM-ルーヴェン美術館へ。中世から19世紀にかけてのルーヴェンとブラバントの芸術作品と1945年以降のベルギー美術をフィーチャーした美術館です。北フランドル絵画の中心地であるルーヴェンで、名画鑑賞を楽しんでください。古典だけでなく、現代アートのイベントも常時開催されています。
3つの「レストラン通り」からランチのお店選び

ルーヴェンは、本当に食べる場所に困らないんです。その中でも特に「レストラン通り」と呼ばれるムント通り、パレイス通りとコルテ通りには、これでもか〜という数のレストランが並んでいます。ルーヴェンは学生が多いため、手頃な価格のカジュアルレストランが多いのも特徴。
国際都市なので色々な国のレストランも多く、どのお店もオリジナリティがあって美味しいので、是非迷いながら一番良さそうなレストランに入ってみてください!和食レストランもここ数年で激増しましたが、日本人からみると味と値段が釣り合っていない印象です。タイ料理はどのお店も美味しいです。



世界遺産のベギンホフへ

ランチの後は、中心部から10分ほど歩いた場所にある、ベルギーの世界遺産にも登録されたベギンホフというエリア(区画)へ。ここでは中世の時代、女性が自立するための様々な教育が行われていた場所です。

ベギンホフはただ美しい古い建物が並んでいるだけでなく、中世ヨーロッパの女性の生き方や考え方を紐解く上でも重要な場所です。現在は大学関係者の住居になっているため中に入ることはできませんが、教会など一部の場所は開放されています。

ルーヴェン植物園

そしてお天気がいい日に、ちょっと訪れてみてほしいのがベギンホフの近くにあるKruidtuin(植物園)。市民に公開されており、無料で入場することができます。

春の期間限定ですが、下のような美しい藤の花が両側に咲いた通りが続きます。

ちなみに冬は何も見るものが無い…という訳ではなく、レンガ造りの温室の中で保護されている植物たちを見ることができます。周辺は大学関連の建物が多くてとても静か。
オウデマルクトでカフェタイム

ベギンホフと植物園を歩いた後は、ふたたび市庁舎のある中心まで戻り、すぐ裏側にあるオウデマルクト(Oude Markt)に足を運びます。細い道を歩いて行くと、古い広場という名前の通り、歴史あるれんが造りの建物に囲まれた一角が突然姿を表します。

天気がいい日は広場いっぱいにカフェのテーブルが並べられ、ビールやカフェを楽しむ人たちでいっぱいになります。ベルギーではカフェといえばテラス席(晴れているときはもちろん、夜も!)が人気なので、ローカルと一緒に是非ここではテラス席からの眺めを楽しんでください。
切妻屋根の歴史ある建物が並ぶオウデマルクトは、建築好きにもたまりません。2階席があるカフェも多いので、古い町並みを上からも眺めて楽しんでください。

どのカフェも気軽に入りやすい雰囲気ですが、ちょうど広場の中心部にあるDEN BROSSERは学生の行きつけカフェとしておすすめ。ここではぜひ、ルーヴェンの名前がついたベルギービール「Leuvense Tripel」や「Luvanium Tripel」を飲んでみてください。学生の街ルーヴェンらしく、本をかたどったロゴが可愛いです。

勉強中の息抜きによく行ったこのカフェは、カプチーノを頼むと何故か生クリームが載った甘いコーヒーが出て来ます。本格的なコーヒーが飲みたい方は、DEN BROSSERの裏側にあるCafe Onanがおすすめ。オーナー達の人柄がとってもいいカフェです。

(予約要)世界一のビール会社AB Inbev社の工場見学へ
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