クーケルベルグのバジリカ(教会)について
クーケルベルグのバジリカは、グランプラスから北西に向かったエリザベート公園内にあるローマ・カトリックの教会です。丘の上にあるため、目の前に迫るように佇むバジリカは、思わずハッとするほどの美しさ。ブリュッセル中心部からは少し離れたところに、思いがけず隠れた宝石を見つけたような気分になれます。 1905年、レオポルド2世の時代に着工し、完成までに65年かかったクーケルベルグのバジリカは、教会建築では世界で5番目の大きさを誇ります。 アール・デコ様式の建物としては世界有数の大きさを誇るバジリカ。鉄筋コンクリート造りの教会ですが、テラコッタも使って、温かみのある建物に仕上げています。レオポルド2世は、フランスで見たサクレ・クール寺院に影響されて、この建物を作ることに決めたそうです。 高さ89メートルの2つの塔には、高さ52.8mの場所に『パノラマ』と呼ばれる展望スポットがあります。晴れている日は、メッヘレンの聖ロンバウツ大聖堂が見えることも。 『パノラマ』のチケットで、曜日は限られますが、ブラックシスターズ博物館と宗教現代美術館を見ることもできます。ブラックシスターズ博物館では、18世紀~19世紀のブリュッセルレースなどの工芸品。宗教現代美術館では、ミロやアンソールの作品など、ブルージュにある現代美術館の宗教関連コレクションの一部を見ることができます。 クーケルベルグのバジリカのショップでは、クーケルベルグのバジリカ型のテラコッタ製マグネットなども販売されていますよ。ゴディバのアウトレットへ
このバジリカはなだらかな丘の上にあり、丘の下には鉄道またはトラムのSimone駅となります。このSimone駅のそばには、ゴディバのアウトレットショップと、ベルジアン・チョコレート・ビレッジがあります。バジリカに行くときは、この二つも訪れてみてください。 公共交通機関を使って行くほか、ブリュッセルの観光名所だけを回る乗り放題バスの利用が便利です。自由に動き回れるのが魅力の教会
アントワープの大聖堂に代表される、豪華絢爛な内装が多いベルギーの教会建築ですが、それらと比較するとこのバジリカはかなりシンプル。天井が高く中が広々としているため、見ようによっては体育館のような雰囲気さえ感じられます。

ベルギーの教会建築は、柱や壁の平らな部分に彫像が飾られていることが多いのですが、このバジリカはかなりすっきりしています。

幾何学模様のステンドグラス
観光客の立ち入りエリアが制限されているところも多いのが一般的な教会ですが、このバジリカは2階が展示スペースになっていることもあり、自由に歩き回れることができます。2階の通路はかなり広く、ステンドグラスを目の前にしてじっくり装飾を眺められるのも楽しいです。

左右に分かれるバジリカの吹き抜けの2階部分を歩くと、1階の奥部分を見下ろすことができます。ここまで近づけていいの?と不安になるくらいです。
室内を見学した後は、バジリカのもう一つの魅力、天井部分にある展望台へ。古い建築の中で、展望台へ向かうエレベータだけピカピカなので何故かと思ったら、「このエレベータは宝くじの収益で建設しました」の文字が。

バジリカの上にある展望スペースへ。鉄格子などはなく、昔と変わらない景色が楽しめます。
この日は残念ながら天気が悪く、霧もかかっているためあまりいい景色が見られませんでした。ベルギーの典型的な冬の景色はこれはこれで趣がありますが、このバジリカに登るベストなシーズンはやはり春〜秋の晴れた日でしょう。夏は緑の街路樹と、秋は色づく赤い木々たちとブリュッセルの街並みの素敵な写真を撮ることができます。

ブリュッセルのバジリカから見渡すベルギーの風景

歴史を感じさせるバジリカの建物。ブリュッセルの丘の上にあるため、遠くからバジリカを見るのも圧巻です
基本情報
- 名称
- クーケルベルグのバジリカ(教会)
la Basilique Nationale du Sacré-Cœur à Koekelberg
- 住所
- Parvis de la Basilique 1 1083 Ganshoren
( 地図アプリで場所と行き方を見る)
- 最寄駅
- Simonis駅(鉄道S10またはトラム19番) *Heilig Hartcollege駅が最も近いですが、バジリカの裏側に出ます。
- 営業時間
- 教会:夏時間の8:00~18:00 冬時間の8:00~17:00 パノラマ(展望台):夏時間の9:00~17:00(最終入場は16:30) 冬時間の10:00~16:00(最終入場は15:30)
- 料金
- パノラマ:6ユーロ
- トイレ
- 有
- URL
- 公式サイト