デュルビュイ観光ガイドを公開後、何度か「デュルビュイはバスや鉄道などの公共交通機関を使って行けないのですか」という質問をいただきました。

ベルギーの魅力といえば、ブリュッセルやブルージュなどの多くの観光都市には鉄道で簡単に行けること。それなのに、南部地方の森の中にあるこのデュルビュイだけは「レンタカーまたはツアー参加」で行くことをおすすめしているからです。
BELPLUSスタッフの考えは、デュルビュイへは、鉄道とバスで行けないことも無いけど時間の無駄だしリスクも高いです。

ブリュッセルからデュルビュイに行くとします。実際は、デュルビュイの近くにある都市「リエージュ(Liege)」または「マロリー(Marolie)」までは快速電車で行き、そこからローカル線に乗って「バルヴォー(Barvaux)」駅へ到着。最後はバスに乗り換えて、デュルビュイの中心部まで行くことができます。
リエージュを経由するか、マロリーを経由するかは自由ですが、上の地図の通り、リエージュ経由の方が直線的で時間も短いです。また、どちらを経由しても最終的にはバルヴォー(Barvaux)駅に到着し、そこからバスでデュルビュイ中心部に行くのは同じです。
ということで、実際には電車とバスで行くことが可能なのに、BELPLUSでこの方法をおすすめしていない理由は、1)時間がかかりすぎることと、2)電車やバスに乗れなかった時のリスクが高すぎることと、3)周辺の観光名所に行くことが難しい からです。
問題1:時間がかかりすぎる
上記の電車とバスで行く方法では、どちらのルートを使っても、最低でも3時間、電車やバスの乗換タイミングが悪ければ4時間以上かかります。また、最後のバルヴォーから乗るバスはいわゆる地方のローカルバスで、近隣の田舎町をゆっくりと経由しながら進みます。
のんびりした旅もいいのですが、限られた旅行時間を考えると移動にこれだけかかるのは時間がもったいないと思います。またこの方法の場合、日帰りでデュルビュイに行くのは非常に難しいです。
その一方で、レンタカーや観光バスで行く場合は、通常1時間30分で行くことができます。この時間なら、日帰りのデュルビュイ観光や、デュルビュイ周辺の都市やいなか町、古城に立ち寄ることも可能です。

問題2: 電車やバスに乗れなかった時のリスクが高すぎる

ベルギーでは、電車の遅延は日常的にあります。さらに注意したいのが、ベルギー国鉄のストライキで電車が全面休止することもあります。デュルビュイは乗り換えが多いだけでなく、郊外なので電車もバスも基本的に便数が少ないため、これらは大きなリスクになります。
国鉄のストライキの方は事前に予告があり、また、実施される曜日も何となく決まっているのですが、それらも急に変更される可能性はあります。
また、遅延や休止などのアナウンスは地方では現地語(フランス語)でしか放送されないことが多く、状況を理解するのが難しい場合もあります。
どうしても公共交通機関で行きたい場合は、余裕のある計画をした方がいいでしょう。近隣の大きな都市を調べておいて、いざとなったらそこで泊まれるようにホテルを探しておくことも重要です。
問題3: 周辺の観光名所に行くことが難しい

デュルビュイ観光ガイドにも書きましたが、デュルビュイの周辺には、美しい庭園がある古城や、石造りの可愛いいなか町が点在しています。ですがこれらの周辺の見どころは、基本的に車でしか行くことはできません。
世界中からデュルビュイを訪れる多くの人は、レンタカーや観光バスなどで、これらの場所にも訪れる「南部地方ツアー」を楽しんでいます。

デュルビュイだけに行くのも良いのですが、公共交通機関を使う場合は都市部からの移動だけでも6~8時間以上かかるため、どちらにしても2日間をベルギー南部地方で過ごすことになります。
それなら、絶対に他の見どころにも行って欲しいのですが、特に古城群は周辺から隔離された場所にあるため、車や観光ツアー以外で行くことはほぼ不可能です。
ベルギー南部で充実した旅をするなら、公共交通機関に依存しない、自由に動けるレンタカーの旅を強くおすすめします。

海外で車を運転するなんて怖い、と思うかもしれませんが、基本的にはまっすぐで広い高速道路と、のんびりした田舎町を走るだけです。
どうしてもブリュッセルや空港などの都市部からの運転が怖いようであれば、電車でリエージュやナミュールなどの近隣都市に行き、そこからレンタカーを借りることもおすすめします。