誤解1:ビールは樽から注いで飲むのが最高

ベルギーでは、樽に入ってるのは安いビール

日本のバーで見かける、高級感あふれる木の樽。そこから注いで一杯ずつ注いでもらって飲むドラフトビールは、「とりあえず」で注文する瓶ビールよりも美味しく感じられます。

ですが、ベルギーでは「樽に入っているビールは安いビール」というのが常識。多数の人にできるだけ早く注げるからこそ樽に入っているだけで、いわば一般的なビアサーバーと同じ扱いです。

ベルギービール博物館で見つけた、クラシックなビアサーバー。これはこれでかわいいんです。

ベルギービール博物館で見つけた、クラシックでキュートなビアサーバー。これなら美味しいかも?!

ベルギービールの本流は、やはり瓶。ビールを最も美しく見せるための色や形にこだわり抜いたオリジナルボトルは、お揃いのグラスと一緒に一人一人の前にサーブされることで、はじめて「本物のベルギービール」になるといえます。

ビールの銘柄にこだわるベルギーっ子は、一般的なジョッキで回し飲みということも全くやりません。基本的に各自が好きなものを注文するか、回し飲み用の大きいサイズの瓶に入ったビールをテーブルに置き、自分のグラスに注ぎます。

誤解2:ベルギービールを飲むならビアカフェに行かなくてはいけない

ベルギーでは普通のカフェでも、20種類近くのビールを揃えているのが普通

コーヒーは1種類なのに、ビールはメニューが何ページも...というのが普通のベルギーのカフェ

コーヒーは1種類なのに、ビールはメニューが何ページも…というのが普通のベルギーのカフェ

日本でいろいろなビールを味わいたい場合、やはり普通の居酒屋よりも、ビール専門店やビールへのこだわりが自慢の店などに行くことが多いです。普通のカフェにビールがあるとしても、コーヒーのついでに1~2種類、多くても5種類程度。

ですがベルギーでは、普通のカフェやリーズナブルなレストランでも、ベルギービールは常に10〜20種類を揃えているのが普通。いわゆるビアカフェに行かなくても、十分にベルギービールの飲み比べが楽しめるのです。

それではビアカフェはどう違うのかというと、圧倒的なベルギービールの種類。ビアカフェという名前がつくからには、常時100種類以上のビールがあるのが普通です。中には、ブリュッセルの超有名ビアカフェ「デリリウム・カフェ」のように、2,400種類のビールが置いてあるところも。ベルギービールの真髄を味わうなら、是非ビアカフェに足を運んでみてください。

誤解3:ベルギーでもビールは缶で売っている

瓶が主流。缶入りも売っているが、一部だけ

日本では、お中元やプレゼントに缶ビールが贈られることもあり、缶ビールだからちょっと…というネガティブなイメージはあまりありません。ですが、自宅であってもボトルのデザインやお揃いのグラスでビールをのむことにこだわるベルギーでは、缶ビールは「かなり安いビール」のイメージです。

缶ビールが全く売っていないのかというとそうではなく、ベルギーのスーパーでは「ヒューガルデン」の缶ビールのシリーズをよく見かけますが、ベルギービールはスーパーであっても瓶タイプがまだまだ主流。

確かに缶のほうが安いのですが、瓶に比べるとベルギービールらしさが感じられないことと、瓶ビールでもかなり安い(4本セットで700円程度)ため、買う方も抵抗がありません。また、スーパーでも、期間限定デザインのグラス付きビールがセットで売られていることも多く、いかに瓶+グラスで飲むことが日常に溶け込んでいるかがわかります。

ベルギーのスーパー、デレーゼで見つけたローデンバッハの6本入りは、なんと560円という驚きの安さ。

ベルギーのスーパー、デレーゼで見つけたローデンバッハの6本入りは、なんと560円という驚きの安さ。

それでは缶ビールは誰が飲んでいるのかというと、圧倒的に多いのが学生グループ。安いお酒を買ってみんなでワイワイ持ち寄りパーティというときは、軽い缶ビールが大活躍します。

WRITER

Hanna

ベルギー・ルーヴェン大学卒業。現在はアントワープを拠点に日本とベルギーを行き来する生活を送る。趣味はベルギーのレストラン巡りと、カフェのテラス席でのビールを飲みながらのおしゃべり。