マグリット美術館への行き方
©René Magritte

シュールレアリズムって面白い!マグリット美術館へ

Musée Magritte(Magritte Museum)
BELPLUS編集部

マグリット美術館について

年代別に分かれた展示だけでなく、ミュージアムショップやダイニングも充実。館内のカフェやブラッセリーはちょっとした休憩やランチ、ディナーまで楽しめます。 もともとは王立美術館の一部だった建物を改装したため、王立美術館と隣り合っており、共通入場チケットも販売しています。 マグリットに関しての展示は、ブリュッセル郊外にも「マグリットの家」というマグリットの邸宅を改装した美術館があります。 他の王立美術館に属する美術館とは異なり、月曜日もオープンしている貴重な美術館です。

マグリットってどんな人?

マグリットは1898年生まれ。ブリュッセルの美術学校を卒業後、まずポスターと広告デザインの仕事に就き、商品の広告を担当しました。

アーティストはみんな破天荒で、一般の会社で働かない(というか、働けない)という勝手なイメージがあったので、この事実にはびっくりでした。マグリット美術館には、彼の広告デザイナー時代に作成したポスターもたくさん見ることができます。

©Musée Magritte Museum

©Musée Magritte Museum

生活費のために一般の会社で働きながらもアーティストとしての道も模索していた彼は、同時代の画家であるポール・ヌジェやデ・キリコと出会い、次第にシュールレアリズムに傾倒していきます。特に大きなきっかけとなったのは、ジョルジョ・デ・キリコの作品『愛の歌』。これを見たマグリットは「涙を抑えることができない」ほどの感銘を受け、シュルレアリスムの方向へ進む決意をしたと言われています。

画家というより公務員!?

謎めいた作品が多いマグリットですが、若い頃に広告デザイナーとして勤めていたという経歴を含め、その生涯は、波乱や奇行とは無縁の平凡なものでした。ブリュッセルのつつましい(日本から見れば豪華ですが)アパートに暮らし、幼なじみの女性とと生涯連れ添い、時間や締め切りを守り、夜10時には就寝するという、画家というより公務員のイメージに近い生活を送りました。

©Musée Magritte Museum

若きマグリットの自画像。スーツで絵描き、オシャレだけど汚れないかな?! ©Musée Magritte Museum

「イメージの魔術師」と呼ばれるマグリットだけに、自分の生活スタイルも、人に見せる時は作品の一つとして考えていたのかもしれません。美術館には彼のインタビューや手紙も多く残されており、そこからも彼の神秘的な人柄がうかがえます。

美術館のみどころ

250点以上あるマグリットの作品ですが、必ず見ておきたいのが「秘密の遊戯者」「帰還」そして「光の帝国」の3つです。

秘密の遊戯者

René Magritte. Le Joueur secret (The Secret Player). Brussels, 1927

© René Magritte. Le Joueur secret (The Secret Player). Brussels, 1927

シュールレアリスト画家としての初期の作品。顔の無い黒い亀、謎の女性、そびえ立つ巨大な柱など、のちのマグリット作品にも出てくるモチーフがすでに使われています。

秘密の遊戯についてもっと詳しく

帰還

©Musée Magritte Museum

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鳩はマグリットの作品に頻出するモチーフで、のちにベルギー航空のシンボルにもなりました。これを描いた当時のマグリットは、ナチスによるベルギー占領を逃れ、フランスに疎開していました。平和のシンボルである鳩と、新しい生命である卵が、戦時下の家族の絆を描いているようにも見えます。

光の帝国

マグリットの中でも最高傑作と言われている作品。空はマグリットの作品によく見られる明るい青空でありながら、下に見える家は闇に包まれ、明かりが灯っています。昼と夜が神秘的なコントラストを表現しています。
©Musée Magritte Museum

©Musée Magritte Museum

建設中当時のマグリット美術館。シートがシュールレアリズムです

建設中当時のマグリット美術館。改装中の建物を覆うシートがシュールレアリズムでした

カフェやブラッセリーなど食べる場所も充実

美術館内には、カフェとブラッセリーがそれぞれ1つづつあります。

©Musée Magritte Museum

©Musée Magritte Museum

カフェでは、コーヒーや紅茶などドリンク類のほか、サンドイッチ、スープ、パスタ、ベルギーフリッツなどの軽食も充実。なんとお寿司までありました。晴れた日は、テラス席からサブロン広場までが見渡せます。セルフサービスで気軽に利用できます。

ちょっとアップグレードしてランチやディナーを楽しみたい方は、館内のブラッセリーへ。100%ベルギーにこだわった料理の数々を、ベルギーの有名インテリアアーティストであるAntoine Pintoがデザインしたエレガントな雰囲気の中で楽しめます。ベルギービールやワインも充実。

基本情報

名称
マグリット美術館
Musée Magritte(Magritte Museum)
住所
Rue de la Régence 3、1000 Bruxelles
( 地図アプリで場所と行き方を見る)
最寄駅
ブリュッセル中央駅(鉄道)
営業時間
月曜〜金曜: 10:00 - 17:00 土曜・日曜: 11:00 - 18:00 カフェは、全日10:00 - 17:00まで営業 ブラッセリーは、ランチタイムは12:00~14:30、ディナータイムは18:00~22:30まで営業
休業日
1/1, 1月第1木曜、5/1、11/1, 11/11, 12/25
料金
ブリュッセルカード の利用で入場料が無料になります
大人(26歳以上) : 10ユーロ(隣接する王立美術館との共通チケットは15ユーロ) シニア(65歳以上):8ユーロ 子供:6~25歳:3ユーロ 5歳以下は無料
トイレ
URL
公式サイト
*2019年時点の情報です。(ご利用上の注意)

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BELPLUS編集部

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