ベルギーのおすすめガイドブック

ベルギーについて書かれた本をまとめました

BELPLUS編集部
ベルギーがわかる本 個人旅行で行く

ベルギー関連の本のうち、読んでいて面白かったもの、旅行に役に立ったものを厳選してご紹介しています。新しい本を読みしだい、こちらのリストも更新していきます。

誰がネロとパトラッシュを殺すのか――日本人が知らないフランダースの犬

イギリス人作家が、なぜフランダース地方を舞台に悲しい物語を書いたのか。本国ベルギーでは、なぜ人々に受け入れられなかったのか。

アメリカで作られた5本の映画は、なぜハッピーエンドに書き換えられたのか。日本にはどのように紹介され、1975年のテレビシリーズはなぜ大成功したのか。

そして、悲しいストーリーの『フランダースの犬』が今も日本で愛され続けている理由とは。

日本人なら誰もが知ってる「フランダースの犬」。ベルギー・アントワープを舞台にした物語はアニメにもなり、最終回でネロとパトラッシュがたどり着く聖母大聖堂とルーベンスの祭壇画を、実際に見てみたいという方も多いのではないでしょうか。

この本は、「日本では、フランダースの犬というベルギーのお話が人気らしいけど、ベルギー人は誰も知らないのはなぜ?」という疑問を持ったベルギー人の著者が、このお話の成り立ちから日本人論までを述べた本です。フランダースの犬のファンはもちろん、外国人から見た日本人論が好きな人にも楽しめます。

TRANSIT(トランジット)26号 美しきオランダ・ベルギー

【特集の一部】
・アントワープ:ファッションをぶっ壊せ きらびやかなファッションショーと、舞台裏のモデルたちの肖像。華やかなステージの表と裏を写し出す。
・ベネルクスはEUの元になった!?~遡り歴史絵巻
・オランダ・ベルギー絵画の時間
・ベルギービール大全
・フランダースの犬の謎
・ベネルクスの天才とその系譜
・ベルギー 美食カード 伝統料理からスイーツまで素敵なカードに!

ベルギーの今のカルチャーを知るなら必携の一冊。ムック本でちょっと重いため旅行に持っていくには不向きですが、大きな紙面で美しいカラー写真と、他のベルギー本には無い独自のテーマの特集が楽しめます。

ヨーロッパのモデル業界がわかるインタビューや、オランダのワークシェアリングの実態など、観光とは関係無い特集もとても面白く、何度も読み返してしまいます(一冊がすごいボリュームです)。ただのガイドブックではない文化的な特集が多いため、現地に駐在や留学する方にもおすすめです。

とてもいい本だったため、下記に感想を書きました!

物語 ベルギーの歴史 – ヨーロッパの十字路

ビールやチョコレートなどで知られるベルギー。ヨーロッパの十字路に位置したため、古代から多くの戦乱の舞台となり、建国後もドイツやフランスなどの強国に翻弄されてきた。

EU本部を首都に抱え、欧州の中心となったベルギーは、欧州の問題の縮図でもある。本書は、19世紀の建国時における混乱、植民地獲得、二つの世界大戦、フランス語とオランダ語という公用語をめぐる紛争、そして分裂危機までの道のりを描く。

ベルギーの歴史について知りたいならこの本。真面目な本ですが、歴史とあわせて観光名所の成り立ちなども多く書かれているため、旅行で実際に行く前に読んでおくと現地での感動もひとしおです。著者はもともとベルギーのことをあまり知らず、一から研究して書かれたそうで、初心者でもわかりやすい言葉が使われているので、私のように歴史が苦手な人間でも楽しく読めました。

新書で小難しいイメージがあったのですが、読んでみるととても良かったので、読んでみた感想を別ページに書きました。具体的な内容については、こちらもご参考ください。

ベルギー・アントワープへの招待

古い石畳、港に続く河、大聖堂、ルーベンス…。
世界一おいしいチョコレートや、注目のアントワープ・ファッションの発信地、「フランダースの犬」の故郷、ベルギー・アントワープの魅力をかわいいイラストとエッセイで綴った本。

