ベルギーを訪れる方に、滞在中は絶対に一度は(できれば何度でも)食べていただきたいのがフライドポテト。街中にあるフリットコット(Frietkot)と呼ばれる屋台で、揚げたての熱々をマヨネーズ(基本はマヨネーズですが、塩やケチャップなど、たくさんのソースから好みの味を選べます)につけて食べれば気分は地元っ子です。暑い日はテラスでビールと一緒に、寒い日は体が暖まるストリートフードとして、一年中を通じて愛されています。
実際に食べてみると、外はカリカリ、中はホクホクのフライドポテトは、日本のフライドポテトと違うことに気がつくはず。
ベルギーフライドポテトの美味しさの秘密は、主に以下の3つが理由だと言われています。
秘密1:ベルギー産のビンチェ(Bintje)種ポテトを使用
メークインや男爵など、日本にも様々なタイプのジャガイモがありますが、ベルギーでフライドポテトに使われるベストなポテトといえば「ビンチェ」です。皮と中身がどちらも黄色がかった小ぶりのサイズで、ベルギーでは多くのスーパーマーケットで生のまま売られているほか、フライドポテト用としてあらかじめカットされたものも販売されています。
しっかりとした味は、酸味があるケチャップよりもマヨネーズのまろやかな味と良く合うため、ベルギーではマヨネーズと一緒に食べることが主流となりました。
フランス、オランダ、ベルギーでの生産量が多く、フライドポテトの他にもマッシュポテトやポテトチップスとしても広く使われているので、滞在中は一度は食べることがあるかもしれません。
秘密2:牛脂で揚げる
牛脂とは、名前の通り牛の脂のこと。この牛脂でポテトを揚げることで、フライドポテトにコクと旨味が加わります。日本でも牛脂はすき焼きやステーキを調理する際に鉄板で溶かして利用したり、カレーやラーメンなどに隠し味として旨味を加えるために使われています。秘密3:二度揚げる
中はホクホク、外はカリカリとしたポテトの秘密は、ポテトを二度揚げること。多くのフリットコット(フライドポテト専門店)は注文を受けてから2回目を揚げるスタイルです。2度揚げでカリカリとしたポテトの皮は、ソースを吸っても柔らかくならず、揚げたての食感が長く楽しめます。単独の料理として楽しむのが地元っ子
フライドポテトといえば、ハンバーガーなどの料理のサイドディッシュとして食べるのが日本では一般的。ですがベルギーでは、単独の軽食としてよく食べられます。フリットコットと呼ばれるフライドポテト専門店で揚げられたできたての熱々を、ドリンクと一緒にちょっとおやつがわりに食べればあなたも地元っ子。日本のたい焼きにも似た、ベルギーのストリートフードなのです。フライドポテト好きのベルギーっ子たちは、軽食として食べるだけでは物足りないのか、しっかりとディナーの付け合わせとしても登場します。ベルギーのカフェ・レストランでは、メイン料理を頼むと自動的にフライドポテトが付いてくることが多いです。最近では健康志向も高まり、付け合わせにはポテトの他、パン、野菜やライスから選べるお店も増えてきました。付け合わせであってもフライドポテトには特に力を入れているお店も多いので、レストランで頼むときはチェックしてみてください。
また、基本的にフライドポテトのお店は小資本から始められるため、品質と味にこだわったスペシャルを売りにするお店がある一方、薄利多売することが目的のお店も出現してきているように感じます(特に観光客が多いエリア)。地元っ子から愛される美味しいお店を、ちょっとずつ紹介していきますね。