旅のプラン

[治安] ヨーロッパ旅行で身を守るためにできること

BELPLUS編集部
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ヨーロッパで身を守るために私がやっていること!

ヨーロッパの置き引き

おかんの美術仲間のAさんが、今年の夏にスペイン旅行に行きました。Aさんはこれまで韓国や台湾には行ったことがありましたが、ヨーロッパ旅行は今回が初めて。とっても楽しみにしているというのは、私もおかんから聞いていました。

バルセロナに着き、有名なサグラダファミリアやピカソ美術館でアートを堪能した彼女は、大通りのオープンカフェで休憩します。日本と同じように、バッグはカフェの隣の空いた椅子に置き、コーヒーを注文します。注文を終えて隣を見ると、バッグは忽然と消えていました。バッグに入っていた財布もパスポートも無くしてしまったため、現地で警察や大使館に行ったり、帰ってからも旅行保険会社に遺失物手続きをしたりするなど、散々な旅だったそうです。盗みの現場のカフェでも支払いができずに泥棒扱いされるなど散々な目に。

安全そうに見えるオープンテラスですが、混み合っているときは自分のテーブルの周りを人が行き交います。

安全そうに見えるオープンテラスですが、混み合っているときは自分のテーブルの周りを人が行き交います。

このようなスリや置き引きは、このサイトでご紹介しているベルギーを含む、ヨーロッパのすべての国で起こりうる可能性があります。なぜこういうことが起こるかについては、様々な観点から考えることができますが、一つ、絶対的な理由として、「日本が他国の平均と比較して安全すぎる」からというのがあります。

例えば日本のカフェでは、バッグや靴、パソコンまでを全て置いてトイレに立つ人がいます。さすがに財布は持って行っているでしょうが、こんなことができるのは、世界中で日本だけです。他の国では、そんなこと誰もやっていないし、やればあっという間に誰かが持っていくでしょう。それで警察に行っても、「いや…それって置いていったほうも悪いんじゃない?」とびっくりされることも間違いありません。

そこまで周りの人を信頼出来る環境で育った私たちは、日本以外の国では、必要以上に防犯を意識する必要があります。とはいっても、周りの人を常に疑い、落ち着かないまま旅行を終えるわけではありません。ほんの少しの「気をつけること」を守るだけで、スリや置き引きなどに合う確率はぐっと低くなります。

そのため、私たち母娘がヨーロッパ旅行でいつも気をつけていることを下にまとめました。

できること1:バッグを体から離さない

バッグは自分の膝の上か、最低でもすぐに手が届く隣の席に。

オープンテラスのカフェでは、バッグは自分の膝の上がか背中と椅子の間に。

日本だとついついやってしまいがちな、空いている椅子や網棚などにバッグを置くこと。当然ですが、自分の右側に置いたバッグは、左を向いているときは視界から外れます。置き引きのプロの中には、わざと話しかけたり、注意を引いたりして、視界から外れたところでバッグを盗む巧妙な手口があります。バッグを置くときは、必ず体の真隣(密着させる)か、不安ならば膝の上においてください。どうしても密着が無理ならば、自分の正面の席など、視界の中心に置きます。特に、人通りが多いオープンカフェのテラス席は要注意です。

また、テーブルにひっかけて簡易フックを作り、そこにバッグを吊り下げる「バッグホルダー」もとても便利です。テーブルの下の自分の膝に触れる範囲にバッグをかけておくと、他人からバッグが見えなくなるのでダブルで盗難防止になります。旅行中に使って、安心だっただけではなく、テーブルが広く使えることが気に入ったので、日本でもよく使っています。

パスポートと少額の現金は外から見えないポーチに

私たちは、旅行中はパスポートと少額(30ユーロ)の現金を首から下げられるポーチに入れます。たとえバッグを盗まれたとしても、30ユーロあれば、タクシーなどでホテルまで帰れるからです。
ポーチは服の下に隠れるタイプならば外から見ても全くわかりません。専用のものがたくさん売られています。

できること2:夜22時以降は外を歩かない

ベルギーでは、昼間はたくさんいた観光客も、レストランが店じまいをする22時頃にはぐっと少なくなります。観光名所に近いブリュッセル中央駅ですら、グランプラス方面以外の出口は閑散として、全く人が見当たらない時があります。というのも、日本のように深夜営業のお店やコンビニもないため、(Nachtwinkelという深夜営業の食料品店がありますが、値段も高く、普段使いではありません)夜に出歩く人の数が絶対的に少ないのです。

また、日本も同じですが、騒がしい大通りから一本外れると、突然驚くほど静かで、人がいるのかどうかすらわからない通りに出くわすことがあります。自分が住み慣れた場所なら、「ここは危険かもしれない」という野生の勘がはたらくのですが、見知らぬ外国では、単に閑静なエリアなのか、それとも治安が悪くて誰も通らないのか、区別がつきにくいです。

ブリュッセルで唯一22時以降最も安全なのは、グランプラス広場その周辺にあるホテルあたりです。ブリュッセルの治安の考え方については、下記のページもご参考ください。

ベルギーで「行ってはいけない」治安の悪い場所は?
ブリュッセルの国際機関で働く私が実感する「治安状況」をマップにまとめました。どの場所にホテルを取るべきか、ブリュッセルを街歩きする上で知っておきたい治安についての考え方も一緒に説明...

