アントワープのベギンホフについて
アントワープのベギンホフは、街の中心部からやや離れた、アントワープ大学の近くにあるベギン会修道院の施設です。ここではかつて、多くの女性が身を寄せ合い共同生活を送っていました。 12~13世紀のベルギーでは、女性が独身のまま生活をするための働き口はほとんど無く、時期がきたら結婚をするか、結婚せずに神に身を捧げるために修道院に入るかの選択肢が一般的でした。さらに、もし結婚することで生活の安定ができたとしても、男性が十字軍の遠征や病気等で亡くなった場合、残された女性には修道院に入る以外の道はほとんどありませんでした。 しかし、修道院に入るために修道女になるということは、これまでの生活や築き上げた財産を全て放棄し、完全に俗世の人生をリタイアしなければなりません。 このような中世の封建的社会の中で、当時の女性がどんなことを考えていたのかはは知るすべもありません。ですが多様な生き方を求める現代の女性と同じように、修道院に入らずにこの社会の中で生きていきたい、そしてできれば他人に経済的に頼らず、自分の才能や技術で生活していきたいと思っていた女性もきっといたはずです。 そんな女性の多様な生き方を支えるためにできたのが、ベギン会という女性達の互助組織です。このベギン会は、ベルギーに多くの「ベギンホフ(ベギン会修道院、ベギナージュとも)」と呼ばれる女性の生活拠点を作りました。 アントワープで最初のベギンホフ(1240年~1542年)は、他の場所にありました。1545年、ベギンホフがこの場所にゴシック様式で再建されます。教会は1799年に壊されたため、1827年、ネオ・ゴシック様式の身廊を持つ聖カトリーナ教会に生まれ変わりました。 アントワープでは、1986年に最後のベギン(ベギンホフに参加する独身女性)が亡くなりました。現在の建物には、一般の方も暮らしているそうです。 ベギンホフの周りはレンガ塀で囲まれ、塀の中には、舗装された通りや果樹園、教会などがありました。建物はレンガ造りの2~3階建て。家の形はそれぞれ異なっていますが、同じ色の建物が続くため、統一感のある街並みになっています。 このアントワープのベギンホフは含まれていませんが、フランドル地方のブルージュやルーヴェンなどのベギンホフが世界遺産に登録されています。場所は異なっていても、ベギンホフには共通の静けさが漂っています。 [nlink url="https://allaboutbelgium.com/what-is-begijnhof/"] [nlink url="https://allaboutbelgium.com/begijnhuisje-brugge/"] [nlink url="https://allaboutbelgium.com/grand-beguinage-of-leuven/"]基本情報
- 名称
- アントワープのベギンホフ
Begijnhof, Sint-Catharinakerk
- 住所
- Rodestraat 39 2000 Antwerpen
( 地図アプリで場所と行き方を見る)
- 最寄駅
- Antwerpen F. Rooseveltplaats(バス13番)
- 営業時間
- ベギンホフ:月曜日~日曜日:8:00~18:00 ベギンホフの中の教会:月曜日~日曜日:8:30〜18:00
- 休業日
- 水曜日:12:00~14:00
- 料金
- 無料
- トイレ
- 有
- URL
- 公式サイト
*2020年時点の情報です。(ご利用上の注意)