ベルギーのおとぎ話の世界へ。幻想的な夜のメッヘレンをお散歩

おとぎ話の世界へ。幻想的な夜のメッヘレンをお散歩

BELPLUS編集部
カフェ・レストラン 電車で行ける街特集

ブリュッセルともアントワープとも違う街

メッヘレン(Mechelen)は、ブリュッセルアントワープのちょうど真ん中にある街です。神聖ローマ皇帝カール5世が幼少期を過ごした場所として有名であり、両都市のように華やかな見所は少ないですが、世界遺産に認定された建物が多く、市内は車の進入が規制されています。そのため、昔ながらの街並みの雰囲気を歩きながら楽しむには一番の街です。

また、美食の街としても有名で、べルギー国内で有名なレストランも多くあります。ブリュッセルとアントワープの両方に訪れる予定がある方には、是非途中下車してほしい街です。

ブリュッセルからアントワープに行った帰り、メッヘレンでディナーを食べることにしました。メッヘレン駅で下車した後、街の中心部へは歩いて15分程度です。

メッヘレンは、観光客がアントワープやブリュッセルに比べると少なく、また車も規制されているため、しんとした夜は街並みの美しさが一層際立ちます。ブリュッセルやアントワープは近代的な建物も多く見られますが、ここメッヘレンは美しい景観が文化遺産として守られているエリアが多く、中世の古都に紛れ込んだような錯覚に陥ります。

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美しいメッヘレンの街並み。歩いているだけでも楽しいです。カフェや雑貨屋さんも遅くまで開いています。

街の中心部の広場(グロートマルクト)には、14世紀から街を見守る美しい塔が。ちょうどカリヨンが鳴り響いていました。そしてその前には、幻想的にライトアップされたサーカスのテントが。

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美しいサーカスのテント。どこかミステリアスです。

ちょうどサーカスの前にいた人に訪ねてみたところ、ベルギーに古くからあるサーカスだそう。古い幌馬車や焚き火、そしてアンティークのガラクタなどが、メッヘレンの石畳を彩ります。

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サーカステントへの入り口は、赤いベルベットのカーテン。中からは静かな囁きが聞こえます。後ろに見えるのは大聖堂の塔。

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サーカスの隣にある、ベルギーワッフルやタルトを売る屋台。木でできたクラシカルな店内がかわいいです。

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メッヘレンの街の案内板。木彫りに色を塗って仕上げられています。

「サーカス」でメッヘレン名物を味わう

サーカスのテントの間をすりぬけて、レストランが並ぶもう一つの小さな広場ビスマルクトへ。ここで、「デ・シルク(オランダ語でサーカスの意味)」というとっても瀟洒なレストランがあったので、これも縁かと思って入ってみることに。

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デ・シルクの入り口。ベルギーのレストランは、寒い時期は風除けのために入り口にカーテンがひかれます。

ここで「メッヘレンのおすすめは?」と聞くと、メニューの一番目立つところにある「Vol au vent van Mechelse koekoek」をすすめられたので、注文してみます。Vou au Ventとは、ベルギーの名物料理の一つで、鶏肉をクリームシチューで煮込んだもの。これを手のひらサイズの小さなパイに入れるかわいい一品は、ベルギー料理のレストランの定番としてメニューによくあります。そして「Mechelse koekoek」とは、メッヘレンで育てられているチキンのこと。味が良い品種として、ベルギー国内でも有名だそうです。

Mechelse koekoekとは、19世紀からメッヘレンで育てられているチキンの品種です。

Mechelse koekoekとは、19世紀からメッヘレンで育てられているチキンの品種です。

今日のアントワープやメッヘレンの思い出をしゃべりながら待っていると、いよいよVol au vent van Mechelse koekoekがやってきました。Vol au ventといえば、小さなパイ生地の上にシチューが乗っているものばかりを想像していたのですが、ここではスタウブの黒い鍋にシチューが入ってサーブされました。つけあわせは、これもたっぷりのサラダに、フレンチフライ、そしてパイではなくてクリスピーなクラスト。

これで一人分ですが、二人で食べてもいいくらいの量。中にはチキンがごろごろ入っています。

これで一人分ですが、二人で食べてもいいくらいの量。中にはチキンがごろごろ入っています。

そしてメッヘレン産のチキンの味は…チキン自体の味がしっかりしていて、クリームのこってり加減にも全然負けていません。そして身がしまっていてとても健康的。最初は、食べられるかな?と心配だったのですが、一人であっという間に食べてしまいました。ベルギー滞在中に、名物料理Vol au ventを食べてみたい方は、ぜひメッヘレンでチキンと一緒に味わってください。観光客向けの名物料理ではなく、地元っ子のふだん料理として、メッヘレンでは多くのレストランのメニューに載っているそうです。

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サイドディッシュとしてサラダとフライドポテトがついてきました。これだけでもかなりの量です。

ベルギーらしくない場所で、観光客ゼロのローカル体験

そのあとさらに街を歩いて、もう一度マルクト広場に戻り、こちらもたまたま空いていたかわいいバーでベルギービールを飲みました。

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ベルギーらしいビアバー。でも実は…

ですがここ、実は「アイリッシュバー」だったんです。そのため、観光客はまったくおらず(普通ベルギーでアイリッシュバーに行かないですよね…)、気楽にビールを楽しむ地元っ子ばかりの飾らない雰囲気の場所でした。ですが、ギネスを飲んでいる人もいれば、いつもと変わらずベルギービールを頼んでいる人もいて、ちょっと不思議な雰囲気の場所でした。

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よく見るとアイリッシュバーらしい主張があちこちに

だからもちろんギネスビール!というわけではなく、Duvelを飲んでしまいました。

だからもちろんギネスビール!というわけではなく、いつも通りDuvelを飲んでしまいました。

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