ベルギーのリゾート地 “Spa”で癒やしの旅をしてきました!
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ベルギーのリゾート地 “Spa”で癒やしの旅をしてきました!

Honami
電車で行ける街特集

ベルギーを旅行するならどこへ行きたいですか?

きっと首都であるブリュッセル、おしゃれな街のアントワープ、古い町並みが素敵なブルージュが人気なのではないでしょうか。

しかし、ベルギーには他にもステキな都市がたくさんあります。今回は「Spa(スパ)」という街のご紹介です。

私がまた行きたいと思ったSpaの魅力と過ごし方、それから知っておくとよりSpaを楽しめるちょっとした歴史もお話したいと思います。

Spaの魅力と楽しみ方、行くべき場所と見るべきスポットとは?

Spaを訪れる旅行者のほぼ全員がThermes de Spa(テルメドスパ)へ行きます。そう言い切っても過言ではないほど、このテルメドスパこそSpaを象徴する場所です。

ここはジャグジーや露天風呂が楽しめる、いわゆるスパです。その他にも2種類のサウナや炭酸風呂、エステ、レストランやリラックスルームがあり、まる一日ゆったりと過ごすことができます。

もうお気づきかと思いますが、Spaはまさしく「スパ」の語源になった街なのです。テルメドスパについては後ほど詳しくご紹介します。

まずはSpaの街の歴史に触れておきましょう。

Spaってどんな街?

ベルギーのリゾート地 “Spa”で癒やしの旅をしてきました!
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古くからSpaは水の街として知られ、ベルギー王室をはじめ各国の王や貴族たちが病の治療や余暇を楽しむためにこぞって訪れ、とても栄えていました。

どうしてSpaが水の街として有名だったかというと、その理由はSpaが誇るとても水質の良い泉にあります。Spa近郊にはいくつかの泉が点在していて、その泉から湧き出す水は、硬水が多いヨーロッパの中では珍しい軟水です。昔から病の療養に高い効果があるとされていました。

また現在ではミネラルウォーターの生産地としても有名です。その名も「SPA」。ベルギー国内はもちろんですが、オランダやルクセンブルクでも販売されていて広い範囲で人気のあるミネラルウォーターです。

ミネラルウォーターブランド「SPA」は、様々なフルーツ味の水も販売
SPAはベルギーで最も普及しているミネラルウォーターのブランドです。

Spaへのアクセス方法

私はゲントから出発しSpaに2泊3日で旅行しました。ゲントからは鉄道に乗って3時間弱で行くことが出来ます。

まずゲント・シント・ピーテルス駅まで行き、スパ行きのチケットをチケットマシンか窓口で購入します。この駅はベルギーの各地、フランスやイギリスへもアクセスできる大きな駅です。

ゲント・シント・ピーテルス駅の見どころ

この駅にはベルギーの美しい街の絵が描かれています。訪れた際には、どの絵がどの街か是非考えてみてください。場所は正面玄関から駅へ入ると少し開けた待合スペースがあり、左手にスターバックスコーヒー、右手にチケットマシンが並んでいます。その待合スペースの壁をちょっと見上げたところにその絵はあります。どの街か当てるヒントは、その街にある教会の特徴を見つけることと、絵の縁に書かれた街の頭文字です。

ベルギー、ゲントからスパへの鉄道の旅
ゲント駅構内の美しい壁画

当たり前かもしれませんが、Spa行きの便はあまり本数が多くないのでインターネットで時刻表を確認し、あらかじめどの時間の電車に乗るか決めておくとスムーズです。ちなみに事前にインターネットでチケットを購入することもできます。

チケットが購入できたら、とても長い列車に乗り2時間かけて「Verviers(ヴェルヴィエ)」まで行きます。ヴェルヴィエ まではブリュッセルやルーヴェンなどの大きな都市を抜けるので可愛いお家やおしゃれな町並みを見ることができます。また、街と街の間には広い牧場や平原があり、ぽつりぽつりと立つ田舎の家々を見るのが楽しくて2時間なんてあっという間に経ってしまいます。

ヴェルヴィエ の駅では20分待ち、ここで小さなローカル列車に乗り換え30分でSpaに到着しました。ヴェルヴィエ手前からは山間部に入り段々と景色が変わっていきます。

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SPA駅に到着© Honami

ベルギーの南部はワロン地方と呼ばれ、土地のほとんどが平地の北部フランダース地方より山が多く標高が高くなります。そのため南部にもかかわらずフランダース地方よりも寒いのです。山と言っても日本のような山ではなく全体的に標高は低くめなので、丘と呼んだ方が正確かもしれません。フランダース地方とワロン地方では町並みや建物、自然の風景が少し違います。そういった違いを目にすることが出来るのも、鉄道を利用してベルギーを旅する魅力のひとつです。

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Spaで使われる言語はどっち?

