アール・ヌーヴォーの曲線美溢れるお屋敷や、荘厳なゴシック様式で建てられた教会群など、ベルギーには美しい建築物がたくさんあります。その中でひときわ異彩を放つのが、ブリュッセル郊外にある「銀色の玉」アトミウム。
アトミウムは、1958年のブリュッセル万国博覧会(EXPO)の為に建てられた、現在もブリュッセルを代表するシンボルです。直径18mの9つの球体が原子(アトム)をあらわしており、中はブリュッセルの街が見える展望台のほか、博覧会終了後から現在に到るまで様々な用途で利用されています。
1958年の万国博覧会当時の写真やアートワークを今振り返ると、ブリュッセルのれんが造りの街並みに突如と現れた、近未来的な巨大建築物のレトロフューチャー感が楽しいです。
ここでは、アトミウム建設当時の様子も交えながら、万国博覧会当時のアトミウムを振り返ってみます。
まずは建設初期のアトミウム。ぼんやりしていてかつモノクロのため、レトロフューチャーというよりディストピア感があります。
アトミウム内部の解説図。古いSF映画の宇宙船のよう。
赤レンガ屋根の可愛い家の背景にあるアトミウム。
万国博覧会の会場として、多くの人が来場したアトミウム。同じくレトロフューチャーなシャトルバスらしき乗り物も手前に見えます。
ロープウェイのように空中を運行していた赤い乗り物。昔の観覧車のようなデザインです。
タンタンの漫画にもアトミウムが。これがあれば一瞬でブリュッセルとわかるので、ある意味便利な背景かも。
1958年当時の工学専門誌の表紙を飾ったアトミウムのイラスト。
アトミウムの中に小さな球体が。一人一人が眠ることができるポッドですが、こちらもSFっぽい。
小説の表紙にもなりました。
かつて存在したサベナ・ベルギー航空のポスターです。
車やファッションのデザインと、キラキラしたアトムの対比が面白いです。