現在も30箇所以上のベギンホフが残っており、ベルギー政府から推薦された26箇所のうち、13箇所が1997年に世界遺産として登録されています。

ブリュッセルから電車で行ける世界遺産「ベギンホフ」へ〜中世の暮らしが今も残る場所〜

BELPLUS編集部
ルーヴェン 世界遺産

世界遺産「ベギンホフ」とは?

ベギンホフ(ベギン会修道院またはべギナージュとも)とは、ベルギー北部のフランダース地方に特に多く見られる中世時代の女性のための共同住宅です。中世ヨーロッパの時代に、男達が十字軍など戦争のために遠征し街を離れている間、残された女性達が集まってここで暮らしていました。

ベギンホフの中から撮影した写真。世界遺産として保護されながらも、現在はルーヴェン大学の関係者が居住しています。

ベギンホフの中から撮影した写真。ベギンホフとヨーロッパ中世の修道院との大きな違いは、資産を持ったまま入居できることでした。そのため、ベギンホフで暮らす女性たちの格差もあちこちで見られます。

ベルギー国内には現在も30箇所以上のベギンホフが残っており、ベルギー政府から推薦された26箇所のうち、13箇所が1997年に世界遺産として登録されています。現存するベギンホフを構成する建築群はそのほとんどが16~18世紀に建築されたもので、当時の典型的な建築や都市のスタイルを見事に保存しています。

女性の自立を支援していたベギンホフでは、男性に頼らず女性(ここに住まう女性たちはベギンと呼ばれました)が自らの知恵を生かして経済活動を行っていました。神に使えながらも、完全に俗世から切り離されたわけではないベギン達のライフスタイルは半聖半俗と言われており、彼女たちの暮らしぶりは、ベギンホフにある様々な建物からうかがい知ることができます。

ベギンホフの共同生活についてもっと知りたい方は、ぜひこちらの記事を読んで見てください。

ブリュッセルから行きやすい街、ルーヴェンのベギンホフ

美しいルーヴェン市庁舎前の広場。ベギンホフはここから歩いて行けます。駅からベギンホフに直接行くならバスの方が便利。

美しいルーヴェン市庁舎前の広場。ベギンホフはここから歩いて行けます。駅からベギンホフに直接行くならバスの方が便利。

ブリュッセルから電車で25分の小都市・ルーヴェン(Leuven)にあるベギンホフは、世界遺産でありながら、現在は世界最古のカトリック大学であるルーヴェン大学関係者の住まいとなっています。そのためあまり観光地化されておらず、学生都市に特有の静かな雰囲気が保たれています。

ベギンホフの中から撮影した写真。世界遺産として保護されながらも、現在はルーヴェン大学の関係者が居住しています。

窓辺には花やランプ、ぬいぐるみなど居住者の個性が表れています。

ルーヴェンのベギンホフは、ゆっくり歩いて回っても1時間ほどで回れるエリア。ルーヴェン自体も小さな街のため、ブリュッセルからの日帰り旅行に最適です。コンパクトな街のため、全てを歩いて回ることができるのも便利です。以下の記事にあるおすすめプランの他にも、可愛いカフェやレストラン、美しい教会などもあるおすすめの日帰り観光都市です。

ベギンホフへの行き方

ベルギーの主要都市の電車での所要時間と行き方完全ガイド

鉄道での所要時間がわかる図。図の中心にあるのがブリュッセル国際空港です。

ルーヴェン(Leuven)は、ブリュッセルから電車で約25分。ブリュッセル中央駅からICと呼ばれる快速電車が1時間に数本出ています。アントワープ、リエージュなどその他の主要駅からのアクセスも良く、いずれも30~40分程度です。また、ブリュッセル空港からも非常に近いため、ベルギー到着後の初日をルーヴェンで過ごすこともおすすめです。

ルーヴェン駅。駅を出たら目の前にある大通りをバスまたは歩いて中心部へ。治安はベルギー1と言われるくらい良いです。

ルーヴェン駅。駅を出たら目の前にある大通りをバスまたは歩いて中心部へ。治安はベルギー1と言われるくらい良いです。

ルーベンの目的地別マップ。

ルーベンの目的別マップ。修道院へは駅からも歩いていくことができます。

ルーヴェン駅で電車を降りると、右側に大きなバスターミナルがあるので、バス1番または2番のHeverlee(ヘベレー)行きに乗ります。このバスは本数も多く、また街の中心を横断してベギンホフに行くバスのため、市内観光も一緒に楽しめます。

歩いて行くこともできますが、バスが便利です

歩いて行くこともできますが、バスが便利です

バス停Heilig Hartkliniekで降り、まず、乗ってきたバスと同じ方向に大通りを歩きます。最初の道(Sint-Beggaberg)を右に曲がります。しばらく歩くと、道の突き当たりに小さなカフェがあり、その隣にベギンホフの入り口が見えます。

ベギンホフの中から撮影した写真。世界遺産として保護されながらも、現在はルーヴェン大学の関係者が居住しています。

ベギンホフ内でたくさん見かける猫たち。

ベギンホフの中から撮影した写真。世界遺産として保護されながらも、現在はルーヴェン大学の関係者が居住しています。

散歩しながらゆっくり写真撮影ができました。

ベギンホフの中から撮影した写真。世界遺産として保護されながらも、現在はルーヴェン大学の関係者が居住しています。

ベギンホフだけでなく、ルーヴェンの街は全体的に古い石畳の道が多いので、歩きやすい靴がおすすめ

修道院のホテルに泊まるには?

ルーヴェンは日帰り観光におすすめと書きましたが、ベルギー南部地方(ナミュール、リエージュ、ディナン、デュルビュイなど)にこの後行くかたは、途中経由地でもあるルーヴェンで一泊するのもおすすめです。

ベギンホフは大学関係者専用のため宿泊施設はありませんが、併設する敷地にホテルが2件あります。ベギンホフ コングレス ホテルは古くからルーヴェン大学の関係者に利用されているホテルで、一般的なホテルらしいサービスを求めるならこちら。B&B ゲストハウス ベハインホフは家庭的な温かい雰囲気のホテルで、オーナーの人柄が最高という口コミが多数の隠れた人気ホテルです。

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BELPLUS編集部

BELPLUS(ベルプラス)は、ベルギー在住者が共同で運営するメディアです。旅行に役立つ情報のほか、現地長期滞在、留学生のための生活情報もお届けしています。