ワロン地方にあるSpaではフランス語が話されています。英語はフランダース地方と同じく、ホテルやレストランなどどこでも通じます。

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個人的な疑問で、言語がフランス語なら食文化もフランス寄りになったりするのかな?と思っていましたが、大きな偏りは見られませんでした。フレンチやイタリアンのお店に行くとワインの品揃えは抜群。はたまたバーやカフェに入ると豊富なベルギービールを楽しめました。

Spaのおすすめホテル

La Tonnellerie(ラ・トンヌレリー)

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私は今回、ラ・トンヌレリー というホテルに泊まりました。このホテルは1階がレストラン、上の階が宿泊部屋になっています。

立地もよく、駅から徒歩7分 、テルメドスパにアクセスできるエレベーターにも徒歩2分の距離です。中心街からは少し離れているので、とても静かな場所にあります。週末はたくさんの宿泊客で少し物音が気になるようですが、私は平日に利用したのでとても快適に過ごせました。

お部屋はコンパクトで可愛らしく好印象でした。お風呂にバスタブは無くシャワーだけでしたが、機能としては十分使いやすかったです。

レストランはとてもおしゃれな内装で、お料理は美味しいフレンチを堪能できます。ワインの品揃えもよく、サービスのクオリティーも大満足の高さです。

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朝食は美味しいクロワッサンと数種類のパン、ハムやチーズに、コンフィチュールやたくさんのフルーツが用意されていて、宿泊料金に含まれている朝食のレベルとは思えないほど素晴らしかったです。2人がけのテーブルに用意された朝食は、とても全部は食べ切れない量でした。どのパンに何を挟んで食べようかと、食いしん坊全開でわくわくしながら頂きました。

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1階のストランは宿泊しなくても利用出来るので、別のホテルに宿泊したとしても一晩は是非こちらで夕食を召し上がってみて下さい。

ラ・トンヌレリー ホテルを予約する

Radisson Blu Palace Hotel, Spa(ラディソンブルーパレス)

もう1つのおすすめのホテルは、ラディソンブルーパレスホテルです。

このホテルはテルメドスパとエレベーターでつながっていて、バスローブのまま行くことが出来るのでとても便利です。

私は利用はしませんでしたが、友人は毎回こちらを利用するそうで、高く評価していました。

インターネットで調べてみると他にもたくさん素晴らしい口コミのホテルがありますし、Spaの街を歩いていると豪華な外観で歴史のありそうなホテルがたくさんありました。次にSpaへ訪れた際にも良いホテルを見つけることができたら、またご紹介したいと思います。

絶対訪れるべきテルメドスパとは?

テルメドスパは小高い丘の上にあります。アクセス方法は専用のエレベーターに乗るか、ちょっとした山道を登るかです。もちろん車でも行くことができます。

先にご紹介した通り、ここは貴族たちが愛した良質な水を存分に楽しめる場所です。

まずテルメドスパのロビーでは3種類の源泉を飲み比べることができます。その中のひとつはかなり鉄の味が強く飲めたものではありませんでしたが、たっぷり良い成分が含まれているんだなということが実感できました。私が渋い顔をして鉄の味の水を飲んでいると、数本のペットボトルにおいしい方の源泉を汲んでいるおじいさんがいたので、持ち帰ることもできるようです。

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テルメドスパで飲める3種類の源泉© Honami

テルメドスパの利用方法

テルメドスパは予約をしなくても大丈夫ですが、様々なエステやマッサージ、ミネラルウォーターを使ったリラクゼーションサービスはインターネットから予約する必要があるので、行く前にテルメドスパのWebページをチェックしてみてください。

こちらからどうぞ ⇨https://www.thermesdespa.com/home/

フロントで受付けを済ますと、リストバンドキーとバスタオルとバスローブが渡されます。このリストバンドキーでレストランやその他のオプションを登録し、最後に精算するシステムです。

持っていくものは水着とサンダル、それから好きな本もあるといいと思います。

館内には温泉、露天風呂、サウナ、エステサロン、リラックスルーム、レストランがあります。温泉と言っても156㎝の私の身長では足がつきかねる深さです。日本の温泉プールのような感覚で利用でき、全館水着着用になっています。しかしサウナだけは例外で2箇所に別れており、水着着用か否か、どちらに入るか選ぶことができます。しかしどちらも混浴です。私は全裸になる勇気がなかったので着用の方を選びました。

絶対体験してほしいCarbonated bath(炭酸バス)

いろいろなエステやマッサージなどのトリートメントがある中で、私はこのCarbonated bath(炭酸バス)を利用しました。

これはベルギー王国レオポルド2世の王妃であるマリー・アンリエットがSpaへ療養へ来ていた頃に愛用されていたお風呂で、この炭酸水の源泉はマリー・アンリエットと名付けられています。

36度の温かいミネラル炭酸水を使っていて、入浴することでリラックスできることはもちろんですが、傷や火傷の症状を和らげ肌をしなやかにしてくれる効果があるそうです。また炭酸の気泡は血行を促進させ、老廃物を流す効果があります。

実際に入浴した感想は、水は柔らかく炭酸の気泡が肌に触れるととても気持ちよく、気づけば制限時間の20分間があっという間に過ぎてしまいました。19世紀から使われている銅製の美しいデザインのバスタブは保温効果が高く、20分後もその心地よい暖かさを保ったままだったことに驚きました。入浴後のお肌はしっとり柔らかという仕上がりです!

本当におすすめのオプションなので、テルメドスパへ行った際は是非利用してみてください。

その他にもSpaの見どころはたくさん!

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リゾート地であるSpaにはカジノや劇場もありますし、森の中を散策できるトレイルもたくさんあります。時期によってはヨーロッパで大人気の自転車ロードレースの大会も開催され、見どころ満載の街なのです!

町並みも可愛くそして立派な建物もたくさんあり、街を散歩するだけでも楽しめます。2泊3日の旅程では足りないくらいでした。

昔は王族や貴族しか楽しめなかったSpaの温泉と街ですが、今では各国から旅行者が訪れ、その良質な水を楽しめていると思うと、なんだか不思議な気分になります。

是非、次回のヨーロッパ旅行ではベルギーのSpaを訪れて、贅沢なひと時を過ごしてみてください。

WRITER

Honami

現在、ベルギー人の彼と遠距離恋愛中のため日本とベルギーを行ったり来たりしています。その中で私が出会った、ベルギーのステキなコトやモノをたくさんシェアできたらいいなと思います(^^)