世界遺産グラン・プラスが中世に蘇る「オメガング(Ommegang)」

世界遺産グランプラスに古くから続くお祭り
ヨーロッパの歴史や、古い時代のコスチュームに興味がある方におすすめのイベント「オメガング」。毎年7月に開催されるこのお祭りの起源は12世紀にまで遡ります。敬虔なブリュッセル市民ベアトリスが、マリア様の教え通りにアントワープの聖母大聖堂(フランダースの犬に出てくる教会です)に祀られているマリア様の彫像をブリュッセルに運んだところ、ブリュッセルには様々な奇跡が訪れたといいます。
ベルギーの伝統的なコスチュームが楽しめるだけでなく、音と光の荘厳なシンフォニーや、楽しいピエロ達の踊り、竹馬とよく似た長い棒での騎馬戦も観戦することができます。
野外フェスの常識を覆す「トゥモローランド(Tomorrowland)」

音楽フェス好きなら一生に一度は参加したいイベント©Tomorrowland
エレクトロニカと呼ばれるテクノやダンスミュージックが人気のベルギーやオランダでは、夏には毎週のように野外ライブが開催されますが、その中の真骨頂と言えるのが、世界中から有名DJやプロデューサーを集めて開催される、世界最大のエレクトロニカミュージックフェス「トゥモローランド」。
世界中から人が押し寄せる人気イベントのため、チケットは発売と同時に売り切れるのが毎年恒例。プラチナ化したチケットがオークションで高騰したり偽のチケットが出回るなど社会問題にも発展。イベント開催地のベルギーでは、一部のチケットを「国民用(ベルギーのID番号がないと購入できない)」に確保する対策を行っているほどなんです。
世界中からセレブも集まる音楽イベントだけあって、フェス会場の豪華さも必見。世界中からシェフを集めたレストランや、会場から歩いてすぐにプール付きのコテージやキャラバンのテントも設営。手ぶらでフェスを楽しめる便利さも人気です。

会場から歩いてすぐの特設テント。レストランも気分に合わせて楽しめます。©Tomorrowland

専用常駐スタッフとプール付きのコテージは12人まで収容。©Tomorrowland
UNESCO無形遺産「ビンシュのカーニバル(Carnaval de Binche)」
ベルギーのビンシュ(バンシュとも)は、南部地方にある小さな町です。普段はひっそりとしたこの街ですが、14世紀から一年に一度だけ開催されるカーニバルは、ユネスコの無形文化遺産に登録された、ベルギーの歴史や文化を知る上で重要なカーニバルです。お祭りは2月下旬の3日間、朝から深夜まで続きます。

仮面をかぶった「ジレ」たちが街を練り歩きます。
このお祭りのハイライトは、最終日の夜明けに登場する「ジレ(Gilles)」と呼ばれる仮面の男達。この仮面をかぶれるのは、古くから続くビンシュの一族と、この街に5年以上住んだ男性のみと厳格に決められています。伝統を守り続けるこのカーニバルでは、他にも様々な伝承に基づいた伝統があります。例えば、ジレが投げるオレンジにぶつかるのは豊潤と幸運の証。オレンジを拾って返したり、投げ返したりするのは失礼にあたるので注意が必要です。
車がないと不便な場所にある街ですが、開催期間中は国内外から多くの人が訪れるため、近くの都市とビンシュをつなぐバスが朝から深夜まで運行し、旅行者にもぐっと行きやすくなります。

歴史を感じさせるカーニバルのポスターですが、なんと2017年のもの。変わらない伝統が魅力です。
ブルージュの伝統を感じる「聖血の行列(Heilig Bloedprocessie)」
ブルージュで毎年5月に開催される「聖血の行列」は、14世紀からこのブルージュの街で続く宗教的行事で、上のバンシュのカーニバルと同様、ユネスコの文化遺産に登録されています。現在もブルグ広場の聖血礼拝堂に収められているキリストの聖血の遺物を祝うために、ブルージュの市民3,000人が聖書やブルージュ史の登場人物に仮装し、街を練り歩きます。
観覧エリアは有料のところもありますが、おすすめなのはルート沿いのカフェやレストランのテラス席。ブルージュの中心部にある鐘楼に登れば、練り歩く人々を上から楽しむこともできます。