ベルギーでは、都市どうし(ブリュッセル、アントワープ、ブルージュなど)の移動は鉄道を利用します。ここでは、鉄道チケットの種類と買い方について説明しています。
鉄道チケットの種類
一般チケット(Standard Ticket)
26歳~64歳の方は、平日利用の場合はこのチケットを購入します。購入時に片道・往復および座席クラス(下で説明)が選べます。

一般チケットの例。「Aller et Retour」が「往復」、「2e classe」が「2等」の意味です。
週末半額チケット(Weekend Ticket)
週末(金曜日の夜を含む)に往復チケットを購入する場合は、料金が半額になります。
(片道のみを買った場合は対象外です。また、複数週をまたいでの往路・復路の使用はできません。)
券売機やウェブサイトで自分で買う場合は、チケットの種類のメニューから「Weekend Ticket」を選ぶ必要があります。窓口で購入する場合は、自動的に半額チケットを出してもらえるため、心配な方は窓口にいくと安心です。
Go Passチケット(Go Pass1, Go Pass 10)
12~25歳の方は、ベルギーのどの駅にも 6.6ユーロで行くことができるGo Passチケットを購入できます。ブリュッセルから各都市への料金表を見るとわかりますが、ほとんどの都市へはGo Pass料金の方がお得になるため、こちらを購入してください。(近距離の場合、Standard Ticketを買ったほうが安い場合もあります)
一人で何度も利用する場合や、複数人で利用する場合は、10回券のGo Pass 10 (55ユーロ)を買うと、1回あたり5.5ユーロとさらにお得になります。
利用時には、12~25歳以下であることを示す公的証明書(英語の学生証やパスポートなど。日本語不可)を携帯する必要があります。
また、Go Passをブリュッセル空港行きに利用するには、「Diablo Fee」と呼ばれる特別な追加料金が加算されます。Diabolo Feeだけを別途券売機やオンラインで購入してください。
シニアチケット(Senior Ticket)
65歳以上の方は、ベルギーのどの駅にも6.8ユーロで行けるシニアチケットが購入できます。チケットの種類を選択するときに、「Senior Ticket」を選んでください。
65歳以上であることを示す公的証明書(パスポートなど。日本語不可)を携帯する必要があります。
また、シニアチケットをブリュッセル空港行きに利用するには、「Diablo Fee」と呼ばれる特別な追加料金を購入する必要があります。
子供チケット(Child Ticket)
12歳以下で単独で電車を利用する場合、料金が大人の半額になります。チケットの種類を選択するときに、「Child Ticket」を選んでください。
また、大人同伴の場合、子供は最大4名まで乗車料金が無料となります。
レイルパス (Rail Pass)
ベルギーのどの駅にも1回8.3ユーロで行ける回数券です。購入は10回券のみ、83ユーロで購入できます。Rail Passは記入式で繰り返し使うタイプです。乗車前に、「乗車駅」「降車駅」を自分で記入しておき、そのまま電車に乗ります。途中、車掌による乗車券チェックの時に、利用済みの印が押され、これを10回繰り返します。そのため、Rail Passは途中で捨てたり無くさないようにしてください。
*学生・シニアの方は、Go Passまたはシニアチケットのほうがお得です。

キーカードやレイルパスは、このように空欄のカード式になっており、使う時に自分でペンで記入する仕組みです。
キーカード (Key Card)
上記レイルパスの近距離版です。1~4駅の範囲でしか利用できないため、観光で利用することはほとんどありません。
Jumpチケット(ブリュッセルのみ)

ブリュッセルの全ての交通機関を格安で利用できるJumpチケット。数回なら紙のカードを利用しますが、磁気カードも購入することができます。
1等車両、2等車両の違いについて
ベルギーの電車には、特急の優先席やグリーン車のような「1等(ファーストクラス)」と呼ばれる車両があります。そのため、チケットの購入時には1等か2等のどちらかを選ぶ必要があります。通常、ほとんどの人が2等を選ぶため、有人窓口では、何も言わなければ2等のチケットが発行されます。
1等車両はホームの階段やエレベーター近くなどの便利な場所に位置します。また、座席の幅も2等と比べて広く、床がカーペットになっているなど、細かいアップグレードが見られます。

1等車両。座席の幅が広く、カーペット敷きです。
2等であっても、席の近くにスーツケースが置ける十分な広さがありますし、座席も日本より広いため、スーツケースを持って2等に乗っても特に不便はありません。

2等車両。通勤時間帯を除けば、座席もほぼ見つかります。
それでは1等はどんな場合に使われているのかというと、車内で仕事をするビジネスマンや、1等車両には学生やファミリーがあまり乗っておらず、静かな環境が約束されているため、仕事や読書に集中したいという方が主に使います。旅行の途中で、喧騒から離れてゆっくりした時間を過ごしたい方におすすめします。
チケットは1等のほうが割高です。例として、ブリュッセル中央駅からゲントまでの2等チケットが片道8.9ユーロなのに対して、1等は13.7ユーロと5ドル近く高くなります。
注意したいのは、2等車両のチケットを買ったけれども、1等車両に変更したい時。駅のチケット売り場で言えば差額を払うだけですみますが、車内で申し出ると、前述「車内購入特別料金(On-board Fare)」制度により、1枚につき7ドルの追加料金が加算されますので気をつけてください。
鉄道チケットの買い方
鉄道チケットは、駅にある券売機、駅の有人窓口、インターネットで購入できます。(インターネットで購入できるのは、片道・往復のチケットのみです。回数券は購入できません)
有人窓口で買う
初めてのベルギーで一番おすすめなのが、駅の有人窓口で買う方法。行き先と人数を言えば、窓口で適したチケットを発行してくれます。英語に自信がない方はあらかじめ紙に書いて見せるのが一番確実です。
年齢制限があるGo Passまたはシニアチケットを購入する場合は、年齢を証明できるもの(パスポート)を見せてください。

ブリュッセル中央駅の購入窓口。販売窓口は「Tickets」と上に書いてあるので、間違って別の窓口に並ばないように気をつけてください。
券売機で買う
駅の券売機は、現金またはクレジットカード(JCBは不可)で購入できます。主要駅には複数の場所に券売機が設置されているので、窓口で並ぶ必要がありません。窓口が混んでいる場合は、券売機を探してみてください。

ベルギーの鉄道チケットの券売機。駅の各所に設置されています。
インターネットで買う
ベルギー国鉄の公式サイトからも、オンラインチケットを購入できます。時間を問わずいつでも購入できるため便利です。90日前から購入可能で、日本からも購入できます。
使用日は指定する必要がありますが、時間は決めなくていいので、当日は印刷したものを持って好きな時間の電車に乗るだけです(オンラインで見せるだけでもチェック可能ですが、万が一のために印刷することをおすすめします)。印刷したレシートはチケットと同様の扱いになり、車内の切符チェックにも使えます。
タリス、ユーロスター、TGVなどの高速鉄道のチケットの購入
ベルギーと他の国を結ぶこれらの高速鉄道のチケットは、日本の新幹線と同様に、購入窓口が分かれています。ブリュッセル中央駅の場合、一般販売窓口の左に「国際チケットセンター」があり、ここで当日券等を購入できます。
ですが、これらのチケットは航空券と同じように、乗車日直前(特に2週間以内)には料金が急上昇します。レイルヨーロッパの公式サイトから日本語で事前購入できるため、旅行前に日本での予約をおすすめします。