ベルギーに惚れ込んで現地の学校にまで行ったイラストレーターの著者が綴る、アントワープについてのエッセイです。著者が暮らしたアントワープがタイトルになっていますが、ベルギーのカフェ文化や地元の人々の暮らしについての文章は、ベルギーに旅行する人なら誰でも楽しめます。そして、ヨーロッパの空気感があるイラストがとても可愛いです。

1997年発行の古い本のため、ガイドブック的情報は役に立たないものもあります。最新情報はガイドブックで入手して、この本は文化を知るためのエッセイ本として読むとちょうどいいです。

ベルギー至福の食卓

ビール、チョコレート、チーズ、ムール貝。美味しいもの勢揃いの国で、ベビーカーを押しながら見つけた、人生を楽しむためのエッセンス。

パンケーキ・ワッフル・ムール貝の白ワイン蒸し…カフェ&ティールームのレシピつき。

こちらもイラスト付きのエッセイ本です。現地在住の著者が、ベルギーの食文化についてかわいいイラストとともに綴っています。海外在住の日本人はパワフルな方が多いですが、この方もイラストはすごくほんわかしているのに、美食を巡る冒険はかなり積極的なもの。この本を読んだおかげで、チョコとワッフルしか知らなかったベルギーの食文化がもっとよくわかるようになり、レストランで注文するときにとても役立ちました。

ですが一番興味深かったのは、食についてではなく、著者の海外での出産〜子育体験でした。旅行には役に立たないところですが、現地の病院や手続きのことなど、海外経験者にしかわからないことがリアルに綴られていて、普通の読み物として面白く読めました。

旅名人ブックス9 ベルギー美食紀行 第3版

本邦初のベルギー「グルメ大全」。本当の食通はベルギーに集まる。
ベルギーの新鮮な料理、伝統のお菓子、話題のベルギービール…。全てを徹底取材。
知られざる食の都の姿を中心に、ブリュッセルの魅力をお届け。
02年刊「ベルギー美食ガイド」に次ぐ改訂第3版。

このページで紹介している本の中で、これが一番重いです。大きさはB4くらいでそれほどでもないですが、なんとフルカラー289ページというページ数。紙も質のいいのを使っているのか、本自体にかなり厚みがあります。

内容はとてもシンプルで、ベルギーで美味しいと言われるレストラン(高級店が中心)を、1軒あたり4ページ程度で紹介しています。実際に頼んだ料理の写真とともに、レストランの歴史からオーナーの人柄まで、深く掘り下げた内容になっています。紹介するレストラン数も多く、中には車でないと行けない古城レストランや、現地のセレブが行く森の中のレストランも。

旅行前に行きたいレストランの下調べとして使うのにはかなり重宝しました。ただし、10年以上前の本のため、今では営業していないレストランもあるはずです(自分が見た限り、超有名店は結構残っています)。また、当然ながら新しいレストラン情報はありません。

ベルギービールという芸術

ベルギーの醸造家は、ホップや麦芽だけでなく、スパイスやハーブやフルーツの使い方についても、天才的な閃きとテクニックを駆使しています。よその国の醸造家が目の敵にして嫌う野生酵母すら、見事に手なずけて使い込んでいます。

そんな彼らの手によって造り出されたビールは、ありきたりの美味しさをはるかに超えて、飲む人の心の隅々までジーンとしみ込みます。ベルギービール……、まさにビールの芸術品です。(著者のことばより)

有名なビール評論家として活躍中の著者が書いたベルギービールについての新書。ベルギービールの本というと、本屋では百科事典のような重たい本ばかりが目立ちますが、この本はまず、旅行に持っていけるサイズの新書であることが何よりも嬉しいです。

かといって内容があっさりしているわけではなく、ベルギービールを様々な角度から解説したカタログ的にも十分な内容(新書なのにカラーページまであります)。さらに、著者お墨付きの現地のブルワリーやビアカフェの情報もあるので、観光ガイドとしてもかなり役立ちます。現地でたくさんビールを飲みたい方におすすめです。

WRITER

BELPLUS編集部

BELPLUS(ベルプラス)は、ベルギー在住者が共同で運営するメディアです。旅行に役立つ情報のほか、現地長期滞在、留学生のための生活情報もお届けしています。