海外旅行保険とは
海外旅行中に、事件や事故に巻き込まれる可能性はゼロとは言い切れません。また、日本出発時は健康でも、海外での体質に合わない食事やストレス・疲労により、予期せぬ病気にかかってしまう恐れもあります。
日本では加入している健康保険により自費負担が少なく治療を受けられますが、海外では日本の保険が利用できず、実費を支払うことになります。ここで注意したいのは、世界には日本とは比較にならないほど医療費が高い国があること。アメリカは特に有名で、現地の病院に一日入院しただけで800万円も請求されたというのがニュースにもなりました。
こうした予期できないトラブルに備えるのが、海外旅行保険です。「海外旅行」という特定の状況に特化した保険で、海外旅行での医療費を補償してくれるほか、旅行携帯品を盗難・紛失した場合に、相当するお金を払ってくれるなど、様々なトラブルをカバーします。
保険でカバーされる範囲
海外旅行保険に加入すると、下記のような場合に、かかった費用が保険会社より支払われます。
病気やケガ(交通事故など)になった
- 診療費、入院費、緊急移送費など
- 治療に必要な交通費や通訳雇入費用など
- 入院後、通常の旅程に復帰するため、帰国するための交通費
- 救援者(家族等)の渡航、宿泊費用
盗難や偶然の事故により持ち物が損害を受けたとき
- 各保険会社の定める範囲内での金銭補償
旅行中にあやまって他人にケガをさせたとき(他人のモノを壊したとき)
- 法律上の賠償責任を負った場合、その損害賠償金
(賠償責任保険金額を限度)
ですが、どの保険でも全てがカバーされる訳ではなく、保険会社やプランによってできることが異なります。さらに、補償される限度額も、安い保険のプランと高いものでは大きく異なります。
特に、最後の他人に怪我をさせた時の賠償責任は、安い保険のプランだと補償に組み込まれていない場合もあります。
保険でカバーされない範囲
海外旅行保険ではカバーされないのは、下記のような場合です。
- 現地で借りた自動車で事故を起こしてしまったときの対人・対物補償(現地の自動車保険への加入が必要)
- 歯科治療
- 交通機関で通過するの国での病気・盗難・対人補償等
そのため、現地でレンタカーを借りる方は、必ず申し込み時に自動車保険に加入してください。ほぼ全てのレンタカー会社が、自動車保険への加入をすすめています。補償金額が一定まで(その金額以上は実費となる)ものと、無制限で補償が受けられるものがありますが、できるだけ無制限で補償されるプランを選ぶことをおすすめします。
歯科治療に付いては、命に関わる場合が少ないため、保険の対象外となることが多いようです。心配な方は出発前に歯科医師に相談してください。
保険加入にかかるお金は?
海外旅行保険の加入〜支払いは、主に二つのパターンに分かれます。
- クレジットカードに付帯しているため、自動的に加入しているもの(追加の支払い費用無し)
- 海外旅行の期間だけ加入するもの(旅行日数分だけ加入する)
このうち加入費用がかかるのは、2.海外旅行の日数分だけ加入する海外旅行保険の方です。1日あたりの保険料は、旅行目的地にもよりますが、アジアで200~300円、ヨーロッパ、北米で300〜450円程度が平均的です。
加入方法
インターネットで申し込む(おすすめ)
インターネットで申し込む場合のメリットは、保険料が安いこと。中には下記で説明する自動販売機からの購入の半額近くになるものも。
有名な保険会社はいくつかありますが、特に加入費用が安いと言われているのが、「Tabiho(たびほ)」というサービス。JTBとジェイアイ障害火災保険という大手2社が提携した企業のため、安心して利用できるほか、申し込みから支払いをオンラインで完結し、保険申込書を含めた書類のやり取りは一切無い(全てオンライン)というのも便利です。
旅行直前の空港の販売機で購入する
海外旅行保険の便利なところは、国際空港の各所(チェックイン後も)に海外旅行保険の自動販売機があることです。目的地と帰国日を入力し、料金を払うだけなのでとても簡単。ネット申し込みよりも保険料は高めですが、チェックイン前後の空いた時間にできるため、一番手軽な方法です。
クレジットカードに海外旅行保険が付いている?

一昔前の日本では、海外旅行に行くためにクレジットカードを作る人が多かったのです
現金での支払いが長い間スタンダードだった日本では、クレジットカードを作る時=初めて海外旅行に出かける時、という人が多かったため、クレジットカードに自動的に海外旅行保険が付いているものが多いです。
カードでカバーできる内容や金額は、どのカードを利用しているかによって様々。ゴールドカード以上になると、手厚くカバーされているため、海外旅行保険にわざわざ追加で加入する必要が無いことも多いです。
ただし、一つだけ注意が。最近では、クレジットカード=海外旅行のイメージも薄くなったため、海外旅行保険が付いていないクレジットカードも普及しています。例えばAmazon社が発行するクレジットカードは、海外旅行保険が付帯していません。特に年会費無料のカードは、旅行保険が付いていないものが多いので、お使いのカードの保証内容を必ずチェックしてください。
反対に、無料のクレジットカードでも、海外旅行保険が充実しているものもあります。代表的なのが、デパートのマルイが発行するエポスカード。年会費無料でありながら基本的な旅行保険の内容が揃っているため、海外旅行前に作っておいても損はないカードだと思います。
また、年会費は少しかかります(年に一度利用すれば無料)が、三井住友カードも海外旅行保険が充実したカードとして個人的におすすめです。