美食の国ベルギーでは、それぞれの土地に、その場所を代表する肉・魚・野菜を使った伝統料理があります。これらの料理のうち、特に現地で食べるべきおすすめの料理を集めました。注文に迷った時の参考にしてください。
【前菜】
(蘭)Tomaat met grijze garnaal / (仏)Tomates aux crevettes grises

外側は普通のコロッケですが、中身を開けるとピンク色のエビがたくさん入っているのにびっくり。どんなお店にもある定番の前菜です。
(蘭)Asperges op Vlaamse wijze / (仏)Asperges a la Flamande

フレッシュなホワイトアスパラガスの美味しさは格別!ベルギーで食べたい料理の一つです。
【スープ】
(蘭)Witloof roomsoep / (仏)Soupe de creme d’endive
ベルギー名産のチコリ(エンダイブとも)と生クリームのスープ。フレッシュなチコリの苦味が効いていて美味しいです。冬がシーズンですが、多くのレストランでは1年中注文できます。チコリはスープのほか、サラダにも使われるほか、グラタンとしてメイン料理としても注文できます。
【魚料理】
(蘭)Mosselen natuur / (仏)Moules mariniere
ベルギーの名物料理として、多くの人が一番に名前をあげるのがムール貝。ムール貝をセロリやハーブと一緒にスチームした料理です。最低限の味付けの方が、ムール貝のナチュラルな風味が楽しめるため、このnatuurか、白ワインで蒸したmet witte wijnがおすすめです。(中には、カレー味やロブスター味という挑戦的なメニューもありますが、ムール貝の風味が隠れてしまうのでおすすめできません)
ムール貝は伝統料理として人気があるだけでなく、現在でも多くの人に愛されている料理です。ムール貝の解禁シーズンは毎年ニュースになり、多くの人々が心待ちにしています。今年のムール貝は小さい、美味しいというのもよく話題にのぼります。解禁シーズン後は、スーパーには冷凍していないフレッシュなムール貝が並び、それを家庭の味付けで料理します。ハーブの調合や、ワインの種類、そしてムール貝と一緒に入れる野菜なども各家庭によってこだわりが違います。
ムール貝と一緒に食べる付け合わせとして一番人気なのはやはりフライドポテト。ケチャップではなくマヨネーズで食べるのがベルギー風です。
(蘭)Kabeljauw op Vlaamse wijze / (仏)Cabillaud a la Flamande
タラの切り身を白ビールとハーブでソテーした、フランダース(ベルギー北部)地方の名物料理。タラが使われることが多いですが、他にも色々な白身魚がこの料理に使われます。白ビールとハーブの爽やかな味つけが、淡白な白身魚とよく合います。日本人にも食べやすい魚料理です。

ヒラメもよく使われます。
(蘭)Paling in het groen / (仏)Auguille au vert
メニューの名前は「緑の中のウナギ」。ウナギをソテーし、フレッシュなハーブのソースをかけたもので、ウナギといえば蒲焼や白焼きの日本人には新鮮な料理です。この料理はうなぎの味や新鮮さが味の決め手になってくるので、是非美味しいと評判のお店で食べてみてください。
【肉料理】
(蘭)Stoofvlees / (仏)Carbonnades a la Flamande
牛肉をベルギービールで煮込んだフランダース(ベルギー北部)地方の郷土料理。ビールによって柔らかくなり、風味もまろやかになった牛肉をパンやマッシュポテトと一緒に食べます。ビールが味の決め手になるため、その土地ごとに利用するベルギービールが異なることも特徴。レストランでは、使っているビールの名前がメニューに載っている場合も。一般的には、シメイなどのダークビールが使われます。また、隠し味ととろみ付けとして、マスタードを塗ったパンが入っているのも大きな特徴。日本で食べる牛肉の煮込みとの違いを楽しんでください。
(蘭)Koninginnen hapje / (仏)Vol-au-vent a la reine
ベルギー郷土料理として必ず名前が上がる、チキンのクリーム煮(シチュー)をパイ生地で包んだもの。見た目が可愛いだけでなく、日本人にも馴染みがある味の組み合わせです。サクサクのパイを少しずつ切り分けて、クリーム煮をソースとして一緒に食べます。クリーム煮には野菜やキノコなど、その土地でとれる季節の野菜が入っています。
(蘭)Gentse waterzooi / (仏)Waterzooi de poulet a la Gantoise
ワーテルゾーイは、ゲント発祥のベルギー風のホワイトシチュー。定番料理のため、単に「ワーテルゾーイ」と呼ばれることも多いです。何世紀も前から受け継がれる伝統的なメニューで、昔はチキンの代わりに魚が入っていたそう。味は日本のホワイトシチューとそっくりです。
(蘭)Konijn in kriek bier / (仏)Lapin a la kriek
秋のジビエの季節に見かけたら絶対トライしてほしい、グリルしたウサギの肉を、ベルギーのクリークビール(サワーチェリーのフルーツビール)で味付けしたもの。ウサギの肉は、ベルギーのジビエ料理でよく使われますが、他にもイノシシや鹿の肉も多く出回ります。クリークはブリュッセル発祥のビールのため、ブリュッセルのレストランではクリークがよく使われますが、他の都市ではその地元のフルーツビールが使われることが多いです。
(蘭)Biefstuk met friet / (仏)Steak frites
多くのレストランの定番料理となっている、ステーキフライ。牛肉のステーキの横に付け合わせのフライドポテトを乗せた、ボリュームたっぷりの料理です。ステーキの味つけはレストランや地方ごとにバラエティに富んでいますが、付け合わせはフライドポテト以外にはありえません。
この料理の決め手は、もちろん肉の品質。安いレストランのステーキフライではなく、ベルジャン・ホワイト・ブルー(またはベルジャン・ブルーとも)のビーフを使っているレストランを選んでください。サーブされる量は日本と比べて多く、最低でも100g以上、200gも普通にあります。食べきれるか心配な方は、注文するときにどれくらいのサイズか確認してみてください。
【デザート】
(蘭)Dame Blanche / (仏)Coupe Dame Blanche

ベルギーのデザートメニューの一番最初に登場するダム・ブランシュ
(蘭)Advocaat / (仏)Advocat

アドヴォカートは強いアルコールが入っているので、苦手な方は注意
(蘭)Rijsttaart op zijn Brueghels / (仏)Tarte au riz de Breughel
「ブリューゲルのライスタルト」というとても可愛い名前のデザートは、もちろんベルギーの農村風景を描く有名画家ブリューゲルにちなんだもの。お米を混ぜて作ったカスタードクリームに、アプリコットやリンゴなどの季節のフルーツを載せたタルトです。お米をデザートにするのは日本人からするととても不思議なのですが、ベルギーではレストランやカフェでデザートとしてサーブされる他、パン屋さんでも販売されています。
ベルギーフライドポテトはいつ出てくる?
フライドポテトは料理の付け合せとして、メイン料理と一緒にサーブされます。つまり、フライドポテトはパンやライスと同じ位置付けです。
一般的なレストランでは、フライドポテトだけではなく、ミニサイズのサラダ、パン、マッシュポテト、ライスなどから選択できるようになっています。メイン料理の料金に自動的に含まれていますが、食べられない場合は断ることも可能です。また、上記のようにサラダやパスタをメインにする場合、サイドディッシュとして追加注文することができます。

付け合わせのポテトが大きなボールに入ってサーブされました。これで二人分。しかもおかわりももらえます。