ブリュッセルの中でも、南駅と北駅は特に治安が悪いところです。観光の中心となるブリュッセル中央駅も治安が悪いと言われていますが、この二つの駅は隣国との国際列車が発着するため、海外からの観光客を狙った犯罪が特に多いと言われています。
多くの人が利用している駅であり、暴力や脅しで金品を奪う強盗がうろうろしている訳ではありません(ただし深夜の時間帯を除く。長距離バスのページを参照ください)。それよりも注意するべきなのは、人間の心理を利用した、一見詐欺にみえない犯罪行為です。
このような犯罪行為は、事前にどのような手口があるのかを知っておくことが一番の対策になります。ブリュッセル南駅で強盗未遂にあわれた方から貴重な体験談をお寄せいただいたので、ご本人の許可を頂き掲載しております。
男性一人旅です。
ブリュッセル南駅で3時間のあいだに2回も盗難未遂にあったので、少しでも皆さんのお役にたてればと思って共有します。
1. 小銭ばらまき泥棒
ブリュッセル南駅のフードコートで食事した後スマホいじってたら、隣に座ってた男二人組(20歳前位)の一人が、立ち上がる際に片手に持ってた小銭10枚位を私の座ってた席の周りに豪快にばらまく(そもそも、子供ならまだしも20歳位の人間が手にたくさんの小銭を握りしめていることが不自然だし、立ち上がる際にそれを豪快に落とすのも不自然)。
怪しいなと思って、距離を置いて見ていたら、もう一人の男が友達のコインを拾うこともなく私のリュックに近付いてくる(これも不自然)。
私が目を光らせていたし、リュックにはカラビナを付けていて簡単には開かないようにしていたので、リュックに触られることはなかった。
コインを拾うのもモタモタしていたので、多分私に拾うのを手伝わせて、そのスキにリュックから財布とかを盗もうとしたんでしょう。
案の定、二人組が立ち去ったあとに、周りから「Be careful」と言われる。
人の親切心につけ込んだ卑劣なやり口ですね。
教訓としては、こんなケースがあったらまずは自分の荷物を確保すること。

2. 声かけ泥棒
電車が70分遅延したので時間つぶしに座る場所を探したところ、ハーゲンダッツの店外座席があった(先程のフードコートとは別の場所)。
みんなハーゲンダッツを買わずに座っていたので私も二人がけの席に荷物を置いて座っていたら、背中越しに男(20代)から声をかけられたので振り返る。
英語以外の言語(ベルギーは多言語国家)なので何を言ってるのかわからないが、「商品買わずに座ってもいいのか?」みたいなことを言ってるのかな?と想像しながら10秒ほど話を聞く。
その後正面を見たら他の男(どう考えてもグル)が私のリュックに手を掛けていたので、立ち上がり「Hey don’t touch ! 」と大声で叫び、男達を立ち去らせる。
多分、カラビナをつけていたおかげでファスナーを開けるのに手間がかかったのだろうと思いますが、カラビナをつけていなかったらこの10秒間で何か盗まれていたかもしれません。
教訓としては、大きな荷物はコインロッカーに入れ、それ以外の荷物は、自分以外の人間が触ったときに気付く状態にする(身体に密着させる、膝の上に乗せる、鈴をつける等)、またファスナーをカラビナや南京錠(ダイヤル式がおススメ)でロックし開けにくくする。要は、スリや置き引きから見たときに、手を出しづらい状態にする。
怖いなと思ったのが、フードコートの件もこの件も、周りにそこそこ見てる人がいる状況で起きた出来事です。
これからは気をつけようと思います。

貴重な体験談をお寄せくださったみなさん、ありがとうございました。