できること3:ハイヒールの靴で観光しない

ヨーロッパの古都では、観光客はヒールの高い靴を履いているからすぐわかると言われます。古い石畳の道は足を痛めるため、地元の人はヒールで長時間歩くことはほとんどしません(ヒールのときは車で移動します)。そのため、観光客だとはっきりわかるのは、スリや置き引きには絶好のチャンスを与えてしまいます(特に、日本人は現金を多めに持っているから狙われやすいと言われています)。

せっかくの旅行でおしゃれしたいのはもちろんですが、終日歩いて観光する日などは、本当に足を痛める可能性があります。どうしてもヒールを履くときは、3~5cm程度でヒールが大きめ(ピンヒールではない)ものに。フォーマルディナーや写真撮影などでどうしても必要であれば、一旦ホテルに戻って靴を履き替えるか、バッグに入れて持つことをおすすめします。

できること4:できるだけ現金を持ち歩かず、クレジットカードを使う

鉄道、メトロ、バスの切符は全てクレジットカードで購入可能です。

ベルギーの鉄道、メトロ、バスの切符は全てクレジットカードで購入可能です。

私たち母娘は、海外旅行であまり現金を使いません。出発前に両替するのは、ちょっとした飲み物や自分のおみやげに使うためだけのお金のみ。10日間の旅行で、両替して現金で持つのは二人で8万円(一人4万円)分程度です。それでも、帰国時には結構余る時があります。

その代わりに、現地では出来る限りクレジットカードで支払うようにしています。航空券やホテルは日本から予約済みなので除外すると、ベルギー国内でも、電車やメトロのチケット、レストランでのランチやディナー、ほとんどのおみやげ(空港の免税店も)店では、クレジットカードが問題なく使えます。

クレジットカードの良いところは、万が一無くした場合の対応が早いことです。クレジットカードの裏面にある「緊急お客様番号」はかならずパスポートと一緒に控えておきます。もし、カードを無くしたり、盗まれたという場合は、世界中のどこからでもこの番号に電話でき、すぐにカードの利用停止手続きを行います。

大量の現金を持ち歩くと、どうしても不安な気持ちが拭えませんし、財布を開けた時にスリや置き引きに紙幣の数を見られ、ターゲットにされる場合さえあります。クレジットカードにも不正利用などのリスクはありますが、レシートをしっかり確認することで気をつけています。

できること5:不自然すぎる出会いに要注意

ベルギーの盆栽イベントで。日本文化に詳しい人も多いです。

ベルギーの盆栽イベントで。趣味や食文化を通じて、日本文化に詳しい人も多いです。

海外旅行の醍醐味は、知らない世界を体験すること。風景や文化に触れるのももちろんですが、現地の人とのコミュニケーションも喜びの一つです。日本では「外国人が日本で体験する」番組が人気ですが、私たちもそこで放送される体験のように、たまたまカフェで隣に座った人と話がはずんだり、道を聞いた人にとても親切に教えてもらったりなど、素敵な体験をするチャンスがたくさんあります。私たち母娘もこれまでに、心温まる出会いがたくさんありました。ゲントで仲良くなった人と、翌日にアントワープに一緒に出かけたこともあります。

ですが、現地に詳しくない観光客を相手にした、「偶然の出会い詐欺」が存在するのも事実です。ヨーロッパでは、迷っている人に声をかけ、道を教えてあげると目的地に連れて行った後で、案内料(少額ですが)を要求するものや、「僕の作品を飾っているギャラリーです。何も買わなくていいから、見て行ってください」と巧みに店内に誘導し、最後には少額の作品を買わせるまでは店から出さないようにする、という例もあります。

どちらも暴力などはなく、心理的に「良くしてもらったのだから、払わないと(買わないと)申し訳ない」という気持ちにさせるのが特長です。ですが、そのようにして納得しないままお金を出しても、せっかく訪れた国に嫌な思い出が残るだけです。必要でないものはきっぱりと「No」という姿勢が大事です。

「偶然の出会い詐欺」では、最初はこちらも「優しい人だな」「旅の思い出になるかも」といい気持ちになるのですが、途中で「なんか変だな」と感じる点が増えてきます。下記のような点に気をつけて、本当に楽しい出会いだけを体験してください。

  • 日本語が上手すぎる…観光中心地に多いです。日本で流行ったギャグや冗談を取り混ぜて楽しい雰囲気を演出しますが、微妙に古い(数年前から情報が更新されていない)ことが多いです
  • 自分が道に迷った時に、すぐに話しかけてきた…ガイドブックを広げていた、道の地図案内を見ていたところで話しかけられたのではなく、「あ、迷ったかも」とちょっとキョロキョロした瞬間に話しかけられた場合、相手は前からあなたのことを観察していた可能性があります
  • 会ってすぐなのに「私たちはもう友達だから」という…言われて悪い気はしませんが、普通のコミュニケーションではまず言いません。この後、「友達だから自分が教えてあげる」「〜見せてあげる」という会話になり、最後に金銭の要求があります

最後に

金銭を要求された場合、「最初は無料(友達)と言っていたのに気持ちを裏切られた」と思うか、「ガイド料だと思って払ってもいいや」と思うかは人によります。このような時に、一番安全に終わらせるためには、純粋に案内してもらった分、良くしてもらった分をガイドの対価として支払うことが適切だと考えられます。

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