絶対にやって欲しいこと:外務省の緊急治安メールサービスに登録する
海外における最新のテロ・暴動情報は、現地語や英語でのみ配信される情報も多く、日本語の情報を待っているだけでは遅すぎる場合があります。また残念ながら、SNSで日本語で間違った情報が拡散されることも過去にありました。そのため、これから海外に行く方は、日本の外務省が発信するメールでの安全情報配信サービス「たびレジ」に登録しておくことを強くおすすめします。
登録は無料で、旅行中も最新の治安・暴動・デモなどの情報を受信できるほか、重大な事件があった場合はメールでの安否確認もしてくれるサービスです。旅行する本人だけでなく、日本で待つ家族や友人も登録することができます。
メールの例
差出人:在デトロイト日本国総領事館 件名:【緊急】 ○○○○大学内における銃撃事件の発生 |
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○詳細は不明なるも、×日午前9時過ぎ、○○○○大学内で銃撃が発生した模様です。 ○最新情報の入手に努め、付近には近づかないよう注意して下さい。 ○本件に関して、邦人が被害に遭ったとの情報がある場合は、在デトロイト総領事館までご連絡下さい。 (問い合わせ窓口):在デトロイト日本国総領事館 電話:△△△-△△△△ |
絶対にやって欲しいこと:スマートフォンの紛失防止、臨時バッテリーの用意
スマートフォンを紛失すると、海外でトラブルにあった時は死活問題になります。航空券やホテルの予約、緊急時の連絡先、地図や磁石、そして下でお伝えする翻訳ツールまで、全てが入っているからです。そのため、スマートフォンを無くさないための携帯ストラップや、電池が切れた時の予備のバッテリーを用意するといいでしょう。バッテリーは最新のものは持っていても気にならないほどの軽さなので、外出先にも気軽に持ち歩くことができます。
また、携帯が破損して使えなくなった場合も考えて、セキュリティポーチに緊急連絡先を紙で書き出して入れておくとさらに安心です。
遭遇した時:走る(逃げる)
イギリスの国立テロリズム対策セキュリティーオフィス(NaCTSO)は、万が一私たちがテロに遭遇した時に取るべき行動を、パニックにならないように簡単でわかりやすい3つのステップに分けて紹介しています。まず最初のステップは、「走る(Run)」。可能な限り、一刻も早く現場から立ち去ることがまず最も大事であると示しています。
- 可能であれば逃げる。
- 一番安全な選択肢を考える。
- 安全なルートはあるか。走ることができなければ、隠れる。
- 危険に身をさらすことなく、安全な場所にたどりつけるか。
- 他の人も一緒に退避するよう指示する。
- 持ち物はその場に置いて逃げる。
遭遇した時:隠れる
次のステップは、安全と思われる場所までたどり着いたあとは、隠れる(Hide)ことが重要とされています。最初のステップで逃げることができない場合は、まずは隠れるところから始めます。
- 走ることができなければ、隠れる。
- 銃弾から身を守れるものを探す。
- 攻撃者が見える場合は、攻撃者からも自分が見えているおそれがある。
- 見えない場所に隠れたとしても必ずしも安全ではない。銃弾は、ガラス、煉瓦、木材や金属も貫通する。
- 銃弾から身を守れるものの陰に隠れる。例: 頑丈な煉瓦づくりの陰/強固な壁など
- 出口を把握しておく。
- 閉じ込められないようにする。
- 静かにする。電話の着信音を消す。
- 施錠/バリケードを作ることで身を守る。
- ドアから離れる。
遭遇した時:伝える
テロや暴動に遭遇した時、警察に通報できるのがあなただけ、という状況になることも考えられます。そんな時は落ち着いて、現地警察が知りたいことを順番に話していきましょう。
- 場所: 容疑者はどこにいるか。
- 方角: 容疑者を最後に見たのはどこか。
- 描写: 攻撃者の容姿、数、特徴、服装、武器など。
- その他の情報: 負傷しているか、負傷のタイプ、建物の情報、入口、出口、人質など。
- 他の人が建物に入らないようにする(そのほうが安全な場合)。
また、悲しいですが状況によっては外国人であるあなたが疑わしいと判断される可能性も全くゼロではありません。そのため、現地警察の指示に従い、速やかに行動することが余計な誤解を招かないために重要です。
警察が到着した後
- 警察の指示に従う。
- 落ち着く。
- 安全なエリアに移動できるか?
- 急に動くことは避ける。危険な存在とみなされることがある。
- 両手を見える場所に置いておく。
警官があなたにとるかもしれない行動
- あなたに銃を向ける。
- あなたに対して、厳しい態度をとる。
- あなたに質問をする。
- あなたをテロリストの仲間と間違える。
遭遇した後:現地日本大使館への連絡
前述の「たびレジ」に登録していれば、現地日本大使館への連絡先が記載されたメールが届いている可能性が高いので、すぐに連絡して安否を伝えます。
また、現地ですぐに連絡が取れるように日本からインターネット個人回線のレンタルを、さらにスマートフォンが壊れた時のために、現地日本大使館の連絡先をセキュリティポーチに入れておくと安心です。
遭遇した後:家族、友人への安否連絡
次に、あなたのことを心配している日本の家族や友人たちのために自分の状況を伝えます。一度に伝えたい場合は、TwitterなどのSNSが便利です。facebookには、災害時に自分やほかの人の安否確認がボタン一つでできる機能があります。
災害時に自分の無事を報告したり、第三者に安否確認をリクエストするにはどうすればよいですか。(Facebookヘルプページ)
遭遇した後:現地ニュースで随時情報を確認する
日本の外務省からも情報が配信されますが、現地での最新動向や、すぐにその場から移動するための交通情報はやはり現地のローカルニュースの情報が最も確実です。
ローカルニュースの多くは災害時には英語でも情報を配信していますが、日本語で情報が欲しい時に便利なのはグーグルの翻訳アプリ。話した外国語をリアルタイムで翻訳できるだけでなく、カメラで撮影した現地の言葉も翻訳してくれます。普段の旅行にも役立つため、スマートフォンへのインストールを強くおすすめします。